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もっと早く教えてくれよって思った内容を書いていきたいと思います。

深夜に満開となる花

浜木綿

1か月以上前(2022年7月10日)になるが、山口県の二位ノ浜でハマユウが開花したそうで、天候に恵まれれば8月中旬まで白色の花が楽しめるという報道があった。

砂浜にはハマユウ(別名:ハマオモト)という大型の常緑多年生草木が群生し、例年7~8月の海水浴シーズンに見頃を迎え、太い茎の先によい香りの白い花を10数個咲かせる。

花が木綿(ゆう)のように白く垂れることからきている。 木綿(ゆう)というのは、神事のとき榊につけ垂れ下げたもののことである。 別名を浜万年青(ハマオモト)という。 これは、葉が厚く万年青(オモト)に似ているところからきている。

【出典】ハマユウ - みんなの花図鑑(掲載数:3,406件)

このハマユウは暖国海岸に自生する植物で日本海側では山口県長門市の二位ノ浜が自生する北限地なので、これ以上北上をするとなかなか見られない。

このため、石川県では見ることができない花になる。

そんなことから、二位の浜のハマユウは、昭和41年に県指定天然記念物に指定されている。

ハマユウというのは、変わった花で、夕方から開き始めて、夜中に満開になる。

「浜」で「夕」方から開き始めるから「浜夕」なのかと思ったが、浜辺に生える植物なので「浜」。

そして、花が楮の木の皮から作られる白い繊維や布である「木綿(ゆう)」に似ていることから、「木綿」。

合わせて、浜木綿。

倍返しだ!

ドラマ「半沢直樹」の中で、行った土下座で一躍有名になった、俳優の香川照之の母親で女優の浜木綿子の読み方がずっと、なぜ「ユウコ」なのかがわからなかったが、これも「浜木綿」+「子」で「ハマユウコ」ということがわかった。

「浜木綿」という店名もあちこちで見かけたりするし、カタカナで「ハマユウ」という店名も見かける

「浜木綿」という名前は子供に名付けたり、店名にしたくなるような魅力があるということなのだと思う。

なぜ、深夜に満開?

浜木綿がなぜ、夕方から咲き始めて、深夜に満開になるのかが、気になるが、答えが見つけられない。

浜木綿は「ヒガンバナ科」の多年草

ということで「彼岸花」について調べてみた。

ヒガンというのは、「彼岸」のことで彼岸花というのは、秋の彼岸の入り頃に咲きはじめて、彼岸の終わり頃に咲き終わることから呼ばれているとか。

「彼岸」というのは「向こう岸」のことで仏教では「悟りの境地」のことを指している。

煩悩や迷いのある世界から悟りの開けた世界へ至ることを指す。

彼岸花は有毒植物ということからモグラ・鼠から墓を守るために墓地の周囲に植えていた。

お地蔵さんの周囲に彼岸花が植えられているのもお地蔵さんを守るということからなのだろう。

彼岸花ブルーオーシャン戦略

彼岸花が咲いている時に茎を見ても葉が見えない。

彼岸花は「鱗茎」と言われる球根が土の中にあって、鱗茎から根が伸びている。

彼岸花は、冬の間、濃い緑の葉が繁り太陽光を吸収し光合成を行い、鱗茎に栄養素を蓄えていく。

春ごろには繁っていた葉が枯れていく。

他の植物が春ごろから繁っていくのとは逆に枯れ始めて地上から一旦、姿を消す。

この間に、冬の間に鱗茎に蓄えた栄養分を使って花茎を育成する。

そして彼岸の入り頃に一気に花茎が伸びてきて1週間程度で花を咲かす。

花が枯れると同時に葉が芽生えてきて来年、花を咲かす作業が始まる。

彼岸花は花が咲いている時は葉が見えず、葉が繁っている時には花が見えないことから、「葉見ず、花見ず」と言われている。

地上をこの世、地中をあの世に例え、葉がこの世に生えている時、花はあの世にあり、この世で花を咲かせている時、葉はあの世にいる。

彼岸花という名前がピッタリの花だと思う。

では、なぜ、彼岸花光合成を太陽光が強くなる春から夏に行わず、あえて冬に行うのだろうか?

彼岸花の葉は30㎝程度のなので、春から夏にかけて地上に出てきても他の背の高い植物達の陰になってしまい太陽光を十分に得ることができない。

そこで、他の植物が枯れてしまう、冬にあえて地上に出てくれば陰になることなく太陽光を独り占めできるということから、冬に光合成を行い、春から夏にかけて育成し、秋に花を咲かせるという彼岸花が生きていくための戦略だ。

競合相手が多く競争が不可欠となるレッドオーシャンで生き残るのではなく、競争相手のいない、競争が不要なブルーオーシャンで生き残る戦略と言える。

浜木綿の戦略

浜木綿が夕方から花が咲き始めるのは、朝から昼にかけて光合成で栄養素を蓄えて、夕方に一気に花を咲かせる。

「葉見ず、花見ず」の彼岸花と同じ性質によるものなのかもしれない。

浜木綿はヒガンバナ科なので、彼岸花の「葉見ず、花見ず」の遺伝子を受け継いでいるので、「葉」は朝から昼、「花」は夕から夜という活動になっているのかもしれない。

もう一つ、彼岸花は約20~25℃で咲くそうなので、昼間の暑い時間帯ではなく、太陽が沈み気温が下がっていく時間帯を好んでいるのかもしれない。

どちらにしても、自己承認欲求のようなことではなく、生きていくための戦略として行われているのだと思う。