新型コロナウイルス感染予防ハンドブックを作成
東北医科薬科大学病院が市民向けの新型コロナウイルス感染予防ハンドブックを作成してくれました。
中華人民共和国湖北省武漢市において、昨年、令和元年(2019年)12月、原因となる病原体が特定されていない肺炎の発生が複数報告されました。現在、日本を含む29カ国から約8万人の感染者が報告されています。
日本においても調査、対応がすすめられていますが、新型コロナウイルスとその感染症については現時点ではわかっていないことが多くあります。人から人への感染も一部確認されていますが、どれぐらいの広がりになるのかもわかりません。
皆様が感染症予防について正しく理解した上で安心して生活していただくことを目標に、このガイドブックを作りました。ご家庭での新型コロナウイルス感染症を含む呼吸器感染症予防の一助となれば幸いです。
本ハンドブックは、令和2(2020)年2月現在の情報を元に作成しており、今後、最新の情報に沿い変更することがあります。
【出典】東北医科薬科大学病院
新型コロナウイルスに関する情報が公開されていないということ、ウイルスは目に見えないということで、必要以上に怖いものという事になっているのだと思います。
ハンドブックの内容は?
全20ページで、以下のような内容が書かれています。
- 新型コロナウイルスの症状
主な症状は、発熱・せき・頭痛・倦怠感(体のだるさ)です.これは、一般的な風邪の症状に似ていますが、症状が長引く傾向があります。
肺炎と診断された人では呼吸困難が出現しています。
高齢の人、基礎疾患(糖尿病・慢性肺疾患・免疫不全等)のある人は重症化する傾向があります。 - 潜伏期間(ウイルスが体内に入って症状がでるまで)は?
2~12.5日と言われています。 - 感染経路
人から人への感染が起きていると考えられる。
飛沫感染・接触感染により伝播すると考えられる。 - 飛沫感染とは?
感染した人の咳・くしゃみ・つば・鼻水などが飛び散ったしぶきの中に含まれているウイルスを口や鼻から吸い込むことにより感染することです。 - 接触感染とは?
ウイルスが付着した手指で鼻や口や目に触れることで、粘膜などを通じてウイルスが体内に入り感染することです。
感染者のくしゃみや咳が付着した手で触れたドアノブ・スイッチ・手すりなど周りの物に触れた手で口、鼻、目を触ることで感染することです。 - 濃厚接触とは
発症者と同居
発症者と閉鎖空間で一緒にいた
発症者の咳・くしゃみのしぶき、鼻水などの体液に直接触れた
(くしゃみや、咳のしぶきは、1.5~2メートルの距離まで届きます) - 気になる症状(発熱・咳など)がある場合の注意点
人の多いところは避ける。
人前に出る時や外出する時はマスクを着用。
毎日2回(朝・夕)体温を測定
体温が37.5度以上、激しい咳、息苦しい等の症状がみられたら、ただちに最寄りの保健所に連絡してください。(直接医療機関に行かないでください)
症状がある同居者とは、部屋を分け、症状がある同居者の部屋は換気ができる部屋にします。
詳細については以下のハンドブックを読んでください。
【出典】東北医科薬科大学病院
厚生労働省はというと・・・
厚生労働省は、「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」ということで2月25日(火)に、ようやく発表がありました。
基本方針の最初に、感染を拡大させないためにも、以下の2点についてのお願いが記載されています。
- 新型コロナウイルス感染症の特徴(以下に記載しました)を踏まえ、感染の不安から適切な相談をせずに医療機関を受診することや感染しやすい環境に行くことを避けていただくようお願いする。
- 手洗い、咳エチケット等を徹底し、風邪症状があれば、外出を控えていただき、やむを得ず、外出される場合にはマスクを着用していただくよう、お願いする。
新型コロナウイルス感染症の特徴
◆感染経路
感染経路は飛沫感染、接触感染
空気感染は起きていないと考えられる。◆感染力
多くの事例では感染者は周囲の人にほとんど感染させていない。
◆感染症状
発熱や呼吸器症状が1週間前後持続することが多く強いだるさ(倦怠感)を訴える人が多い。
また、季節性インフルエンザよりも入院期間が長くなる事例が報告されている。◆罹患した場合
軽症であったり、治癒する例も多い。
重症度としては、致死率が極めて高い感染症ほどではな
いものの、季節性インフルエンザと比べて高いリスクが
ある。(高齢者・基礎疾患を有する人ほどリスクが高い)◆治療方法
有効性が確認された抗ウイルス薬がなく、対症療法が中心
また、現在、迅速診断用の簡易検査キットがない。
【出典】厚生労働省
東北医科薬科大学病院のハンドブックの方が読みやすい
ウイルスについて理解することが僕は、感染防止の近道だと思います。
今回、東北医科薬科大学病院のハンドブックを読んで
東北医科薬科大学病院で作成されたハンドブックの方が読みやすく、詳細な内容が記載されています。
厚生労働省の基本方針は、文字だけです。
感染を拡げないために
まずは、感染を広げないように全員が一丸となって協力する必要があります。
- 咳や発熱、身体の怠さなど新型コロナウイルスの症状がある場合には、最寄りの保健所に連絡する。(直接医療機関には行かない)
- 症状がない場合でも外出は最低限に抑える。
- どうしても外出する際には、マスクを着用
マスクがない時は?
マスクがない場合ですが、新型コロナウイルスの感染経路が飛沫・接触だけということなので、感染者の咳や・くしゃみのしぶきに触れたり、感染者の咳やくしゃみが付着したものに触れなければ感染の可能性は低いようです。
このため、マスクについては症状が出ている人が他の人に感染させない(咳エチケット)ために必要なものです。症状が出ていない人についてはマスクをしていても、飛沫・接触といった経路で感染する危険性に変わりはないということです。
- マスクを持っているのであれば、咳やくしゃみといった症状がある方でマスクを着用していない方に渡した方が感染のリスクが減るはずです。
むしろ、ウイルスが付着したものに触れない、近づかないということが重要なので、まずは不必要な外出は避けるということが一番の予防になると思います。
ウイルスが付着する可能性があるような物などに触れた場合には、ハンドブックに記載されている方法で手洗いを徹底することで接触感染を提言し、マスクなしで咳をしている人を見つけたら、マスクを渡すことで飛沫感染も減るはずです。
マスク、消毒用アルコール等が手に入らないという時期なので、これらのものがなくてもできる方法が重要です。
以下に、ハンドブックに掲載されていた咳エチケットと手洗い(流水・石鹸)に関する方法を貼り付けておきます。
手洗いのタイミングですが以下になります。外出時も同じだということです。
- 外出から戻った後
- 多くの人が触れたと思われる場所を触った時
- 咳・くしゃみ、鼻をかんだ後
- 症状のある人の看病、お世話をした後
- 料理を作る前
- 食事の前
- 家族や動物の排泄物を取り扱った後
- 自分がトイレを利用した後
消毒用のアルコールがない場合ですが、次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤として市販されている)を以下に記載されている内容で薄めて使用することも有効なことがわかっているそうです。(手や身体には使えないようです。)
福岡市のホームページにはアルコール消毒の他、マスクがない場合の代用についても掲載されています。
【出典】福岡市
マスクの代用
アルコール消毒の代わり
石川県でも4人の感染者が出ていますが、1人目の感染者の方は、病院に行っても、症状を伝えると他の病院を勧められたといった報道がされています。このため4件の病院を転々とすることになったということです。
ウイルスについては自分だけがよければという考えを捨てないと、感染は収まりません。こういう時だからこそ、助け合いの精神が必要だと思いますので、全員が一丸となって鎮静化させましょう。