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イギリス戴冠式「塗油の儀式」とは?「

戴冠式

英国のチャールズ国王の 戴冠式(たいかんしき)が2023年5月6日~8日にかけて行われた。

戴冠式とは新国王に冠を授ける伝統儀式になる。

国王と王妃は、バッキンガム宮殿を出発して、ウェストミンスター寺院までの約2kmを馬車で向かう。

ここでは、黄金の馬車と言われる「ゴールド・ステート・コーチ」は使われていない。

王室の行事で君主の移動だけに使われることから、戴冠式を終え、正式な国王となった後にウェストミンスター寺院からバッキンガム宮殿に戻る際に使用される。

塗油の儀式

英国国教会の最高位聖職者であるカンタベリー大主教から聖油を両手や胸、頭に塗る「塗油(とゆ)」を受けた後、王冠を授けられた。

戴冠式の様子は世界中で放送されるが、たった一つだけ絶対にメディアに公開されない秘儀が塗油の儀式。

エリザベス女王戴冠式でもこの秘儀は非公開だった。

非公開なので、どのように行われたのかは不明だが、全ての英国の君主が即位する際、アノイティングスプーン(スターリングシルバーに金メッキを施したもの)で即位する国王の頭、手、胸に聖油を注ぐとされている。

聖油

聖油には、ずっとジャコウネコやマッコウクジラの油が使われていたが、チャールズ国王が動物虐待を行わない方法で作るよう要求し、今回はアニマルフリーの聖油となった。

使用するオイルには動物性成分を使わず、エルサレムのオリーブ山から収穫されたオリーブから作られ、ゴマ、ローズ、ジャスミン、シナモン、ネロリ、ベンゾイン、アンバー、オレンジなどが調合されているという。

2023年3月3日、エルサレムで聖油の奉献式が行われ、調合された。

なぜ、聖油を注ぐのか?

元々は羊飼いが、羊の頭に油を注いでいたことに始まる。

羊の毛の中にシラミなどの虫が入ってしまう事がしばしばあり、これらの虫が羊の耳から入り込んで死に至る場合があった。

これを避ける目的で羊の頭に油を注ぎ、虫が油で滑るようにして虫が羊の耳に入る事を予防していた。

これから油を注ぐことは、守りと力を与える事の象徴となった。

そして、聖書にはイエスキリストは福音を広め、罪に囚われた人々を解放するために、神によって聖霊をもって油注がれた者であると書かれている。

そんなことから戴冠式でも行われているものと思われる。

聖油はアマゾンで買える

聖油は、アマゾンでも販売されている。

勿論、戴冠式で使用されたものは、配合などは全て非公開のため、同じものではない。

アノイティングスプーンは、キリスト教聖餐式(せいさんしき)で使用される油を注ぐためのスプーンになる。

聖餐式ではパンとワインがイエスキリストの体と血として分け与えられるとされている。

この時に、牧師や司祭は油を使ってパンやワインに聖性を授けるのにスプーンの先に小さな穴が明けられたアノイティングスプーンを使用する。

日本だとネットオクションサイト等で中古品を入手することになるかと思う。

死神?

今回、戴冠式の直前に、近衛兵らしき集団が会場に入ってくるシーンで、背後に会場の入口を全身黒づくめの服装で細長い鎌のようなものを握った人物が横切るように歩いて行った。

それは、死神を連想させるような姿だった。

実は、この方は聖堂番で、警備や監視・管理などの業務を担当する人になる。

ちなみに、聖職者ではないということだ。

日本では?

日本でも元号が令和に変わった年に、「即位の礼」が行われている。

この時、チャールズ国王が皇太子の時代に、エリザベス国王の代理で参列している。
戴冠式にしても、即位の礼にしても、定期的に行われるというものではないので、両方をテレビを通してでも見ることができたというのは一生に一度のことだと言える。