マリーゴールドを唄う人
YouTubeで、あいみょんの「マリーゴールド」を唄っている路上ライブを見た。
弾き語りで凄く声もいいし、実に上手に唄っていた。
最近は、新宿駅南口で行う人が多いようだ。
新宿バスタが出来たことで南口に人が多く集まること、歩道が広く、横に長いので横並びで間隔をそれなりに空けて行えるということもあるのだろう。
路上ライブといえば、自分の中では新宿駅西口だった。
宿泊先に向かうために西口から出ると、凄い音が鳴り響いていた。
家に帰るために駅に向かう人と路上ライブを聞いている人達が入交って凄い人だかりになっていた。
そんなことを考えながら唄を聴いていると、どこか物足りなさを感じた。
しかし、最後まで聴くともう一度、聴いてみたいという気になるので不思議だった。
結局、3回ほど繰り返し聴いてみたが、わからなかった。
カブトムシでは?
そこで、別の曲を聴いてみた。
aikoの「カブトムシ」
「少し背の高い、あなたの耳に寄せたおでこ、甘い匂いに誘われた私はカブトムシ」の詞が印象的なあの歌。
詞の内容がイメージできない。
例えるなら、誰かが書いた文字をなぞって書いたような文字を見ている感じだ。
声も良いし聴かせる力も持っている。
でも、aikoさんの唄をなぞって唄っているだけだった。
このため、唄が不具合ばかりが耳について、せっかくの詞がイメージできない。
だから詞が響いてこない。
金属バットでは打てても・・・
今は、自分の楽曲がないので、ヒット曲を唄っているので、つい聴いてしまうが、半分以上は曲の力によるものであり、野球で例えるなら、金属バットの力に頼ったホームランといえる。
木製バットならセンターフライが金属バットならホームラン。
これで勘違いしてしまうと木製バットしか使えないプロ野球では通用しないということになる。
カブトムシは、ヒット曲の中でも、とても難しい曲だと思う。
テンポ、音程があっていれば聴かせられるような曲ではない。
このため、金属バットホームランがなかなか出にくい曲だと思う。
「マリーゴールド」ではホームランが打てたかもしれないが、カブトムシだとセンターフライ・・・いやセカンドフライだったかもしれない。
ヒット曲であれば、聴かせる唄い方ができても、オリジナル曲で誰も聴いたことがないような曲だったら、どうだろうか?
金属バットの力は借りないで、木製バットで飛ばす必要がある。
バットに当たればよいが、もしかすると空振りで終わってしまうかもしれない。
金属バットであれ、ホームランを打てるというのは才能だと思う。
努力も必要
今は、路上ライブだけではなく、SNS等を使って誰でも自分の唄をアピールできるようになっている。
このため、見た目がそこそこ良くて、唄も聴かせる力があれば、金属バット(ヒット曲)を使ってホームランを打つことができる。
それで、ちょっと人気が出てしまうと自分は才能があるかもしれないと勘違いしてしまう。
新宿駅南口は路上ライブ禁止だからと、別のYoutuberが路上ライブをしている人達に注意している動画まで作られていた。
注意された人に禁止になって場所で行っては?ということを意見すると「人が少ないから」ということを話していた。
メジャーになろうというなら、禁止行為をやってるようでは、いくらヒット曲を出しても素行調査の段階で弾かれてしまう。
仮にスカウトされても過去に問題があれば契約には至らなくなる。
更に売れると過去のことを週刊誌などが根掘り葉掘りと調べてくるので変なことをしていたのでは自ら門を閉ざすようなものだ。
もう一つ、人が少ないところに人を集めるだけの魅力がなければ、プロとしては通用しない。
許可されている場所は人が少ないから禁止されている場所で唄っているようでは、やはり話にならない。
路上ライブで人気を得ようという気持ちはわかるが、実力に加えて人としての信頼があっての人気だと思うので、金属バットでホームランばかり打っていてもプロでは通用しない。
木製バットだと金属バットとは異なり芯に当たらないと飛ばない。
経験者からの指導を受けて、どんな球でも芯に当てられように練習をする努力も必要だと思う。
ましてや、今は、唄が上手い人は、たくさんいるので、そんな人たちの中から選ばれる必要がある。
才能に頼り、ヒット曲をなぞって上手に唄うだけで勝ち抜ける時代ではないと思う。