ロシア国内の情報操作
ロシアがウクライナを攻撃すればするほど、ロシアへの経済制裁は強まっていく。
ロシア国内ではメディアによる情報操作が行われており、都合の良いことだけが報道されている。
SNSを利用することができる若者等は現在、ロシアが行っている軍事侵攻に対して否定的な者が多いが、ロシア国内のメディアからの情報しか得ることができない年配の方などは、ロシアのウクライナに対して行われている侵攻は、正当なものだと信じている。
ロシアでは、ウクライナ侵攻をどのように報道しているかといえば、ロシア軍がウクライナの首都キエフのテレビ塔を砲撃した際には、ロシア国内のテレビでは、ウクライナの都市を攻撃しているのはウクライナだと伝えていた。
そしてインターネットではフェイクとしか言えないような映像が流されているといったことも報道している。
例えば、軍用車両の写真を2枚並べて、2014年の紛争で破壊されたウクライナ軍の車両映像を加工して、ロシア軍の車両のように見せているというものだ。
ロシアが行っていることはウクライナに対する、非軍事化作戦であり、「戦争」「侵攻」とは報道しない。
ウクライナの北にあるベラルーシから首都キエフまで数十キロに渡って続いた長い軍用車列については、国内では報道しない。
ロシアに都合の悪い映像はフェイク、攻撃はウクライナから行っていることでロシアはそれに対応しているだけ。
こんな内容が、まことしやかに報道されていて、そんな報道しか目にしていなければ、ウクライナが悪いと信じてしまうのも仕方ない。
考えてみれば、日本もインターネットが遮断されてしまえば、テレビやラジオ・新聞といったマスメディアによる情報しか入って来なくなるので、情報操作は容易になり、マスメディアから報道された情報が正しいと信じる人は多いだろう。
これまでロシアでは「バカチン政権」に批判的な新聞なども存在していたが、批判的な意見を報じた場合、虚偽の情報だとして処罰の対象になり自由な報道が難しい状況となっているようだ。
正しい情報を拡散すると実刑?
これに加えてバカチンは、2022年3月4日、ロシア軍に関する「偽情報」の拡散を行った場合、最高15年の実刑で処罰するという改正刑法を満場一致で成立させている。
さらに、ロシアへの制裁を呼びかけた者を罰金・懲役刑の対象にする法案にもバカチンは署名しているので成立するのは時間の問題だろう。
これは、逆に言えば、バカチン自身が自分が行っていることが誤ったことだと認識しているからであり、国内で正しい情報が報道されればロシア国内での暴動に繋がることを懸念しているのだと思う。
このため、SNSからの情報を得たものと国内メディアからの情報しか得ていもので意見の対立が起きているという話もあるようだ。
ウクライナへの侵攻を命令しているのは、ロシアの「バカチン」であり、ロシアで何も知らされずに生活している人達には罪はないはずだ。
日本も第二次世界大戦中は米国が悪であり日本が善だというように学校でも教育されていたはずだ。
戦争になれば、双方それぞれが善であり、誰も自分が悪だとは思わないようになっていく。
それは、敵、味方を含めて、たくさんの人の命を奪われていくことに対する罪の意識が強くなり、罪を認めたくないという気持ちから自身を正当化する選択しかなくなるのだと思う。
戦争を決めたのは少数の愚かな人間であり、それ以外の人間は戦争なんて望んでいないはずだ。
今のロシア国民もそれは同じであり正しい情報がロシア国内に浸透すれば自分達の国の代表が些細な理由で、どんなに酷いことをしているのかは理解できるはずだ。
真実が国内に伝わるのを恐れているから報道規制を行って真実が国民に伝わらないように法規制を強化するのであって第二次世界大戦中の日本に共通することだと思う。
そういう意味では、ロシア全体を悪と考えるのではなく戦争を決めたごく一部の、愚かな人間だけを悪と考えるべきだと思う。
今、世界中の企業がロシアからの撤退や規模の縮小を表明しているが、これは、ロシア国内に対する制裁でありロシアで悪とされる者達にとっては制裁にならないので、世界は間違ったことをしているように感じる。
ロシアで生活している人に罪はない
そんな中、ユニクロは、ロシアにある50店舗の営業を続けると発表した。
柳井正CEOは、このことに対して以下のように述べている
- 衣料は生活必需品だ
- ロシアの人々も我々と同じように生きる権利がある
ユニクロも結局、ロシアでの営業が困難になり撤退を余儀なくされたが、ロシアへの経済制裁のためのものではない。
ロシア国民は、ひとりのバカな人間のために、このままでは世界から孤立することになる。
ロシアの未来を考えれば、今は経済制裁という国民への制裁ではなく、ロシア国内に正しい情報を伝えて、ロシア国民が正しい選択をできるようにすることが大切なのではないだろうか?
ロシア国民に世界の運命は委ねられている
それでも、今の戦争が正しいという選択を行うなら経済制裁もやむを得ないが、そのような選択はロシア国民がするとは思えない。
ロシア国民が正しい選択をすればロシア国内で自然と間違った選択をした者達は排除されていくはずだ。
もう、あとには引けなくなっているバカチンは何をするかわからないので、このまま経済制裁を強めて追い詰めれば核攻撃さえ行うだろう。
ロシアが核を使えば、核による抑止力はなくなる。
第三次世界大戦は免れないし、それは核戦争ということになる。
これを回避するにはロシア国民が立ち上がるしかないと思う。
自分達の国のことは自分達で解決するしかない。
正しい情報を元に、正しい選択を行えば、間違った国の代表に用はないはず。
自分は、ロシア国民に世界の運命が委ねられていると考えている。