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実力があるのに結果が出せない人

NHKプラスで大相撲観戦

朝、何となくNHKプラスで面白い番組がないかと番組を探していた。

NHKプラスというのは、TverNHK版のようなサービスで、総合・Eテレの番組を放送中から放送後1週間、PCやスマホ、インターネットに接続されたテレビなどで、いつでもどこでも、何度でも楽しめるサービス。

放送受信契約のある世帯であれば、受信料以外の追加負担なしで無料で利用できる。

TverではNHKの番組は視れないのが不便だったが、NHKプラスのサービスが始まり、NHKの番組を外出先でも手軽に視れるのは便利だ。

探していると、何となく、「大相撲(2023年)春場所 初日」というタイトルが目に入った。

自分は火曜日の朝に見ていたのでNHKプラスだと2日前の取り組みが公開されているようだ。

相撲はテレビで見ていると、取組までが凄く長いが、動画配信(PC版)だと進行バーにカーソルを持って行くと上にサムネイルが表示されるので、取組までスムーズに進めることができるので、2時間の取組がササっと視れるのが助かる。

NHKプラスは、Tverと異なりCMもない。

翔猿と書いて、とびざる

進行バーを利用して取組を見ていくと、大関貴景勝」の名前が出てきた。

結びの一番のようだ。

相手は「翔猿」

「しょうさる」と読むのだろうか?

翔ぶ猿だから、西遊記孫悟空

などと思っているとアナウンサーが「とびざる」と言ってた。

そんなに身体は大きくないので、舞の海や炎鵬のように、猿のように飛んだり跳ねたりクルクル回ったりする取り組みなのだろうと思いながら見ていた。

ところが、真っ向から、ぶつかっていった。

しかし、体格の違いは明らかで力負けし土俵際に追い込まれていった。

これで、終わったと思った瞬間、猛牛が突っ込んできたのを闘牛士がサッとかわすように右に回り込むと体勢を崩した貴景勝は土俵に手をついた。

なんと、小柄な翔猿が、はたき込んで貴景勝に勝ってしまった。

アナウンサーは「貴景勝!初日黒星!」と叫んでいる。

結びの一番ということもあって、番狂せに会場には大きな拍手と歓声が鳴り響いている。

そんな中、アナウンサが「今場所も翔猿、貴景勝を破りました!」と言った。

えっ?と思った。

今場所も?

うまくタイミングが合って力任せに押していたのが一瞬、かわされて体勢を崩して勝ったのかと思っていたが違うのかもしれない。

翔猿に興味が湧いてきた。

調べてみると、番付は小結。

年齢は30歳で、身長174cm、体重133kg

「猿のようなスピード」が持ち味。

2015年1月の初土俵から、8年経っている。

貴景勝の方が番付が上だったのと見た目が翔猿より老けて見えたので歳上かと勝手に思っていたが人は見かけでは判断できない。

戦績を確認すると先場所だけでなく、その前の場所も勝っていたので、貴景勝には3連勝中ということになる。

先場所は横綱にも勝って初金星をあげている。

NHKが力士別に全取組の映像を公開していたので確認してみると、こちらは春場所の2日目も既に公開されていた。

【出典】翔 猿の動画・取組(追手風部屋) | NHK | 結果、最新動画、インタビュー

相手は御嶽海(みたけうみ)番付は前頭三枚目で年齢は30歳。

翔猿と同じ歳。

現在の番付は翔猿より格下だが、御嶽海は幕内優勝3回で大関経験者。

身体も身長179cm、体重170kgと翔猿より大きい。

翔猿は今回も自分より大きな相手に真正面からぶつかっていった。

体重差40kg弱の差を感じさせない。

土俵上でがっぷり四つに組んで動かない。

しかし、徐々に翔猿が土俵の方に押し出している。

最後は寄り切りで翔猿が勝った。

そして、次の日も勝って初日から3連勝。

こんなに強いのに、なぜ?

こんなに強いのになぜ、最高位が小結なのだろうか?

答えは4日目以降にわかった。

4日目からは別人ではないか?と思えるほど、ひどい相撲だった。

まるで、3日目までの自分自身と戦っているかのような取り組みだった。

3日目までは自ら攻めるというより相手に攻めさせて、かわして勝つという感じだった。

しかし、4日目からは3連勝したこと、相手が格下または同格ということから、自ら攻めるようになった。

その結果、3日目までとは逆に相手にかわされて負けてしまっている。

翔猿は3日目までの取り組みを見る限り素晴らしい実力を持っていると思う。

しかし、素晴らしい力の使い方が、わかっていない時がある。

受けようとしているときは相手をしっかり見えているが、自ら攻めるときは相手が見えなくなるようだ。

横綱大関に勝つだけの実力があるのに、格下や同格の者には勝てない。

もしかすると、格下や同格だと余計な力が入ってしまい、せっかくの力が活かされないのかもしれない。

世の中には、実力があるのに、なぜ、結果が出せないんだろうか?という人がいる。

翔猿もおそらく、その中の1人なんだと思う。

自分の方が実力は上だと思ってしまうと、客観的に見れなくなり動きを読まれてしまう。

その結果、かわされたりして土俵に手をついてしまったり、体勢を崩し押し出されてしまう。

ダニング・クルーガ効果

ダニング・クルーガ効果という認知バイアスがある。

心理学者のデヴィッド・ダニングとジャスティン・クルーガーの2人が学生を集めて行った実験から得られた結果のこと。

学生に「ユーモア」「論理的思考」「英文法」の3種目のテストを実施した。

その後、自分が全体のうちどの程度の成績なのかを予想してもらった。

そして自己評価と実際の評価を照らし合わせていくと、3種目全て実際の評価が低い学生ほど自己評価が高く、実際の評価が高い学生ほど自己評価は低くなった。

翔猿は、格下・同格に対しては自信過剰になり相手を見ようとしなくなり、格上に対しては自己を過小評価してしまう結果、相手の動きをよく見ようとする。

実力があるのに結果が出せない人というのは、相手によって自己評価が変わってしまうので結果も変わってしまう。

ということではないだろうか?