全国の「書店員が選ぶ」本屋大賞。
2021年も大賞が決まりましたね。
以下は、2021年も含めた過去全ての本屋大賞作品の一覧です。
- 2021年:『52ヘルツのクジラたち』 町田そのこ(著)
- 2020年: 『流浪の月』凪良ゆう(著)
- 2019年:『そして、バトンは渡された』瀬尾まいこ(著)
- 2018年:『かがみの孤城』辻村深月(著)
- 2017年:『蜜蜂と遠雷』恩田陸(著)
- 2016年:『羊と鋼の森』宮下奈都(著)
- 2015年:『鹿の王』上橋菜穂子(著)
- 2014年:『村上海賊の娘』和田竜(著)
- 2013年:『海賊とよばれた男』百田尚樹(著)
- 2012年:『舟を編む』三浦しをん(著)
- 2011年:『謎解きはディナーのあとで』東川篤哉(著)
- 2010年:『天地明察』冲方丁 (著)
- 2009年:『告白』湊かなえ(著)
- 2008年:『ゴールデンスランバー』伊坂幸太郎(著)
- 2007年:『一瞬の風になれ』佐藤 多佳子(著)
- 2006年:『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』リリー・フランキー(著)
- 2005年:『夜のピクニック』恩田 陸(著)
- 2004年:『博士の愛した数式』小川 洋子(著)
小説だけが本?
本屋大賞って「小説」ばかりで、ノミネートされている作品も「小説」ばかりです。これだと、小説だけが本のように思えてしまいます。
でも、本って今は小説よりも他の本の方が売れているんですよね。
具体的な例だと、2020年のベストセラーですが、総合ランキングで20位以内になった小説は本屋大賞になった「流浪の月(著)凪良ゆう」だけです。
2020年間ベストセラー(総合)「日販調べ」
(集計期間:2019.11.24~2020.11.23)
- 01位: 鬼滅の刃 しあわせの花(著)吾峠呼世晴/矢島綾
- 02位:鬼滅の刃 片羽の蝶(著)吾峠呼世晴/矢島綾
- 03位:あつまれ どうぶつの森 完全攻略本+超カタログ(著)ニンテンドードリーム編集部
- 04位: 鬼滅の刃 風の道しるべ(著)吾峠呼世晴/矢島綾
- 05位:あつまれ どうぶつの森 ザ・コンプリートガイド(著)電撃ゲーム書籍編集部
- 06位:WORLD SEIKYO 2020年春号(著)ー
- 07位:ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー(著)ブレイディみかこ
- 08位:ケーキの切れない非行少年たち(著)宮口幸治
- 09位:世界一美味しい手抜きごはん(著)はらぺこグリズリー
- 10位:鋼鉄の法 (著)大川隆法
- 11位:こども六法 (著)山崎聡一郎
- 12位:人は話し方が9割 (著)永松茂久
- 13位:はじめてのやせ筋トレ(著)とがわ愛/坂井建雄
- 14位:流浪の月(著)凪良ゆう
- 15位:田中みな実1st写真集 Sincerely yours…(著)田中みな実/伊藤彰紀
- 16位: FACTFULNESS(著)ハンス・ロスリングオーラ・ロスリングほか
- 17位:ポケットモンスター ソード・シールド 公式ガイドブック完全ストーリー攻略+ガラル図鑑(著)元宮秀介/ワンナップ
- 18位:反日種族主義(著)李栄薫
- 19位:「繊細さん」の本(著)武田友紀
- 20位:なぜ僕らは働くのか(著)池上彰
本屋大賞が小説が売れていないので、小説を売りたいという趣旨のものなら、それで良いのですが、 書店員の方が読んで「面白かった」「お客様にも薦めたい」「自分の店で売りたい」と思った本を選ぶのが「本屋大賞」なのだとすれば、これまでの「本屋大賞」というのはエントリーされる本が全て小説というのは違うような気がします。
「本屋」が選ぶなら「小説」だけでなく、雑誌、写真集、専門書、ビジネス書、自己啓発書、絵本と色んな分野からピックアップして欲しいんですよね。
売り場からベストセラーをつくる!
で、本屋大賞とはどういう賞なのかを確認すると、「ベストセラーを作る」ということが書かれてありました。
本が売れない時代と言われます。出版市場は書籍、雑誌とも年々縮小傾向にあります。出版不況は出版社や取次だけではなく、もちろん書店にとっても死活問題です。 その状況の中で、商品である本と、顧客である読者を最も知る立場にいる書店員が、売れる本を作っていく、出版業界に新しい流れをつくる、ひいては出版業界を現場から盛り上げていけないかと考え、同賞を発案しました。
【出典】本屋大賞とは | 本屋大賞
売れてる本とノミネートされてる本って、かなりギャプがあるような気がします。これで、顧客である読者を最も知ると言えるのでしょうか?
今では本を探すのも書店内の検索機を使うので書店員さんと会話することは、ほぼなく、レジでお金を支払う時だけです。最近は書店員さんがフロア内を歩いていても話しかけやすい感じではないので話しかけることもなくなりました。
フロア内をウロウロするだけなら本のコンシェルジュみたいな感じで配置するとか、実演販売のように自分が読んだ本の紹介をするとか書店員さんを活用する方法ってあるはずです。
紙の本が売れないというのであれば、同人誌のようなものを販売できるようにしてあげるとか、本を紹介する「サロン」のようなものを作って書店に人を呼ぶといった活動は書店として行っていくべきだと思います。
年に一回本屋大賞が発表になれば大賞作品やノミネートされた本は一時的に売れるかもしれませんが1年を通してとなればこれまでとは違うアプローチって必要だと思います。
書店員の投票だけで選ばれる賞です。
「本屋大賞」は、新刊書の書店(オンライン書店も含みます)で働く書店員の投票で決定するものです。過去一年の間、書店員自身が自分で読んで「面白かった」、「お客様にも薦めたい」、「自分の店で売りたい」と思った本を選び投票します。 また「本屋大賞」は発掘部門も設けます。この「発掘部門」は既刊本市場の活性化を狙ったもので、過去に出版された本のなかで、時代を超えて残る本や、今読み返しても面白いと書店員が思った本を選びます。
【出典】本屋大賞とは | 本屋大賞
書店員さんには、文学賞の対象となるようなものばかりではなく、写真集・漫画といった本にも投票して欲しいものです。
正直、書店員さんが選んでいるというより世間の評判の良いものを選んでいるという感じがしてしまうので、書店員さんらしいセレクトをお願いしたいものです。