久しぶりの映画館
このところ、見たい映画が少なかったこともあり、ずっと映画館に足を運ぶことがなかった。
しかし、出先で待ち時間ができてしまった。
3時間近い時間だったので映画でも見て過ごそうと思った。
こんな時は近くの映画館のスケジュールに合わせるしかないので、自分が見たい映画が見れるとは限らない。
何を見ようか?
上映スケジュールを調べてみると、二つの映画が見つかった。
一つは三谷幸喜監督の「スオミの話をしよう」と水野格監督の「あの人が消えた」だ。
三谷幸喜さんの作品は好きだったが、このところずっと面白いと思えるものがなかったので、除外した。
残った「あの人が消えた」には、中村倫也さんが出演していることもあってあっさり決まった。
配達員の丸子は会社の先輩で小説家志望の荒川から小説投稿サイトに公開している自分の小説を読んでコメントを書いて欲しいと頼まれていた。
しかし、荒川の作品は面白くなかったので、どんなコメントを書けば良いのか悩んでいた。
そんな時に小説投稿サイトで一つの作品が気になり読んでみると凄く面白く、毎日、更新される小説を読むのが日課となった。
小説家の名は小宮。
丸子はある日、自分が配達を担当しているマンャンの荷物で小説家小宮と同姓同名宛のものを見つけた。
丸子はこれは憧れの小説家小宮ではないのか?と思った。
これがキッカケで丸子は事件に巻き込まれるとになる。という話だった。
最初、怖そうな映画だったので、失敗したかな?と思ったが、コミカルな面も多かったので、怖いという気持ちは芽生えず意外にも面白かった。
2時間弱の映画だったが、あっという間に映画も終盤まで進みクライマックスを迎えた。
なるほど、こんな結末だったのかと映画のタイトルの意味が理解できた。
ここで、終わったのかと思ったが、続きがあった。
しかし、続きの展開は、はっきり言って不要で、せっかくのラストシーンが台無しにされてしまった。
ラストシーン
この展開さえなければ久々に楽しかった映画をみることが出来たと満足していたと思うし、もう一回見たいと思える映画になっていたかもしれないが、一回でいいかな?って映画に格下げされてしまった。
監督が脚本も書いていたので、調子にのってラストシーンのあとに更に大どんでん返しを狙ったのだろう。
新たな可能性
今回の映画を見て配達員を主人公にした話に対する可能性を感じた。
配達員は色んな家を回る。しかも何度も同じ家に配達するため、偶然、色んな情報を得ることになる。
色んな可能性を持った主人公を誕生させることもできるし、配達先でも魅力的なキャラクターを誕生させることだって可能だ。
待ち時間のために、偶々見た映画だったが、意外にも有意義な時間になった。
見たいと思う映画が選べたとすると、多分、この映画は見ていなかったと思うので、自分の意思だけで決めるのではなく、偶然を組み合わせることで意外性が生まれる。
意外性を求めるなら自分の意思だけではダメだということが実感できたので、2回は見たくないが見てよかった映画だったのは間違いない。