日立製作所がエアコン事業を売却
日立製作所が家庭用エアコンの開発・製造から撤退するとの発表が、2024年7月23日にあった。
日立製作所は23日、家庭用エアコンの開発・製造から撤退する、と発表した。米社との空調合弁会社を自動車部品大手の独ボッシュに売却する。ボッシュとはライセンス契約を結び、国内の家庭用エアコン「白くまくん」のブランドは残し、ボッシュが生産を担う。国内の業務用事業は日立の子会社に移管する。
日立は家電などの製造業から社会インフラやIT事業を中核に据える構造転換を進めている。
白くまくんといえば今も、吉岡里穂さんが出演するテレビCMで「凍結洗浄」のエアコンだと積極的に販売しているので、なぜ?という感じがするが、日立は2009年に大きな赤字を計上したことを契機に情報技術をベースにした事業入れ替えを進めた。ITとエネルギー、インフラを中心とした事業構造となった。
日立と言えば・・・
日立といえば、モーターの技術が優れているというイメージがあって、洗濯機やエアコンの評価が高かったが、個人的には10年くらい前まではソフトウェア開発に優れた技術を持った会社だと思っていた。
ファイル暗号化ソフトの「秘文」は一世を風靡したソフトの一つ。
メールに添付するファイルを自動で暗号化してくれる機能は便利だった。
ところが、ZIPなどで圧縮したファイルをメールに添付して送付した後、別のメールで解凍パスワードを送付する手順、通称「PPAP」を平井卓也デジタル改革担当大臣が2020年11月に、内閣府と内閣官房では廃止すると発表した。
※PPAPは パスワード(Password)付きファイルを送付したあと、パスワード(Password)を送付する暗号化(Angouka)プロトコル(Protocol)の頭文字を取った日本の造語
これをうけて、PPAP推進派だった日立もPPAPを禁止することになり、当然、「秘文」シリーズのメール送信ツールの販売も中止とせざる得なくなった。
PPAPは有効ではないのか?
確かに、PPAPは、自分もあまり有効性については疑問を感じていたので、パスワードを設定したファイルを添付をしてメールで送るところまでは同じだが、パスワードはメールでは連絡しないで電話で連絡したり、頻繁にやり取りする取引先の場合だとパスワードの規則を決めておいて、添付ファイル付きのメールだけを送付しパスワードは連絡しないということも行ったりもしている。
メールだけで全てを完了させようとするから、知らない人が盗聴できてしまうのであって、当事者しか知らない情報を暗黙のパスワードにしておけば、傍受されてもパスワードがわからないので、肝心の添付ファイルは閲覧できないことになる。
このため、個人的には、暗号化したファイルやパスワード付きのファイルを送信するということ自体は有効な方法だと思っている。
しかし、解読するためのパスワードをメールで送ってしまう点に問題があるだけなのでこの部分を改善してあげればPPAPは有益な方法だと思っている。