緊急事態宣言中に石破氏が会食参加
自民党の総裁選は、予想外の石破氏が当選するという結果となった。
世間では石破氏の評価は高くないが、自分は以前から石破氏に総理大臣になって欲しいと思っていた。
しかし、ある報道を元に石破氏に不信感を持つようになった。
ある報道とは以下の内容になる。
緊急自治宣言が出されて多人数での会食は控えてくださいと言われている時期に石破氏は、9人での会食に参加していた。
そして、報道がされた際に、以下のような内容を話していた。
福岡での講演後に少人数の夕食に誘われた。
部屋に入って5人以上の会であることが分かった。参加するべきか逡巡(しゅんじゅん)したが、検温、消毒、常時窓を開けるなど感染対策に努めていたこともあり、お断りすることは礼を失するとの思いが勝ってしまった。
これを知って、この人も他の政治家と何ら変わりない人だったと、がっかりした。
その後、石破氏に対する見方が変わった。
女性初の総理大尽より石破氏?
しかし、今の自民党が変わったと認めてもらうには、女性初の総理大臣ではなく石破氏しかいなかった。
つまり、次の選挙で勝つためには、これまで「党内野党」だと言われてきた石破氏を総裁にするしかないという考えからだと思っていた。
しかし、自民党には悪しき習慣が、まだまだ残っている。
自民党の政治と金の問題もその中の一つ。
この問題をクリアするには、自民党の癌のような存在である麻生氏を切除することは避けられない。
逆に言えば麻生氏を切除することができれば自民党は変われるということになる。
麻生 vs 菅
ここで、ふと思った。
自民党が変わる=安倍色を払拭する。
このためには安部信者の菅氏は抵抗勢力になると思っていた。
しかし総裁選の決選投票では菅氏は石破氏を指示した。
高市氏は安倍信者の1人であり、安倍氏の後継者とも言える菅氏にとっては同士と言える人だったはず。
その高市氏を支持ぜずに石破氏を推したのはどういうことなのか?
更に麻生氏は1回目の投票から同じ派閥の河野氏推しをやめて高市氏に乗り換えていた。
なぜ、そんなことがわかるのか?
1回目の投票結果で河野氏には国会議員票は22票しかなかったからだ。
つまり推薦人しか投票していなかったことになる。
では麻生派の票はどこに行ったのか?
高市氏の国会議員票が予想より大きく増えていた。
麻生派議員には投票前には河野氏に投票すると答えるようにしていた可能性は高い。
つまり麻生氏は、河野氏を推す気は最初からなかったのだろう。
自民党にすれば、次の選挙で勝てるか?が最重要課題。
河野氏はマイナ保険証の強行などで印象が悪いので国民の信頼を失っている。
つまり河野氏では国民の支持が得られない。
しかし、河野氏に対して直接支持しないとは言えないので、投票までは河野氏には麻生派が全面的に支持するように思わせておいた。
もう一つ、麻生氏にするとこれまで、男社会だった自民党がはじめて女性総裁を誕生させたとなると、自民とは変わったと思ってくれるだろう、そして総理の方が国民に支持されやすいと考えた。
菅氏は、麻生氏が高市氏に乗り換えることを各方面から情報を収集して予想していたのだと思っている。
菅氏も、国民に受け入れてもらえそうな小泉氏を支持するとしていたが、これも捨て駒だった可能性がある。
誰が一番票を獲得するにしても、過半数は取れない。
そして、小泉氏は決選投票には残れない。
すると決選投票は石破氏と高市氏になる。
麻生氏は、石破氏とは犬猿の仲でもあり、石破氏を推すことはない。
麻生氏は間違いなく高市氏を推すことは間違いない。
菅氏は、これは絶好のチャンスだと思った。
菅氏と麻生氏は共に安倍信者ではあるが、麻生氏は純粋な安倍信者とは言えず、いつ裏切ってもおかしくないような存在。
純粋な安倍信者である菅氏にとって麻生氏は邪魔な存在。
このため、菅氏としては、心の中では、いつか麻生氏を落としたいと、ずっと思っていたはず。
石破氏が勝てば麻生氏を落とせる。
石破氏は安倍氏の天敵だと言える人だが、それよりも麻生氏を落とすことが菅氏にとっては重要だった。
今回のチャンスを逃せば、次はいつになるかわからない。
菅氏は石破氏を指示することを決断した。
これが、石破氏の大逆転の原動力だったと思う。
菅氏にすれば、石破氏なら、いつでも落とせるが麻生氏を落とすチャンスは、今回以外ない。
結果、自分が推した石破氏が総裁となったことで、麻生氏は元より麻生氏の息がかかった議員も一掃できる。
麻生氏の力がなくなれば、ずっと不満を持っていた麻生派だった議員は離れていく。
ましてや麻生派の河野氏が今回の総裁選で切り捨てられたことを目の当たりにして麻生氏は信頼できない人だということを麻生派議員に改めて浸透させてしまった。
河野氏も、これで麻生氏への義理はなくなったので、麻生派からは離れる名目ができた。
菅氏の勝利
今回の総裁選は、石破氏が勝ったのではなく、菅氏が麻生氏に勝ったということになる。
いずれにせよ、今の自民党にとっては、結果的に、これしかないというベストな結果になったと思っている。
自民党の大きな癌が切除されて完治できたのか?
それとも、癌は転移をしていて死を迎えるしかないのか?
自民党の今後に期待したいと思っていたが、自民党の癌は思いの他、巨大で手強いようだ。
菅氏は石破氏も早々に切り捨てようと、早々の解散を指示し、石破氏が公約としてあげていたことを覆すようなことを指示し石破氏に対する国民の信頼を着々と失わせている。
解散総選挙で自民党が現状の議席数を大幅に減らせば、その責任を石破氏に取らせる。
菅作戦は着々と進行中のようだ。
そして、自民党は何も変わっていないようだ。