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もっと早く教えてくれよって思った内容を書いていきたいと思います。

独り言

今回のプログは単なる独り言です。

このため、いつもと異なりイラストなどもなく文章だけの内容になることを最初にお断りしておきます。

 

先日、会社の大先輩が亡くなられた。

随分前に定年退職で会社からは離れられたが、その後も、不定期ではあったが、ご自宅に伺わせて頂いたりしていた。

1ヶ月前に、電話があって、久しぶりにパソコンを起動したらログインできないとのこと。

電話だとわからないので、そちらに伺って確認しますと伝えた。

いつも、訪問した時には頂いてばかりだったので、今回はケーキを購入して行った。

家に到着して呼び鈴を鳴らすと、いつものように、飼われているプードルが先に走ってきた。

しかし、なぜか次に現れたのは、ご本人ではなく、奥さんだった。

買ってきた、ケーキを、いつも頂いてばかりなのでと伝えつつ、奥さんにお渡しした。

これまで、自分が伺う時には、奥さんは気を遣われてなのか、いつも外出されていたので、どうしたんだろう?と思いながら、リビングに案内された。

リビングに入っても、ご本人の姿は見えなかった。

そして、右手の部屋を見ると、介護用のベッドが置かれてあり、そこから、ゆっくりと起き上がって、歩いて来られた。

歩くのがやっとという感じで、思わず、「どうしたんですか?」と聞いてしまっていた。

すると、ずっと病気で入院していたとのことで、ビックリした。

見た感じは以前同じように見えたが、表情が和かな感じではなく若干険しい感じだった。

何の病気だったんだろうか?と思ったが、病名を言ってくれなかったのは、それなりの事情があるのだろうと察して、あえて聞かなかった。

すると、黙って一枚の紙を渡された。

病院の名前が書かれてあり、治療方針などが記載されていた。

すると、病名が書かれてある部分を指差してくれた。

そこには、急性骨髄性白血病と書かれてあった。

白血病

驚いて顔を見た。

3ヶ月前に、余命3週間だと言われ、自宅に帰されたと話してくれた。

余命3週間?3ヶ月前?

すぐには理解出来なかった。

今年になって体調が思わしくなくて病院に行ったところ白血病と診断され入院した。

そして3ヶ月前に早いと3週間だと言われ、家族と一緒に過ごしたいとのことで、自宅に戻ってきたということだった。

そこまで話すと、本題の、パソコンの話をされた。

久しぶりにパソコンを起動したら、ログインできないという症状を実際に見せてもらった。

電源を入れると、確かに起動が凄く遅くてメーカーのロゴが表示されてしばらくすると真っ暗なままになる。

ハードディスクのランプは点滅していたので、そのまま放置することにした。

そう伝えると、キッチンの方から、コーヒーはホットとアイスどちらにしますか?という奥さんの声が聞こえてきた。

こういう時、普通は「どうか、おかまいなく」というものかもしれないが、何度も訪問していることもあって、つい「アイス」でお願いしますと答えてしまった。

そして、待っている間に、自宅に戻ってからも脳の血管が詰まり昏睡状態になり救急車で運ばたことを話し始めた。

脳を切っての手術ができなかったので、ガンマーメスというもので切除したと説明してくれたが、説明の間に何度も、言葉が出てこなくて自分が、これではないか?という言葉をアシストしていた。

言葉は出てこないことが時々あるし、自分の名前を、これまで呼ばれたことがない呼び方で呼んだりすることはあったが、普通に話せているし、手も両方、普通に使え、ゆっくりではあっても歩けている。

脳の血管に異常があったことによる後遺症はないようだ。

話すのが得意な方だったので、これまで、言葉が出てこないなんてことはなかったので、後遺症なのだろうか?と思っていると、薬の副作用で、言葉が出てこないことがあるとのこと。

先ほどの治療計画を差し出してくれたこと、今の言葉が出てこないことについての説明と、こちらが察しているつもりが、どうやらこちらが察してもらっているようだ。

入院したことを今日まで、教えてくれなかったのも心配させないようにという配慮だったのだろう。

こういう気配りでは、自分は、まだまだ、この方の足元にも及ばない。

そんな話をしていると、奥さんがアイスコーヒーと、自分が持ってきたケーキを持ってきてくれて、どれにしますか?と聞かれたが、ここは流石に自分が持ってきたものを頂くのは気が引けたので、自分は大丈夫ですからと答えた。

しかし、たくさんあるので、どれにしますか?ともう一度、言われたら、逆に断るのも悪いので、奥さんにお任せした。

すると、プードルがケーキを狙ってやってきた。

ソファーに座っている、自分と大先輩の間に割り込んできて、大先輩がケーキを食べているのを横でジッと見ていた。

自分は、その間に、パソコンの画面を見ると、まだ真っ黒なままで、ハードディスクのランプだけが点滅を繰り返している。

おそらく、起動中に電源を切ったので、おかしなことになっているのではないかと思って、一度、電源ボタンを長押しして電源を切ったのち、セーフモードで起動して正常にシャットダウンして再度、起動することにした。

この作戦は見事成功して、セーフモードだと正常にログイン画面まで表示された。

その後、再起動すると、多少の時間は要したが、ログイン画面まで表示されるようになった。PINコードを入力してもらって無事起動することができた。

といっても、マウスのカーソルさえスムーズに反応しない程、ハードディスクのアクセスなどに負荷がかかっていたので、落ち着くまで暫く待つことにした。

そして、テーブルの上に置かれてあったアイスコーヒーを一口飲んで、ケーキを頂いた。

大先輩は既にケーキを食べ終えていたので、病気だと知らなかったので、ケーキを買ってきてしまいましたが、ケーキは大丈夫でしたか?と質問すると、奥さんが何を食べてもいいんですよとキッチンの方から答えてくれた。

奥さんは、今日は外出できないため、気をつかってキッチンで夕飯の用意を始めたようだ。

スマホを操作していた大先輩が、アドレス帳に登録されている僕の名前の漢字が違っているので直したいんだけど、直せないと画面を見せてくれた。

確かに漢字が間違っていたので、貸してもらっていいですか?と受取り、修正した。

ところが、なぜか自分の名前が表示されなくなってしまった。

原因は全く思いつかなかった。

仕方なく、新規登録で追加したところ、ちゃんと表示された。

なぜ、今、スマホのアドレス帳を見ているのだろうか?と気になったが、今、考えるとこの時、既に、何かを感じていたのかもしれない。

この時は、まだ本当に元気で、容体が変化したのは、つい最近ということだったので無理をしていたということではなかった。

その後も話をしていて、石川県の人なら知らないはずがない地名の話になったときに、なぜかどこ?と言われた。

自分が知らなくても大先輩が知らないはずはないので、ここでも違和感を感じた。

しかし、これも薬の副作用なのかな?ということで納得していた。

パソコンが少しずつ操作できるようになってきたので、Windowsアップデートの更新対象がかなりの数になっていたので、更新を行った。

これを待っていたら流石に夜になってしまうので、更新を開始するところまで行ってあとは、画面に従って操作して更新をしてくださいとお願いして帰ることにした。

玄関まで見送ってくれた。

その時の大先輩の顔が印象的で、しばらく頭から離れなかった。

結局、それが自分にとっては、最後の大先輩になった。