ひきこもりラジオ?
深夜にテレビをつけると「見上げてごらん夜の星を」が流れてきた。
NHKラジオ第一「みんなでひきこもりラジオ」という番組のようで、それをテレビで再放送しているようだ。
番組名は「テレビでひきこもりラジオ」でテーマは「今、言いたい!」と画面右上に表示されている。
画面左下には、ラジオでの放送している時のMCが話している姿が映しだされている。
ラジオ番組をそのままテレビで放送するというのはNHKらしい発想だ。
こういう番組は、深夜に凄く合うと思うが、視聴者のターゲットは若者ではないだろうから深夜に起きているとは思えないので、早朝の方が見てもらえそうな気がする。
実際、自分も初めて「ひきこもりラジオ」という番組があるのを知った。
空を見上げてみようと思ったが、外からは「雨音」が聞こえているので「雨」であることは間違いない。
外を見ても「星」は見えないが、「見上げてごらん夜の星を」を聴いているだけで懐かしい感じがする。
この歌は、1960年に製作されたミュージカル「見上げてごらん夜の星を」の主題歌を坂本九さんが歌ったったもの。
自分は、リアルタイムでは聞いたことがないが、それでも今、聞いてもいい歌だなぁ~と聞き入ってしまった。
今の歌は、「うっせぇうっせぇうっせぇわ♪」みたいな勢いのある歌が多い。
では、この歌を10年後、20年後に聞いた時に、どう感じるだろうか?
「懐かしいなぁ」とは思うかもしれないが、「いい歌だなぁ~」と聞き入ってしまうだろうか?
そんなことを考えながら、「ひきこもりラジオ」を見ていた。
では「ひきこもりラジオ」ってどういう趣旨の番組なのだろうか?
ひきこもりラジオとは?
100万人のひきこもり、話したいことも悩みも千差万別。就労や親の介護以外のことも語りたい!という声がNHKにたくさん届いています。
そこで、始めます!ひきこもりのひきこもりによるひきこもりのための番組!「みんなでひきこもりラジオ」
当事者や関係者の皆さんは、もちろん、いろんな方々の参加をお待ちしております。
MC:栗原望アナウンサー
外に出たいけど出られない。
家にいても、自分の考えや、普段思っていることを話す人がいない。
仕事や家のこと以外の自分の好きなことも話したい。
そんな人のために、作られた番組ということのようだ。
今は、ネット社会なので、会話をしようと思えばできるが、パソコンやスマホが得意な人ばかりではないので、そんな人にとっては「ひきこもりラジオ」というのは憩いの場になっているのかもしれない。
牛のような生活
続けてテレビを見ていると、「新緑かがやく美ヶ原高原」という番組に変わった。
最初、タイトルを見ないで、見ていたので、海外なのかと思っていたが日本だった。
標高2,000mで、3日に1回は霧に覆われるという。
そんな場所で、牛が放牧されて、水を飲んだり、草を食べたりしている。
牛がゆっくり歩いている姿を見ると、人が、急ぎ足で歩いているのが滑稽に見えてくる。
頭には「せまい日本、そんなに急いで、どこへ行く」という交通安全標語が浮かんできた。
安全と余裕を持った生活を送ろうようってことを表現している標語だ。
牛は、安全とか余裕を持つなんてことさえ考えずに、日々、生活している。
人は朝起きてから寝るまで常に時間に追われている。
もしかすると寝ている時も夢で時間に追われているかもしれない。
朝起きると、仕事に行く準備をしないといけないと、いけない。
食事をして、少し時間を置くために新聞を読んで歯を磨く。
着替えて車で会社に向かう。
移動中も車内ではオーディオブックを聴いたり、ニュースを聴きながら移動する。
会社に着いたらパソコンを起動して、メールチェックから仕事が始まる。
仕事が終わると、今日何があったのか確認するためにニュースを聴きながら家に戻る。
また、食事をして歯を磨いて寝る。
寝ている時も、時々、仕事の夢を見たりする。
平日は常に動いている感じだ。
じゃあ、休日はゆっくりできているのか?というと、買い物や食事に行ったり家の掃除といったことをしていると土曜日は終わってしまう。
日曜日は?というと、午前中は車の給油、洗車、清掃といったことを行うので、午後だけは、極力予定を入れないようにしているが、飛び込みの用事が入ってくる。
今は、ブログも書いたりしているので、ちょっとした空き時間ができるとパソコンで作業をしている。
結局、常に頭を使ったり、動き回っている気がする。
アニメ「一休さん」の「慌てない 慌てない 一休み 一休み」という言葉が頭に浮かんでくる。
自分は性格上、やらないといけないことが残っていると、終わらせてしまわないと、落ち着かないので「一休み」は全てが終わってからになってしまう。
つまり、やらないといけないことが次から次にやってくると、寝るまで「一休み」がないということが多い。
時には寝る時間を削らないといけないほど、やらないといけないことがやってくる。
だから、突然、深夜に目が覚めて、牛がゆっくり歩いていたり、水を飲んだり、草を食べている映像を見ていると心が安らいでしまうのだろう。
自分が牛のような生活を送ることができていれば、牛の映像を見ても何も感じないかもしれない。
牛のような生活ができていないから、憧れを感じてしまうのだろう。
しかし、牛からは、俺達には俺達なりに苦労もあれば、辛いこともあるんだと言われるかもしれない。
それでも、1週間に1回くらいは、牛のように、何も考えずに飲んで食べて歩くという時間を過ごしてみたいと憧れてしまう。