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もっと早く教えてくれよって思った内容を書いていきたいと思います。

卵の過剰生産のために鶏の命と国の補助金が使われている。

イセ食品のCM

イセ食品と言えば「イセの卵は、バラエティ豊富で健康卵!森の卵は美容と健康、栄養いっぱい!安心・安全お届けします!ハートのマークのイセ食品♪」というCMが印象的だったが、最近、このCMが流れなくなっていた。

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スーパーには普通に、イセ食品の卵が並んでいたので、あまり気にも留めていなかったが、2022年3月12日の新聞の1面に「イセ食品、更生手続き」という見出しが大きく印刷されていたのを見て驚いた。

3月11日に会社更生手続きに入ったとのことでグループ会社1社を含めた合計の負債総額は453億円。

この2社に対して、保全管理命令が発令され、保全管理人には弁護士が選任された。

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保全管理人は更生手続きを開始した後に早期にスポンサー支援先を探し、スポンサー支援を得て再出発することを目指したいと述べている。

当面は保全管理人が更生管財人も兼務し、更生管財人代理となっている数名の弁護士とイセグループの幹部従業員とで経営を継続する。

並行してしかるべき事業家を更生管財人に迎えてイセグループの経営を引き継ぐようだ。

【出典】イセ食品株式会社、イセ株式会社及びイセグループのお取引先様|お知らせ|イセ食品株式会社

破産ではなく更生手続きということなので、事業を継続することで再建の見込みがあるということになる。

このため、「卵」の供給はこれまで通り継続される。

イセ食品に何があったのだろうか?

日本の「卵」市場は需要より供給が多くなっている過剰生産状態だということだ。

それでも、年々生産量が増えている。

人口が減り、卵の食べ過ぎは良くない、フードロス問題と卵の消費量が減っていく状況が加われば、価格競争が激しくなるので生産者は大打撃のはず。

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実際、卵は、1パック(10個)180円程度で販売されている。

1個18円・・・安すぎる。

なぜ、こんなに安く販売して経営が成り立つのだろうか?

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これは、農林水産省の「鶏卵生産者経営安定対策事業」による。

「鶏卵生産者経営安定対策事業」には多額の予算があてられており、2018年度の農林水産省の予算額は何と48億6200万円

この事業は「成鶏更新・空舎延長事業」と「鶏卵価格差補塡事業」の2つで構成される。

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成鶏更新・空舎延長事業

鶏卵の標準取引価格(日毎)が通常の季節変動を超えて大幅に低下した場合に
は、成鶏の更新に当たって長期の空舎期間を設けて需給改善を図る取組に対して、
奨励金を交付します。

【出典】鶏卵生産者経営安定対策事業

「成鶏更新・空舎延長事業」というのは、卵の過剰生産で価格が下落した際、緊急措置として生産を減らすために採卵鶏を出荷(殺処分)し、その後60日以上鶏舎を空にすれば生産者に奨励金を交付する制度なので、たくさんの鶏の命が奨励金のために失われていることになる。

鶏卵価格差補塡事業

鶏卵の標準取引価格(月毎)が補塡基準価格を下回った場合、その差額(補塡
基準価格と安定基準価格の差額を上限とする。)の9割を補塡します。

【出典】鶏卵生産者経営安定対策事業

補助金で卵を安く販売

両事業ともに、卵の価格が一定金額(2018年度は185円/㎏)を下回った場合に養鶏事業者団体の積立金と国の補助金からの支出により補てんされる。

このため、上記の一定金額を下回るような価格に設定すれば補填されるので、安く販売することができることになる。

この制度は、元々、生産者の経営安定のために作られた制度であるが実際には「過剰生産」で価格を下げて補助金を得るために使われている感がある。

このことを知らなかった国民にとっては疑問を感じるはずだ。

イセ食品は、コロナ渦でも鶏卵の生産供給事業会社を増やしたり、太陽光発電事業への出資を行なっている。

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卵とは関係ない発電事業にまで手を出さないといけないほど経営が苦しかったことは想像できるが、税金を使って補助を受けているにも関わらず、何を無駄なことにお金を使っているんだ?という感じがする。

そして、今回のイセ食品の更生手続きは、国の補助金によるたくさん生産して安く売るという過剰生産の限界を超えてしまったことを意味している。

成鶏更新・空舎延長事業が適用されている

2018年度にこの制度が適用されて1年間で合計560万羽以上が処理されている・・・

2021年3月には、アキタフーズは採卵鶏を殺処分し1.2億円の補助金を得ていることが報道されている。

卵事業のために、なんと酷いことをしているのだろうか?

「疑問を感じる」から「怒り」に変わった。

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アニマルウェルフェア(動物福祉)という、家畜に心を寄り添わせ、誕生から死までのストレスを極力少なくしてあげて健康的な飼育を行うという欧州の考え方がある。

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卵も、世界的にアニマルウェルフェアで飼育された鶏のものを使いたいということから日本にもその波が押し寄せてきた。

アキタフーズ問題

2020年12月に鶏卵大手のアキタフーズが2018年から2019年に3回に渡り農林水産省大臣に500万円を渡していたという報道があった。

これは、日本でのアニマルウェルフェアの国際基準の緩和や補助金の拡充を求めるためだった。

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日本での鶏の飼育はケージが当たり前になっている。ケージでなければいけない理由を色々とあげられているが、結局は狭い場所で飼育できるので生産性が高いという理由だと思う。

今回、鶏の処分、補助金目当ての過剰生産のことを知ったことで鶏卵生産会社に対して同情できなくなった。