二階さん
自民党の二階元幹事長が2024年3月25日に、派閥の政治資金パーティー裏金事件を巡り次期衆院選への不出馬を表明した。
その時の記者会見の場で、記者が、以下のような質問を投げかけた。
- このタイミングで、次の衆院選不出馬を決められたというのは、政治資金パーティの資金不記載であったことの責任を取られたと考えていいんですか?それとも、先生のご年齢の問題なのでしょうか?
この質問に対して以下のように答えていた。
- 年齢の制限があるか?・・・お前もその歳、来るんだよ。・・・バカ野郎
この時には凄い圧を感じたが、その直後の4月には、体調を崩して入院した。
この時は、政治家が不祥事を起こした時によく使う手だと思っていたが、85歳の高齢で動かなくなれば、体力も衰える。
5月末には退院し都内のホテルでの会談で公の場に姿を現した時には、多少、やつれた感じがしたが、それでも、まだ強い「目力」を感じた。
中国での最後の仕事
そして、2024年8月27日に中国に訪問した際には、お付きの人の手を借りながら、やっと歩けるような状態だった。
5か月前に記者に対して「バカ野郎」と呟いていた時の迫力は全く感じられなかった。
人間というのは、やはり、緊張感のある生活を送っていないと、顔に現れてしまうものだろうか?
次の選挙には出馬しないということは後継者を誰にするのか?といったことも考えないといけないだろうから、やはり、引退を決めて肩の荷が下りて力が抜けてしまったと考えるのが妥当なのだろう。
おそらく、不出馬を決める前までは分刻みのスケジュールで時間に追われてる毎日だったのだろう。
次の選挙には出馬しなくても、今はまだ政治家であることに違いはないはず。
このため、政治家の仕事が忙しいというのであれば、それは今も変わらないはずだが、変化があったのだとすると、それは選挙に向けた活動が多かったが、次の選挙にでないことでその活動は不要になってしまった。
選挙が関係なくなったことで、活動内容が激減して時間に追われることも減り、リラックスした顔立ちになった。
選挙のことを考えなくてよくなるだけで半年も経たずに、これほどまでに変えてしまう。
それほど、政治家にとって選挙というのは重要な位置づけなのだろう。
訪中の成果は?
そんな二階さんなので、2024年8月27日からの訪中での扱いに現れていたのではないだろうか?
習近平国家主席との会談が期待されていたが、結局、実現はしなかった。
また、中国による日本産水産物の輸入停止、日本人への短期滞在査証(ビザ)免除の再開といった懸案も進展しなかった。
更には、中国の王毅外相は8月28日の二階氏らとの会談に40分ほど遅れてきた。
※米国と長時間議論したためだとか。
この会談での収穫は中国からのジャイアントパンダの貸与のみ。
二階さんも次の選挙には出馬しなければ、ただの老人。
中国も、その辺は周知しているだろうし、そもそも米国のポチである日本に対して好待遇を期待する方が無理がある。
二階氏は、中国の日本に対する待遇に対して内心、腹立たしい思いだったのではないだろうか?
二階さんは今回の訪中で、何らかの成果をあげて自民党の逆風を何とか止めたかったのだと思うが、中国にすれば日本の総理大臣が誰になろうが何の問題もないが、米国に関してはバイデン大統領の次は誰になるのか?は大きな問題だと思う。
中国にとって最悪のシナリオはトランプに変わること。
そんな時に、次の選挙には出馬しないと宣言した政治家が中国にやってきても、まともに相手などしていられない。
今回の中国の対応を見ていて、そんな風に感じた。
二階さんの最後の仕事は、思惑とは大きくことなる形で終わってしまった。
これで更に老いが加速するのではないだろうか?