信号待ちをしている車に後続車が空き缶を投げつけて傷がついたということで2020年9月24日の夕方、ニュースで被害者だとするドライブレコーダーの映像と共に報道していました。
おととい午前10時前、埼玉・川口市の交差点で信号待ちをしている車の後部にあるドライブレコーダーの映像を紹介。
後続車の運転手が運転席の窓から缶を投げつけてきた。
ドライブレコーダーにはそのきっかけとみられる出来事が映されていた。
被害に遭った運転手は、先に車線変更し追い越したことに腹を立てたのではないかという。
缶は車のナンバープレート近くに当たりへこみができた。
弁護士法人響・坂口香澄弁護士は「刑法上の器物損壊罪にあたる。3年以下の懲役または30万円以下の罰金。車からゴミを捨てる行為は道路交通法違反にも違反し5万円以下の罰金が定められている」とコメント。
空き缶を投げた方が悪い?
動画を見ると下図のような状況で、片側2車線から1車線に変わる箇所で空き缶を投げられた車が、反対車線に先に入り、更に追い越そうとしたので、空き缶を投げた車は反対車線に進路変更ができなくなり、怒りが生じたのだと思います。
被害に遭った運転手は、「先に車線変更し追い越したことに腹を立てたのではないか」と自覚していますが、自分に非はないといった感じです。だから、ドラレコ動画をテレビ局に投稿したのでしょう。
弁護士も見落とす?
そして、テレビ局にコメントを依頼された、坂口香澄弁護士は「刑法上の器物損壊罪にあたる。3年以下の懲役または30万円以下の罰金。車からゴミを捨てる行為は道路交通法違反にも違反し5万円以下の罰金が定められている」とコメントしています。テレビ局が空き缶を車に投げつけたことだけを伝えていれば、こんなコメントになりますよね。
確かに空き缶を投げたことは問題があります。
しかし後ろの車は車間距離をとらず、前の車が車線変更できないように先に車線を変更しています。
車を運転している人なら空き缶を投げつけた運転手の気持ちは理解できるはずです。
ツイッターでも空き缶を投げたのは確かに悪いが投げられた方にも問題があるといった意見の方が多く見受けられました。
それを知ってかテレビ局も翌日からは報道していません。
投稿者自身が気づいていない怖さ
今回、怖いと感じたのは投稿した方が自分は悪くないと考えている点です。
車を運転する方であれば、今回、空き缶を投げられた方にも責任があると感じたと思ったはずです。
しかし報道する側は、その点を見逃し「空き缶を投げた」という点だけに注目して報道してしまった。
今回は、空き缶を投げたという非があったので、投稿者に非難が集中することがなかったのだと思います。
しかし、一歩間違えれば、投稿者に非難が集中するところでした。
投稿動画というのは、一部だけを切り取ったものなので、一部始終が投稿されるわけではありません。
もしかすると投稿者には都合の悪い分をカットしている可能性もあります。
それを真に受けて報道してしまえば、正義と悪が逆転してしまう可能性もあります。
報道する側は投稿された情報だけで簡単に報道するというのは人の人生を変えてしまう可能性があるということを認識しないといけないと感じました。