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もっと早く教えてくれよって思った内容を書いていきたいと思います。

お客様の今の立場は?

カスハラだけが増えている。

こっちは客なんだからという意識が強くなり過ぎて、日々、理不尽な要求をする人が増えてきたことが、カスハラが問題になってきている。

テレビのニュースを見ていると、ハラスメントの中でも、パワハラやセクハラが減ってきているのに対して、カスハラだけが増えているといったことが報道されていた。

そもそも、現在、旅館業では旅館業法で宿泊拒否が原則できなくなっているので、宿泊を断りたくても断れないという事情もあった。

コロナ禍では、客にマスクの着用をお願いしても拒否する客もいたが、宿泊を拒否することができなかったので国へ法改正を要求していたとのこと。

顧客の過剰な要求で旅館業法が改正

そんなことから、旅館業法が改正されて、客が理不尽な要求をした場合には宿泊を拒否できるようになるとのこと。

最終案としては、「宿泊しようとする人が営業者に対し、過剰な負担を強いる要求をしたり、他の宿泊者へのサービスを阻害する恐れがある要求を繰り返したりした場合は、宿泊を断ることができる」というもの。

ただ、これは大枠であって、実際の現場では「過剰な負担」とは具体的にどのレベルを示すのか?他の宿泊客へのサービスを阻害する「恐れ」と定めてしまうと施設側が「恐れがある」と判断すれば、宿泊を拒否することができてしまう。

例えば、部屋に設置してある目覚まし時計の使い方がわからず、質問をして対応に長時間かかった場合には、他の宿泊客へのサービスを阻害する「恐れ」があると判断されて宿泊を拒否されてしまう心配が出て来る

そうすると、逆に施設側が顧客に対してハラスメントを行うことにもなりかねない。

今は、客の横暴が過ぎているのは確かではあるが、それは宿泊施設側と客側とでの信頼関係が成立していないからだとも言える。

知人宅でクレームはつけないはず

宿泊施設では、カスハラを行うような人であっても、知り合いの家に泊まりに行って、クレームをつけたりはしないはず。

それは、お金を支払っていないからということもあるだろうが、それ以上に人間関係を気にしていることが大きいと思う。

最近は宿泊施設は、客と直接、応対することを極力、避ける方向に変わってきている。

ビジネスホテルでは、フロントには機械だけが設置してあり、何かあれば画面越しに現れてくる。

アメニティは、フロントに置いてあり、適当に持って行って欲しい。

これでは、何度来てもホテルとの信頼関係なんて築けるはずはない。

無人のフロントはコロナによる影響だが、それ以前から自分が、よく利用していたホテルは、毎月のように利用していたが、ある時期からフロントの方が、毎回、変わるようになった。

このため、チェックインの際に、宿泊履歴から、いつもありがとうございますという言葉は出てくるものの、自分のことを知らない人に言われても正直、違和感を感じる。

単なる、目の前にいる人にとって自分は顧客データであり人として見られているわけではない。

もう一つの例を確認してみたい。

旅館業法が一部改正されるという報道で、旅館の女将がカスハラについて語っていた。

うちは、観光地から離れていて、予約されるお客様も、そのことはご存知のはずなのに、実際に来られて、観光地からこんなに離れているなんて思わなかったと言われたり、口コミに書かれたりすることについて不満を持っているようだった。

女将は、「観光地から離れていることは、ご存知のはず」と言われていたが「はず」ということは、客に実際に確認を取っていないということになる。

地元の人なら、住所などから観光地から、どれくらい離れているのかな見当はついても、土地勘のない人にとっては、地図などで調べても地図上では近くても実際にはかなり距離だということはあるものだ。

旅館側は、事実として観光地からこんなにも遠いとは思わなかったという客の声を聞いているのであれば、予約の確認の際に観光地からは、かなり離れていますという情報を事前に提供することで、このようなことは回避できるはず。

そんなこと、一々、やってられないと思うのであれば、その時点で客との関係は一回限りの関係になるだろう。

中には、何も言わずに二度と利用しないと思った人もいるのだろう。

合理性と人間関係

カスハラと言われるようなことが増えてきたのも、宿泊施設側が合理性だけを重視していることから、宿泊施設と客の間で人間関係が構築できないので、当然、信頼関係も構築できるはずもないので、お互いのことが理解できないので、ちょっとしたことでイライラしてしまうことになる。

これが、信頼関係が構築できていれば、同じ対応でも、今は忙しんだなとか、何か心配事があるのだろうか?とお互いに思いやる気持ちが生まれる。

もちろん、必要以上に干渉されたくないという人もいるだろうが、それも客を人として見ていれば自然とわかるのではないだろうか?

信頼関係を構築しようとしないから客は宿泊施設の人間を機械か何かのように思う人もいるのではないだろうか?

客側も同じ

客側も、宿泊施設側の方を人として見ようとする気持ちが必要で、客だからと偉そうな態度で挨拶されても知らん顔といった態度は、失礼だと思う。

以前は病院と宿泊施設で態度が違う人を見かけたものだ。

どういうことかというと、病院も宿泊施設も、お金を出して、お世話になるという意味では何ら変わらない。

しかし、病院だと医師に対して声がひっくり返ったような声で話しているのに、宿泊施設だと一転して偉そうな態度を取る人がいたものだ。

医師には、嫌われると親身に治療してもらえないのではないか?という心配がある。

しかし宿泊施設なら偉そうにしても何ら変わらないだろうと考えているからだろう。

ハッキリ言って、こういうタイプの人間は好きではない。

自分にとって有益な人には愛想がよくなり、何もなければ、高圧的になる。

更に酷い人になると医師には愛想良くしているのに看護師だと偉そうにする人もいる。

この手の人は、自分がそうだから、相手にも同じことを要求する。

つまり、相手の方が自分より偉いと思った時には低姿勢で誠心誠意、愛想良く振る舞っているのだから、自分より格下の人は逆に自分が偉いと思っている人に対して行っていることと同じようにしなければいけないと考えてしまう。

だから、自分が思っている通りの対応をしないと無条件で腹が立つのだろう。

このため、人によって態度が変わる人が、カスハラをするのだと思っている。

旅館業法が改正されても・・・

旅館業法の改正されても、それは、他のサービス業と同じように断れるようになるだけで、同じ立ち位置になれたというだけ。

法に触れるからと、それを間に受けて要求を断ったり、サービスの提供を断ったりすれば、口コミサイトやSNSなどで悪評を書き込まれて、それが、集客に影響するという点については全く変わらない。

宿泊施設で直接、苦情を言う人は減るかもしれないが、裏では、何をされるのかわからない。

自分が、これまで宿泊施設を利用してきて、宿泊施設側が何も変わっていないのか?と言えば、先に挙げたように合理性を重視し過ぎる余り、人対人の関係が壊れてしまった。

実際、金沢のホテルでも合理性だけを考えている酷いところがある。

このため、カスハラは宿泊施設側も関与した結果、エスカレートしているように思うので、旅館業法の改正により、宿泊拒否が実際に行われていけば、客との関係は更に悪化することだろう。