「国際の平和と安全を維持すること」
これは、国連憲章が定める国連の目的の中の一つになる。
他にも3つの目的がある。
- 人民の同権および自決の原則の尊重に基礎をおいて諸国間の友好関係を発展させること。
- 経済的、社会的、文化的または人道的性質を有する国際問題を解決し、かつ人権および基本的自由の尊重を促進することについて協力すること。
- これらの共通の目的を達成するにあたって諸国の行動を調和するための中心となること。
【出典】目的と原則 | 国連広報センター
ウクライナにどの国も軍隊を派遣しない
米国はウクライナのために自国の兵士を危険にさらすわけにはいかないと軍隊をウクライナに派遣しない。
他の国もロシアを批判はしても軍隊をウクライナに派遣しようとはしない。
これは、第三次世界大戦を恐れての判断なのだろう。
では、国際の平和と安全を維持することが目的の国連は、なぜウクライナで行われている無差別殺人のような行為をなぜ停めようとしないのか?なぜ、国連平和維持軍を派遣しないのだろうか?
これは国連が、5つの常任理事国が全て賛成しないと何もできないような仕組みになっているからだ。
国連の安全保障理事会
国連には、「安全保障理事会」があり、以下の5つの国が常任理事国になっている。
- 中国、フランス、ロシア、英国、米国
今、ウクライナで戦争を行っているのは、国連、安全保障理事会の常任理事国となっている「ロシア」である。
国際連合の加盟国はいかなる国に対しても武力による威嚇もしくは武力の行使を慎まなければならないという行動原則があるが、ロシアは完全に行動原則に反しているが国連は何もできないでいる。
そのロシアが調子にのって国連安全保障理事会の開催を要請した。
これは、「米国がウクライナで生物兵器を開発している」というロシアの主張によるものだ。
そして、2022年3月11日に緊急会合が開かれた。
ロシアは、ウクライナで渡り鳥やコウモリ、シラミなどを利用した生物兵器開発計画があり「テロリストに盗まれ使われる危険性が非常に高い」と主張した。
しかし、米国はこれを当然否定している。
また国連も、ロシア側が明確な証拠を示さなかったこともあり、「ウクライナでの、いかなる生物兵器計画も認識していない」とロシアの主張を否定した。
【出典】ロシア「ウクライナで生物兵器」 米欧否定、偽旗作戦を警戒―国連安保理:時事ドットコム
国連は、このようにロシアの都合の良い場として利用されている。
国による殺人が行われているにも関わらず、国連は殺人を行っている国の要請で会合を開くという常識では考えられないようなことになっている。
国連のネックは常任理事国
国連の一番の問題点は、安全保障理事会の常任理事国の「拒否権」にある。
国連で何かを決めようとしたときに、常任理事国全ての賛成票が必要になり、1票でも反対票があれば否決されてしまう。
現在、英国が安全保障理事会の常任理事国からの解任案を議論する用意があるとしているが、常任理事国には「拒否権」があるので、解任案を投票にまで持ちむことができたとしても、ロシアは当然、「拒否権」を行使するので実現する可能性はない。
何もできない国連
この「拒否権」があるために、国連は機能していないのだと思う。
機能していないなら、改正すればよいが、これも、以下のような決まりがあるためにできない。
このように「常任理事国」全てというルールがネックになっているのは明白だ。
無駄な国連は捨てよう
平和と安全を維持することが目的の国連が、戦争が起きているのに何もできないのでは存在する意味がない。
ロシアを常任理事国から解任できないのであれば、他の国が全て国連から脱退しロシアだけを残してあげれば良い。
今の国連の目標が本当に、世界平和なら、今の国連には何も決まらないので、存在する意味がない。
そんなものは存在するだけ無駄なので、さっさと無効化して次の意味ある組織に編成し直すべきだと思う。
今回のロシアの件で、国連の存在価値のなさは世界中が実感しているはずだ。
今の国連の仕組みを考えたのが誰かは知らないが、頭の悪い人であることは間違いない。
国際平和の観点だけで言えば、国連は不要。
今回のロシアが行っていることに対して何もできないことが全てであり、議論の余地はない。
核を所有している国に対して、核を放棄させることもできず、有事に何もできずに見ているだけ。
常任理事国の権限は過剰であり、本来は、国連に加盟している国の賛成多数で決めるべきである。
この点を変えない限り、国連は何も変わっていかないので、国際平和などというのは、実現不可能。
国家間での紛争が起きても仲裁に入ることさえできない。
1票に差がない投票ができる仕組みが国連には必要だと思う。