無人餃子店が閉店に追い込まれている
無人餃子店の閉店が全国で相次いでいるとのこと。
最大シェアの「餃子の雪松」は2023年2月2日時点で全国で432店舗を展開し、年内中に1000店舗を目指していたが、今年6月時点では374店舗にとどまっており、ピーク時の約10%が閉店に追い込まれている。
今や無人販売と言えば「万引き」の代名詞になっている感がある。
自分も餃子の無人販売ではないが、一度だけ、利用したことがあるが、支払方法がわかりにくくて大変な思いをした記憶がある。
もっとスムーズに購入できるのかと思っていたが、駅のコンビニのセルフレジよりも更に使いにくいものだった。
また、人件費などがかからない分、安く販売しているのかと思ったが、こんなに高いの?と思えるほど高かったので、二度と利用することはなくなった。
確かに万引き被害は厳しいと思うが、それ以前に、経営努力を怠っていないか?という点が凄く気になる。
多くの無人餃子店では、お釣りを渡すことができないため、お釣りのいらない切りのいい価格「36個1000円」で販売するのが基本となっている。
1人6個食べるとして、6人分。
今どき、6人家族の家庭がどれくらいあるというのだろうか?
日本の平均家族数が3人を切っている状態なので、36個という数は妥当とは思えない。
まぁ冷凍餃子なので1回で食べきる必要はないのかもしれないが、個人的には食べきれる量で購入したいので、36個というのは、多すぎる。
いいことばかりの無人販売のはずが・・・
無人販売が急成長したのは、コロナ禍の「事業再構築補助金」などを利用して、客足が途絶えた飲食店などが無人販売店を始めたため。
また、開店資金が100万円程度で24時間営業でも人件費がかからず、冷凍餃子にすることで日持ちもするので、いいことばかりの仕組みだった。
それにも関わらず、無人販売=高いというイメージが定着すれば、自然と利用客も減っていく。
最初は高くても、何でも珍しさ、話のネタとして買いに行く人も多かったが、珍しくなくなれば実力勝負。
値段に見合ったものならリピートするし、そうでなければ一度限り。
実力があっても、高いと思われてしまえば売れない。
もっと、良心的な価格で販売していれば、値段相応だとリピーターも増えたかもしれない。
そうすると万引き被害の影響を受けることがないほど利益が出せていたかもしれない。
ここでも、今の日本人の「何も考えない」という特徴が現れてしまっている。
コロナ禍で商売がうまくいかないので焦りが生じる。
価格を上げたくなる気持ちはわかる。
万引き対策も防犯カメラでは万引きはなくならないことは明らか。
高輪ゲートウェイ駅の無人コンビニ「TOUCH TO GO」のように、誰が何を取ったのかがわかるような仕組みが必要になるのだろう。
しかし、まだ導入コストは高いだろうから簡単に導入はできない。
つまり、無人販売を可能にする現実的な方法がまだないのでタイミングが悪かったと言える。
その結果、無人販売=万引き被害という悪いイメージだけがインプットされたので暫くは無人販売を始めようとする人は少ないはず。
「TOUCH TO GO」が進化していき安価なコストで導入することができるようになれば、無人販売の問題点が解決されるので、そのタイミングで改めて始めることで万引き被害などもなく安心して無人販売の経営ができるので、今後に期待したい。