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「秋に咲く桜」を考える

秋に咲く桜

2022年10月13日に秋なのに桜が咲いているという報道があった。

秋に咲く桜だからといって「秋桜(コスモス)」のことではない。

兵庫県三木市福井の三木山総合公園で、桜の木が季節外れの花を咲かせている。同公園入り口近くの木の枝先にはピンクの花や緑の葉がちらほら。公園を散策中の高齢者が不思議そうに見上げている。

【出典】秋なのに…なぜ? 三木の2公園で季節外れの桜開花 | 三木 | 神戸新聞NEXT

公園内には、約100本の「ソメイヨシノ」が植樹されているとのこと。

桜が秋に咲いた科学的な理由は後付けできるのだろうが、どうせ後付けなら科学に拘る必要なんてない。

そう、科学とは事象を実験で再現して実証する学問であり理論はないので、どうしても後付けになる。

今の科学では「開花ホルモン」という物質が「何らかの刺激」を受けて植物に働きかけて花を咲かすと言われている。

「何らかの刺激」については解明されていないようだ。

ソメイヨシノ染井吉野

余談はこれくらいにして本題に入ると、今回、秋に咲いたのは「ソメイヨシノ

染井吉野」ではなく、「ソメイヨシノ

単に、漢字とカタカナで書いただけで、同じでしょ?と思うかもしれないが、実は以下のように区別されている。

エドヒガン×オオシマザクラ間の受粉によりできた桜の一つが染井吉野

同じ親から生まれた子であっても姿形が同じでないように、桜も同じ花にはならない。

そして染井吉野同士では受粉ができないので、「接木(つなぎ)」という方法で増やしていった。

栽培品種と種間雑種

人間が人為的に手を加えて生まれた品種を栽培品種と呼ぶ。

「接木」とは、台木とよばれる別の木の基部に、増したい木の枝をつなぐことで、同じ花をつける木を作るもの。

ソメイヨシノエドヒガン×オオシマザクラ間の受粉により生まれた桜全般を指す。

種間雑種というのは、同属、異種の間で生まれた子孫のことで、動物だと、 シマウマと馬からゾース が生まれた場合に「ゾース」は種間雑種となる。

ちなみに、ゾースはシマウマ(ゼブラ)の「Zebra」と馬の「Horse」を組み合わせて「Zorse」としている。

染井吉野は接木により栽培された桜なので、枝は染井吉野でも、土台はそれぞれ異なる。

なぜ秋に咲かすのか?

桜でも秋から冬にかけて花を咲かせる品種もあるので、桜が春に花咲かすとは限らない。

また、寒い日が続いたかと思えば、突然、暖かい日が続けば中には冬から春になったと勘違いして花を咲かせてしまう桜がいるかもしれない。

これが科学でいうところの「何らかの刺激」の可能性もある。

もしかすると、春に間に合わなくて、春と同じ程度の気候の秋に咲いてしまったのかもしれない。

人間の科学なんて自然の原理の前では、この程度でしかない。

それは、大人と赤ん坊の知識の差とは比較にならない程、大きな差があるのだと思う。