宇垣さん?
宇垣美里さんというとTBSの人気女子アナで自由奔放なキャラというイメージしかなかった。
正直、あまり見たことがないので、どんな人なのか記憶になかったが、名前だけはよく耳に入ってきていた。
今はフリーになられているということは知っていたが何をされているのかは知らなかった。
Youtubeを見ていると「読書オタクの衝撃爆買い!」というタイトルが表示された。
そして「宇垣美里 本屋へ」というテロップと顔が表示されていた。
「出版区」というチャンネルの企画で「本屋ついていって1万円あげたら何買うの?」と題し著名人の方に1万円をお渡しし、本屋での買い物に同行させて頂くというものらしい。
そして、この回は宇垣美里さんがゲストだった。
宇垣さんは本当に本が好き
宇垣さんは本を凄く読まれる方のようで普段は小説・文芸といった物語系のものを読まれるとのこと。
漫画も好きで、読むときは電子ブックになるが「物(ブツ)」として装丁が素敵だったり、箔押しがしてあったりとか、コレはステキ!となる時は「モノ」として所有したいので「ブツ」としても買うということがある程の本好きだった。
そして企画の内容を説明すると「基本、1万円は超えます」と断言されていた。
一冊、二千円としても5冊以上は買う気でいるということなのだろう。
新刊書・話題書のコーナーから見始めて最初に手にとったのは岡真理著「ガザとは何か」
講演の内容に加筆して本にしたもので、ガザ地区のことが凄くよくわかる本だということで紹介されていたようだ。
桐野さんの本は?と聞かれて「くらうことが多い」と答えた。
どういうことかと思っていると、腸(はらわた)を見せつけるかのような映像だと目をそらしてしまうような映像でも本や文字だと私は割かし読めることが多いので、ついつい手を出してしまう作家さんだと答えた。
店内を歩いていると、宇垣さんが、あっ「目[me]」だ!と叫んだ。
そして手に取ったのは、目[me]」というアート集団の本だった。
タイトルは、なぜ人はアートを楽しむように進化したのか?
そして 目[me]」が代々木公園で「空に巨大な顔を浮かべるという謎な光景を出現させたときの写真が表紙になっていた。
人間にとって、アートは生きる上で必要不可欠なものか、否か。その最大の謎に、脳科学、神経科学、進化心理学などの視点から迫り解き明かす画期的書籍だそうだ。
ここまてまの3冊で宇垣さんの読者の守備範囲は広いんだろうなぁ〜と感じた。
そして次に選んだのが、呉勝浩著「法廷占拠」という小説。
この作品は爆弾という作品の続編になる。
宇垣さん曰く、前作が綺麗に終わったので、ここから、どうやって続きを?と思っていたそうだ。
「爆弾」はあっという間に読んでしまったので、続きが気になるとのこと。
本の帯について
宇垣さんは本の帯を良く書くそうで、心掛けているのが、他の本にペッって帯を変えて持って行っても通用するような帯は書いちゃダメということ。
これは朝井リョウさんが話していたことらしく、その本ならではの、ビビッと刺さる、キャッチーな言葉が使えたらいいなとは思っていますと答えていた。
きっと、この意識で本を読んでいるので著者や本の特徴にあった表現や言葉で話すことができるのだろう。
次に手に取ったのは、小川洋子著「ことり」。
宇垣さんは、文章の美しさを特に重視しており、物語の面白さやストーリーテリングにも注目するものの、基本的には「文章が美しい人の作品」が大好きだそうだ。
小川洋子さんの言葉には独特の美しさがあり、それでいて寂しさや不穏さといった感情が、直接的に表現されるわけではないのに、強く伝わってくる。宇垣さんは「あの読後感は、小川さんにしか生み出せないものだ」と常々感じていると語っていた。
とこんな感じで、色々な種類の本を手に取って、カメラマン兼インタビュワーが本や著者のことについて質問すると実にわかりやすく、読んでみたくなるような感じで即答してくれるところが凄いと感じた。
自分は、たくさん本を読めば読むほど、印象が弱い本から順番に記憶から消えていってしまう。
しかし宇垣さんは、読んで面白かった本や著者のことを実に的確に表現してくれる。
そして、その話を聞いて自分も読んでみたいと思わせる説得力を感じる。
これは本当の本好きでなければ、できないことだと思う。
この後も、宇垣さんは、たくさんの本を手に取っていたが、あとは実際の動画を見て頂くのが良いと思う。
本を買うために働く
結局、断言していた通り、1万円では収まらず、オーバーした分は自腹になっても大丈夫ですか?と聞かれ、「何のために働いているか?本を買うために働いているんです私は!」と答えたのが印象的だった。
今回、この動画を見て、宇垣さんへの印象が全く変わった。
宇垣さんの本に対する思いが凄く伝わってきた動画で別の方の回も見てみたいと思う。