ボーイング787で正常上の問題
ボーイング社の787型機で、製造上の問題が見つかったということです。
米航空機製造大手ボーイングの中型旅客機787型機(ドリームライナー)で製造上の問題があったとして、連邦航空局(FAA)が品質管理に関する過失を調査している。事情に詳しい関係者や政府の内部資料から明らかになった。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)はFAAによる8月31日付けの内部文書を確認した。それによると、ボーイングはFAAに対し、サウスカロライナ州の施設で生産された一部部品が自社の設計・製造基準を満たしていなかったと伝えたという。
2011年以降に引き渡された約1000機のドリームライナーのうち最大約900機が、検査強化などの指示の対象になり得るとしている。
事情に詳しい関係者らによれば、ボーイングはFAAに対し、今回の品質上の過失による問題が直ちにドリームライナーに安全上の脅威をもたらすわけではないと伝えている。規制当局は直ちに行動を取る準備をしているわけではなく、どのように対処するかについても現時点では公に示していない。
だが今回の件や組み立てラインの別の問題を受けてボーイングは8月下旬、ドリームライナー8機を緊急修理のため運航停止とするよう航空各社に自主的に要請した。同社はその後、この8機が運航を継続するには危険だと公式に認めている。
787と777の違いは?
787って色々と問題が出ているようですが、一つ前の777より何が良くなったのでしょうか?
仕様を比較する限り、劇的に良くなったという数字はなさそうです。
話題になったのは、窓のサンシェードがLCDになったとか、トイレにウォシュレットが付いている、炭素繊維を使ったボディで軽量化という内容です。
飛行機は20年先を考える
航空業界というのは20年先を見て色々な戦略を考えているようです。
航空機も20年後を想定して製品設計を行うことになります。
787の運用開始までの経歴は以下になります。
- 生産開始:2006年
- 初飛行:2009年
- 運用開始:2011年
生産開始から運用開始までに5年も要しています。
777はというと以下のような感じです。
- 生産開始:不明年
- 初飛行:1994年
- 運用開始:1995年
777の1号機は2018年に現役を引退しています。
簡単に20年後といいますが、20年前に今の状況を想像できたでしょうか?
20年前というと2000年です。
パソコンだとWindows2000やMeが発売され、ゲーム機だとSONYのPlayStation2が発売された年です。スポーツだとイチロー選手が日本人野手としては初のメジャーリーガーになっています。
正直、20年前のことなんて覚えていませんよね?
20年前に新型コロナが流行して世界が大混乱するとか、携帯電話がスマートフォンに変わるとか、想像できていた人がいたのでしょうか?
実際にあったことを思い出すのも大変なのに、それを20年先を考えろというのは無理があると思います。
以前にカーナビも、5年後を予想して設計しているという話を聞きました。
これは、開発から発売までに5年を要するからです。
飛行機は20年を要するから20年先、カーナビは5年を要するから5年先ということです。
どちらにも共通するのは、安全性が重要だからです。
飛行機は空を飛ぶのですから不具合が事故に繋がり、事故は人の命に関わります。
カーナビも道のないところを進むように指示したりすると、事故につながるので気をつけないといけないということを言われていました。
人の命に関わるようなものは、どうしても時間を要するということなんですよね。