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複雑怪奇な日本のIot対応家電

Iotは生活を便利にしてくれている?

Iotということで色々な家電製品がインターネットに接続できるようになっている。

エアコン、給湯器、レコーダー、自動車までスマホでリモート操作できる時代だ。

5Gになると、更にたくさんの機器が接続できるようになると言われているが、実際のところはどうなのだろうか?

確かに、色々な家電製品がインターネットに接続できるようになっているが、それで何が便利になるのか?と尋ねると期待以上の答えが返ってくることはない。

Iotは難しい

便利になるはずのIotが、使えるようになるまでが難しければ不便なものでしかない。

Iotを難しくしている大きな理由が、インターネットに接続するまでの過程だと思う。

多くの家電製品は、本当にWi-Fi接続するまでが本当に苦労する。

Wi-Fiで苦労するのが2つある。

  • Wi-Fiの周波数帯が2.5GHzしか対応していない(5GHzに対応していない)
  • 設定時には同じSSIDに接続している必要がある。

日本の電波法が邪魔をしている

なぜ、家電製品は5GHzに対応していないのか?

技術的に難しいからではなく、日本の電波法の制限を回避するためだ。

電波の5GHz帯は航空・気象レーダーと帯域が被っているので、Wi-Fiなどの5GHz帯の電波は屋外での使用が禁止されている。

家電製品は屋外に設置することはないのでこの点は問題ないはずだが屋内で使用する場合でも、5GHz帯に関してはレーダー電波を受信した場合には電波の送信を停止することが義務付けられている。

このため、2.4GHz帯の場合は、Wi-Fiでの送受信を直ぐ開始するが、5GHz帯の場合には、1分間は受信のみ開始し、レーダー電波が存在しないことを確認してから送信を開始しないといけない。

送信を開始しても、レーダー電波を検知したら直ぐに送信を停止しないといけない。

Wi-Fiがよく切れるという場合には、5GHz帯を使用していて、更に航空・気象レーダーを頻繁に検知する環境にないのか?を確認する必要がある。

確認できた場合は、5GHz帯を使用しないようにして、2.4GHz帯に切り替えると不具合が解消されることが期待できる。

5GHz帯を使用すると、このような制限を受けることになるので、家電メーカーも2.4GHz帯しか使用しない仕様にしている。

2つのWi-Fi接続がトラブルの要因

もう一つが、初期設定では家電製品側の設定を行うために、スマホアプリで家電製品に接続しないといけない。

この時に、スマホを家電製品で用意されている家電側のWi-Fiに一時的に接続させることになる。

その上で、家庭内のWi-Fiに接続できるように設定を行なうことになる。

ここで、問題が生じることが多い。

スマホが5GHz帯と2.4GHz帯を使用していると、家庭内のWi-Fi側に家電製品が接続した際に、スマホは家電製品側から切断される。

スマホは家庭内のWi-Fiに再接続しようとするが、この時にスマホが5GHz帯のWi-Fiに接続してしまうと、家電製品側と異なる周波数帯に接続してしまい、家電製品側と切断されたままとなり設定が継続できなくなる。

家庭内のWi-Fi電波が弱い場所だと、キャリア回線にスマホが接続されてしまうこともある。

すると、設定画面がずっと変化しない、固まったといった状態になる。

家電製品と接続する際に、このような知識がないと「接続できない!」と問い合わせたり、諦めたりすることになる。

複雑すぎる家電製品のIot

こんな感じで、家電製品をインターネットに接続するまでの過程が、複雑でトラブルが起きやすいので、使ってみたいが、使えないと諦めている人も多いのではないだろうか?

実際、先日、冷蔵庫を購入した時に街の電気屋さんが、インターネットに接続する機能を本当は使ってみないといけないが、難しいので使ったことがないと話していた(笑)

家電Iotで行えることは?

これだけ苦労して、Iotで行えることはどういうことなのだろうか?

例えば、洗濯機だが、最新型でも、できることは以下のことだけ。

  • 離れた場所から洗濯機の操作ができる。
  • 洗濯の残り時間などの確認ができる。
  • 帰宅時や起床後などに合わせた予約運転の設定ができる。

これらの中で使えそうなのは、洗濯の残り時間の確認だけだと思う。

洗濯機に事前に洗剤を入れておくのは良いとしても、洗濯物を予め入れておくというのが嫌だと感じる人は少ないのだろうか?一回の洗濯待ち時間だけのために、予め入れておくのであれば、帰ってきてから洗濯するのも大差はないように思う。

以上から洗濯機に関しては、インターネットに接続できることにあまり魅力を感じない。

では冷蔵庫は?

