seegeのまとめサイト

もっと早く教えてくれよって思った内容を書いていきたいと思います。

ガソリンを安く売り過ぎたら独占禁止法違反?

安く売り過ぎて警告?

ガソリンを163円/ℓ前後で販売されている時に140円/ℓで継続販売していたとして、販売会社が公正取引委員会から警告を受けたという報道がされていた。

仕入れ値より安い価格でガソリンを販売し、他業者の営業を困難にした疑いがあるとして、公正取引委員会は17日、全国で給油所を展開する石油販売会社三愛リテールサービス(東京都)など計5社に独占禁止法違反(不当廉売)の疑いで警告・注意を出したと発表した。

 公取委によると、警告を受けた三愛リテールサービスは1月31日~3月7日、茨城県土浦市にある給油所で、レギュラーガソリンを仕入れ値より下回る価格で販売していた。以前は1リットル160円程度だったが、1月31日ごろからは同140~143円に値下げし、周辺の給油所の営業を困難にさせるおそれがあったという。

【出典】仕入れ値より安価でガソリン不当廉売疑い 公取委が5社に警告・注意:朝日新聞デジタル

消費者からすれば安く売られることに対しては何も問題はない。

また、販売する方も慈善事業ではなく商売でガソリンを販売しているのだから、安く販売しても利益が出ているなら問題はないはず。

しかし、今回は違った。

仕入れ値よりも安く販売していたというのだ。

ガソリン販売価格の内訳

一体、どういうことだろうか?

まず、ガソリンの販売価格の内訳から確認してみたい。

ガソリン税は以下の通り。

ところが、2008年(平成20年)5月1日から2018年(平成30年)3月31日までは暫定税率として以下のような税率に設定されている。

暫定税率はなぜか、2018年3月31日を過ぎても解除されず、今も変わらず適用されている。

ガソリン税が、1キロリットル当たり53,800円なので、1リットルあたりにすると、53.8円が税金になる。

更に、石油石炭税が発生し、ガソリンの場合は、以下になる。

  • 石油石炭税:1キロリットルあたり2,800円

合計すると、1リットルあたり、ガソリン税(53.8円)+石油税(2.8円)=56.6円となる。

ガソリン税、石油税にも、なぜか消費税10%がかかるので、5.66円が加算されて62.26円が税金になる。

仕入れ価格は?

ここからは、ざっくりした計算になるが、販売価格が160円とすれば・・・

仕入れ価格+利益=160円-62.26円→97.74円

利益は数%だと言われているので、仮に5%だとすると、約4.89円が利益になるので、仕入れ価格は・・・

仕入れ価格=97.74円ー4.89円 →92.85円になる。

これを140円で販売していたというのだから・・・

  • 92.85円+62.26円=155.11円

つまり、155.11円以下で販売すれば、仕入れ値以下になるので、売れば売るほど損失が増えていくことになる。

それでいて、140円での販売を続けていたというのだから、他店に客が行かないようにして、他店の経営が成り立たないようにしたうえで、ライバル店が全て閉店したのち販売価格を上げるつもりだったということになる。

これを「不当廉売」という。

不当廉売は,私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54号。以下「独占禁止法」という。)において,不公正な取引方法の一つとして禁止されている。不当廉売の規定は,平成21年法律第51号及び不公正な取引方法(昭和57年公正取引委員会告示第15号)の改正によって,次のようになった。

(1) 独占禁止法第2条第9項第3号

 正当な理由がないのに,商品又は役務をその供給に要する費用を著しく下回る対価で継続して供給することであつて,他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれがあるもの

(2) 不公正な取引方法第6項

 法第2条第9項第3号に該当する行為のほか,不当に商品又は役務を低い対価で供給し,他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれがあること。

 このうち,独占禁止法第2条第9項第3号に規定する不当廉売(以下「法定不当廉売」という。)を行った事業者が,過去10年以内に法定不当廉売を行ったとして行政処分を受けたことがあるなど一定の条件を満たす場合には,課徴金の納付が命じられることになった

【出典】不当廉売に関する独占禁止法上の考え方 | 公正取引委員会

独占禁止法より、税金の方が問題

独占禁止法、云々で警告するよりも、そもそもガソリン代が消費税に寄り高すぎる価格になっていることに警告を行うべきではないのだろうか?

暫定税率は、放置され、税金に消費税がかかる二重課税と、ガソリンに関する税金は問題が多すぎるように思う。