路上の伝説は終わった。
2024年7月28日 「超RIZIN.3」のメインイベントとして朝倉未来 vs 平本蓮戦が行われた。
2人はSNSで壮絶な文戦を繰り広げていたが、ついにRIZINでの試合が決定した。
朝倉は負けたら引退すると宣言した。
当初、朝倉の圧勝だろうという声が多かったが現実は 1ラウンド2分18秒で朝倉が平本にTKO負けという屈辱的な結果で、あっけなく終わった。
朝倉は平本に対して何もすることができずに負けてしまった。
手も足も出ないとはこのことだ。
強かった頃とは別人だった
自分も試合をネットで観たが相変わらず、朝倉のキック、パンチはキレが全くなく、以前の彼とは別人のようだった。
朝倉は試合1週間前の時点で心技体共に完全に仕上がったと豪語していたが試合を見る限り、あれは負けて当然というレベルだった。
これで路上の伝説は終わっていたことがハッキリした。
朝倉は試合後のバックステージでの試合後インタビューも欠席した。
これまでは、必ず出ていたのが欠席ということから、これまでにないショックを受けたことを示している。
これでは、さすがに宣言したとおり格闘技から引退せざる得なくなった。
朝倉は弱くなったのか?
朝倉はここ数年で弱くなったのだろうか?
年齢はまだ32歳なので体力的には問題はないはず。
YouTubeチャンネルの動画では以前、やたらと目の良さをアピールしていたが最近は顔面に当てられてしまってる場面が目立ったので目に異常があるのでは?と思ったが試合前のメディカルチェックでは視力は両目ともに1.2だったと話していたので目に異常があったわけではない。
元々、左目の視力は0.02でほとんど見えていなかったそうだ。
これは不良時代の抗争で鉄パイプが左目に入っためで、アウトサイダー時代は、この状態で試合をしていたのだから凄い。
6年前にレーシック手術を受けて視力は1.2に回復した。
では、なぜ、こんなにも劣化してしまったのか?
それは、2021年6月13日のクレベル戦で負けが原因だと思っている。
この試合、クレベルが三角絞めで朝倉を失神させて一本勝ちしている。
負けただけでなく失神したというのは朝倉にとっては相当、屈辱的だったと思う。
つまり、身体的な要因ではなく精神的な要因による劣化だと考えている。
失神一本負けは、朝倉に寝技に対しての強い恐怖心を植え付けてしまった。
パンチを出せば腕を両手で掴まえられて倒され寝技に持ち込まれてしまうかもしれない。
そしたらまた失神負けになるかもしれない。
その恐怖から逃げ越しのパンチしか出せなくなってしまった。
相手にすれば強い打撃がないので、前に出て倒しやすくなる。
結果、本人の意思とは反対に倒されてしまうことが増えてしまう。
クレベル戦のあと、萩原、斉藤戦に勝っているが共に立技が得意なタイプだったので倒される心配はなかったので勝つことができた。
しかし、総合格闘技を行う以上、倒されることは避けられない。
年が明けてメイウェザー戦(エキシビジョン)が決まった。
ボクシングルールなら倒されることはあっても、そのまま組み技に行くことはない。
仮に負けたとしてもエキシビジョンマッチでしかも、相手に有利なボクシングルールなのでプライドも保てる。
試合は2022年9月25日なので、それまでは試合を組むことができないメリットもある。
9月だと次の試合を組むというのも難しいので1年間は総合の試合をしないで済む。
実際、2023年はメイウェザー戦しか行わず、翌年の4月29日の牛久戦まで試合はなかった。
牛久戦
牛久との試合は、朝倉の試合内容が変わっていた。
牛久は組み技が得意なタイプ。
朝倉は自分が上になれる場面では積極的に倒れ込み上から押さえ込んだ。
しかし、相手を押さえつけるだけで何をするでもなく、ブレークがかかるまで、ひたすら押さえつけていた。
相手に倒されたら即座にゲージまたはコーナーに逃げ込み亀のように固まりブレークを待っていた。
明らかに判定勝狙いの時間稼ぎだ。
メイウェザー戦が終わってから、この練習をしていたのだろう。
クレベル戦までの積極的に攻撃を仕掛けていた朝倉とは別人だった。
そして、ずっと朝倉から得意のカウンター攻撃は消えている。
それほど倒されることを恐れているのだと思う。
亀作戦で朝倉は何とか判定勝ちを納めることができた。
ケラモフ戦
しかしケラモフにはそんな作戦は通じなかった。
逃げ腰の朝倉に勝ち目などない。
1Rから朝倉はパンチもキックも出さずに、飛び跳ねるフットワークを繰り返すだけだった。
ケラモフは一発もパンチもキックも出してこない朝倉に対して足元へタックルで突っ込んだ。
朝倉は倒されないように抵抗したが、倒されてしまった。
倒れてからも必死に抵抗したが仰向けの朝倉の上にケラモフは馬乗り状態になった。
それでも抵抗する朝倉の背後に周り裸締めを完全に決めた。朝倉の顔は真っ赤になり苦しいのが見てるだけでも伝わってきた。
耐えようと必死だったが流石に今回は耐えられずタップした。
朝倉のタップアウト負けだ。
この試合でケラモフが強すぎると言われていたが、実際は逃げ腰になっていた朝倉では実力を出せなかっただけのこと。
クレベル戦の前の朝倉ならこんな結果になっていなかったはずだ。
朝倉はイップス
高い確率で、朝倉は寝技に対するイップスになっていると思う。
イップスを克服しない限り朝倉は試合になると実力が出せなくなるので、今のままでは負け続け更に症状が酷くなるだけ。
イップスを克服するのは容易ではないし、格下だと確信していたYA-MANや平本に続け様に1RKO、TKO負けしてしまうまで追い込まれてしまったら、正直、お手上げ状態だ。
ここから立ち上がることができるのか?
今は一旦、朝倉が宣言した通り、引退がベストな選択のような気がする。
イップスは今、現在、これといった治療法が確立されていない。
自分は、信じたくない衝撃的な現実を突きつけられた時の状態を体が一瞬で記憶してしまうのがイップスだと思っている。
このため、同じ状態を何度も作り出して納得の得られる結果が得られるようにする以外に方法はないと思っている。
一番良いのは、クレベルと何度もスパーリングを行うことだと思う。
引退した朝倉に加えて、朝倉の資金力があればクレベルをスパーリングパートナーにできるのではないかと思っている。
それでイップスを克服することができれば、以前の朝倉に戻れるのではないかと思う。