富士通Japanのシステムで住民票誤交付
マイナンバーカードを使った証明書のコンビニ交付サービス(富士通Japan)製で、他人の住民票などが誤って交付される事案が、2023年3月以降、横浜市、川崎市、東京・足立区であわせて13件発生している。
更に、5月2日にも同社の別の製品を使っていた川崎市で、戸籍証明書を誤交付する問題が生じた。
これを受けて、デジタル庁の河野大臣が、河野太郎デジタル大臣は2023年5月9日の記者会見で、同システムの一時停止を富士通Japanに要請したと発表。
NHKが、この内容を「マイナンバーカードのシステム 一時停止を要請 河野デジタル相」というタイトルで報道した。
これを見た人が、誤解してSNSで河野大臣がマイナンバーカードそのものに関するシステムに問題があったと発言したかのような誤解も生じた。
富士通Japanの発表
富士通Japanは、2023年5月9日付のホームページ上の「トピックス」で、以下のように発表している。
- 本事象の原因は、2か所のコンビニで、2名の住民の方が同一タイミング(時間間隔1秒以内)で証明書の交付申請を行った際に、後続の処理が先行する処理を上書きしてしまうことによるものです。本事象の原因となった当該プログラムの不具合は、既に修正および入れ替えを完了しております。なお、当該プログラムは川崎市様以外では使用されておりません。当社はこれまでに他の自治体様で発生した「Fujitsu MICJETコンビニ交付」の印刷障害を受け、類似サービスの総点検を既に完了しております。今回の事象はこれまでとは技術的に異なる原因によるものではありますが、度重なる証明書誤発行により多くの皆様にご迷惑ご心配をおかけいたしましたことを重く受け止め、あらためて深くお詫び申し上げるとともに全力を挙げて再発防止に努めてまいります。
【出典】川崎市様における証明書誤交付ついて : 富士通Japan株式会社
つまり、3月下旬に横浜市で誤交付が発生した問題と5月2日に発生した川崎市の問題とは発生した機械が異なり、原因も異なっていた。
3月下旬に発生した機械での原因は以下になる。
- コンビニエンスストアで証明書交付申請をされる方が増加し、取引負荷が高まったため、印刷処理における遅延が発生いたしました。この遅延に起因し、システム上設定されていたタイムアウトの上限を超える状態となり強制的な印刷処理の解除が生じ、次の印刷イメージファイルを誤って取得したため、申請された方とは異なる住民の方の証明書が発行されました。
【出典】「Fujitsu MICJET コンビニ交付」サービスで発生した印刷障害について : 富士通Japan株式会社
どちらも、コンビニでマイナンバーカードを使って、住民票を申請する人なんて、そんなに多くないだろうという甘い考えで作ったからだと思っている。
システムを作る時に「可能性」をどう扱うかは悩めるとこだと思う。
過剰に重視すれば、複雑になるし、軽視し過ぎれば今回のようなトラブルになる。
富士通の低レベル化
以前にもブログで書いたと思うが、富士通のシステムは、以前とは比べ物にならない程、実にお粗末なものが増えている。
今の富士通は優秀なエンジニアが少なくなっているように思う。
知り合いが富士通に何人かいたが、経営層が変わり、無意味な残業ばかりが増えるようになって嫌気がさして転職してしまうことが続いた。
その結果、今では一人も富士通に知り合いは残っていない。
このため、今の富士通は、以前とは別物の会社だと考えた方が良い。
悪い意味で、よくぞ、ここまで短期間に変えられたものだと呆れている。
取締役人事
富士通は今の経営層が総辞職して、まともな人材を経営層に配置して立て直さない限り、優秀な人ほど、富士通を去っていくことになる。
そうなれば、衰退の一途をたどることになる。
2023年4月1日付けで、取締役人事が決定していた。
この人事が経営層の問題だと気づいた結果によるものであれば、今後、富士通が今の堕落した状態から脱却することも期待できる。