タワーマンション
タワーマンション=「富裕層」というイメージが強かったが、今は、タワーマンションが乱立されたことでプレミア感は薄れているように思う。
タワーマンションというのは何階建てからを指すのだろうか?
超高層建築物の定義は、60m以上(一般的に20階以上)と言われているが今は20階だとタワーマンションではなく高層マンションと言われるのではないだろうか?
最低でも30階以上がタワーマンションというイメージを個人的には持っている。
1棟2000戸から3000戸とした場合、1戸平均2人の入居者数だとしても4000人~6000人が住むことになるので、朝のエレベーターは渋滞が必至なのではないだろうか?
例えば、タワーマンションで駅直結歩いて1分の物件があったとして、自分の部屋から地上に降りるまでにエレベータ渋滞で15分待たされたのでは、駅から15分の場所になってしまう。
時間的には、駅から15分の低層マンションの方が駅から時間がかからない場合もある。
低層マンションであれば、エレベータが仮に混雑していても階段で降りれば良い。
これで駅に着いても次は、満員電車、更には会社でもう一度エレベータ渋滞となると職場に到着するまでに精神的に疲れてしまう気がする。
更に多くの人が住んでいれば、色々な人がいるので嫌な思いをする機会も必然的に増えてしまう。会社員は生き馬の目を抜くような日々を過ごしているので、少しでも得になるようなことをしようとする。
良い人ばかりであればいいが、必ずめんどくさい人間がいるので嫌な思いも必至だ。
そんなことから、通勤・通学のように決まった時間に家を出ないといけないような人には、現在、お手頃価格のタワーマンションを契約することは後悔することは間違いないと思う。
特に自分は混雑、渋滞、行列が苦手なので、何千人も住むようなタワーマンションというのは、いくら部屋からの景色が良くても選べない。
このため、最近、タワーマンションを見ると憧れというよりも、昔の団地と同じように見えるようになってきた。
団地というのは、大規模な土地に計画的に集めて建築された建物群のある地区のことで、昔は広い土地に沢山の建物を建てていたが、今は高さで入居数が増やせるので言葉の意味としては同じように思えてしまった。
本来、タワーマンションのように一か所に大勢の人が集まる場所には生活時間が異なるものが住むべきで、自分のように時間を拘束される会社員がタワーマンションに集まると生活時間が同じなので、どうしても混雑したり行列が出来てしまう。
定年を終えるか、時間に縛られないような生活にならない限りは、タワーマンションには住めないと認識している。
人によるとは思うが、会社員が快適に住むという意味では、一軒家、庭・駐車場付きこれが一番なのではないだろうか?
それでも高層階で生活したいというのであれば、別荘的な感じでタワーマンションを購入するのも良いのかもしれないが、頻度が少ないのであれば、有給休暇を利用して都内の高層ホテルに宿泊する方が快適に過ごせると思う。
ゴールドカード
昔、空港ラウンジというとブラックカードやゴールドカードを所有している人などが利用できる場所という感じだったが、今ではゴールドカードが安売りされてしまっていて、空港ラウンジの方が、搭乗口前の待合室より人が多くなってしまい、昔から利用していたものとすると、居心地が悪くなってしまった。
空港ラウンジに入るのも行列、中に入ったら座る席も空いてない。
飲み物を取りにいくとコップなどが置いてある場所は混雑している。
席は空いてない、行列と混雑が嫌になって、ここ何年も利用していない。
航空会社のラウンジが利用できれば良いのだが残念ながら移動に飛行機を利用することが多くても1か月に2回程度なので残念ながら航空会社のラウンジが利用できるような身分ではないし、国内線でファーストクラスは用意されていない。
現在は、搭乗口前の待合室の方が空港ラウンジより気持ちよく過ごせるようになってしまい空港ラウンジを利用することがなくなった。
差別化から一般化
一部の人しか利用していなかったことが、一般化されて利用されるようになると当然、利用者が増える。
増えること自体は何の問題がないが、一般化されることにより混雑したり行列が生じてしまうと、元々の存在価値が失われてしまう。
タワーマンション、空港ラウンジ共に、今では存在価値が変わってしまったように思う。
タワーマンションは憧れの場所から高層団地に変わり、空港ラウンジも誰でも利用可能な搭乗窓口待合室と同じような場所になってしまった。
人は差別化されているものに憧れる。
タワーマンションは一部の人しか住めないから憧れの場所であり、誰でも住めるようになれば、憧れの場所ではなく普通の場所に変わってしまう。
空港ラウンジも一部の人しか利用できない場所だったので、出発するまでの時間を落ち着いた雰囲気中で過ごせる空間だったのが、誰でも利用できる場所になってしまい普通の場所に変わってしまった。
差別化を目的に作られたものを一般化するというのは、価値を下げることになる。
価値が下がることで多くの人が集まるが、価値が下がったことで必要がなくなる人も出てくる。
資本主義社会は平等ではない
資本主義社会というのは、平等に誰にでもチャンスが与えられているように思うかもしれないが、結局は頑張った人が潤う仕組みなので平等にはならない。
多くの人が憧れているものを手に入れることで優越感を感じられるから頑張るというのが資本主義で、頑張っても同じものしか手に入れることができないなら誰も頑張らない。
日本はデフレが続き、何でも安くしようとする方向に動いてきた。
高くて良いものではなく、安くて良いものという考え方だった。
更に自動車を代表に何か不具合があればリコールや、回収交換と言った風潮が強くなったことで企業としては品質トラブルに備えて現金を蓄えておかないと品質トラブルによる損失で倒産に追い込まれてしまう、そうならないように無難なモノを作ろうとするので冒険的なモノを作ることをしなくなった。
既存の技術を使いまわして安定したものを作ろうとするので、つまらないモノしかできない。
似たような新商品しか発売しないから買い替えを控える。
それで浮いたお金は住宅ローン、子供の教育、旅行、外食に使えるようになった。
それを見越して、タワーマンションは家賃を下げ、ゴールドカードの年会費を下げることで差別化されていたものが誰でも手が出せるようになり差別化されていたことが一般化された。
しかし、また差別化される仕組みを作ろうとする動きが始まり、資本主義本来の姿に戻ろうとする。
このようにして資本主義というのは進化してきたと考えれば、今は次の姿へ進化する途中ということになる。