  • 冷蔵庫の開閉回数がわかる
  • 消費電力の集計・明細が時間別に確認できる
  • 保存した食材の賞味・消費期限を登録しておけば、期限切れ前に教えてくれる。
  • 重量センサーが設置されたプレートの上に卵やヨーグルトなどを乗せて乗せたものを登録すると重量で残りが少なくなると教えてくれる。
  • 冷蔵庫の中を撮影して画像で送ってくれる。

買ってきたものを冷蔵庫に入れると中に何が入ったのか?を自動で読み取ってくれて、個数・賞味期限といった情報を一覧にして外からでも把握できるようにして欲しいと誰もが思うはず。

しかし、現状は、登録するために知識と手間が必要になる。

登録に時間をかけるくらいなら、買い物前に確認した方が精神的なストレスはない。

出先で冷蔵庫の中を確認できても、それをスーパーなどで見るというのは人前で冷蔵庫を開けて見ているようなものなので、個人的には抵抗感がある。

このため、冷蔵庫に関しては、まだまだ便利だとは言えない状態だ。

まぁ洗濯機や冷蔵庫に関しては技術的、コスト的に難しい面は多々あると思う。

便利なIot対応家電は?

唯一、個人的に一番、便利だと感じたのエアコンとドアホンだけだ。

エアコンは家族全員で出かけた際に、帰ったら暑いだろうなぁ〜寒いだろうなぁ〜という時がある。

そんな時に、家に着いた時には部屋を適温にしておきたいという場合には、スマホで稼働させたいエアコンを選び電源を入れたりスケジュール設定で時間を指定して自動稼働できるのて凄く便利だ。

停止することもできるので家に戻る時間が変わっても安心だ。

スケジュールを設定は稼働時間だけでなく、停止する時間も指定できる。

ドアホンは、外出していてもスマホにアプリをインストールして親機に登録しておけば、玄関の呼び出しボタンが押されるとスマホにも通知が表示され、応対することもできる。

こちらは相手の顔も、確認できるので声だけで判断しなくても良い。

呼び出しボタンが押されると自動で録画が開始されるので、あとからいつ、誰が来たかの確認もできる。

暗い場合には照明が自動で点灯するので、夜でも誰が来たのか確認ができる。

モニター機能を利用すれば、いつでも選んだ子機の映像を確認できるので、簡易的な防犯カメラとしても利用できる。

責任回避の仕様になっている?

しかし、なぜ、この機能が搭載されていないのか?と思えることもある。

エアコンには温度・湿度が取得できるセンサーが搭載されている。

そして、エアコンが稼働してない状態でもスマホアプリでも温度・湿度が確認できる。更には設定した室温範囲から外れるとアプリから通知が届くようにもなっている。

しかし、設定した室温範囲から外れたら稼働する、停止するという機能がない。

技術的には何の問題もないはずだ。

なぜだろうか?

企業の責任回避だと思う。

そもそも、誰もいない時に、勝手にエアコンを稼働させるということが、何かあった場合にメーカーの責任になるので、できれば機能として組み込みたくないという思いがあるのだろう。

また、インターネットに接続する人はそんなに多くないから時間をかけて追加しなくても良いだろうという思いもあるかもしれない。

指定した温度になったらエアコンを稼働させたり、停止させたいと思う人がどれだけいるのだろう?

そんなに多くはないはずだと都合の良い方に判断して仕様から削除してしまった。

Wi-Fiの周波数帯の制限に関してはこの逆で、どれだけの人がレーダーを頻繁に検知する環境にいるというのだろうか?

自衛隊機が上空を時々飛んでいく会社のアクセスポイントのログを見ていてもレーダーを検知して送信を止めたというのは1年で1回だけ。

それも深夜2時頃だった。

トラブルの原因になるから、仕様から削除しとこうから始まったことが当たり前になり今でも2.4GHz帯しか使えるようにしていないとしか思えない。

5GHz帯が今でも家電で使われていないというのは、寝ている子は起こさないという、今の日本を象徴しているのではないだろうか?

改めて、働き方改革という名のもとに、日本企業を怠け者体質へと移行させてしまったように思うが、Iot家電が今後、普及するかどうかは簡単にインターネットに接続できるかどうか?にかかっている。