年始に見るべきフジドラマは「王様のレストラン」。
脚本は、昨年、話題になった「鎌倉殿の13人」の三谷幸喜。
三谷作品は他にも、デビュー作品の「振り返れば奴がいる」、「古畑任三郎」、「大空港2013」と面白いドラマや映画の脚本を手掛けている。
そんな三谷幸喜さんが脚本のドラマなので、面白くないはずがないし、自分は三谷作品で「王様のレストラン」がこれまでの最高傑作だと思っている。
「王様のレストラン」が普通のドラマと異なる点が一つある。
それは、ドラマの話は全て、レストランの中で始まり、レストランの中で終わっている。
音楽は「服部克久」さんが担当し、主題歌は「平井堅」さんのデビュー曲となる「Precious Junk」が採用されている。
しかし、三谷さんは、最初に、この曲を聞いた時に、自分が書いている本のイメージと全然違うし、「これはやめてほしいな」って思ってプロデューサーに言ったとか。
脚本家の三谷さんの要望を断ってまで採用したプロデューサーも凄いと思う。
王様のレストランのストーリーは、赤字で今にも潰れそうなフレンチレストランの再建を目指して伝説のギャルソンがダメダメスタッフの才能を引き出して再建していくというもの。
細かいストーリーについては見て頂くのが一番だと思うので、ここでは割愛し、補足的な内容のみ書きたいと思う。
伝説のギャルソンは、9代目松本幸四郎(現在は松本白鸚(まつもとはくほう))さんが実に個性的な雰囲気で演じている。
「王様のレストラン」というのは、第一話で伝説のギャルソンが「お客様は王様である」ということを先輩から教わったというエピソードを話していたことから、ここから名付けられたのだと思う。
そして、レストランの名前である「ベル・エキプ」というのは、「良き友」という意味になる。
一流の店(レストラン)に必要なのは、偉大なシェフとギャルソン、そしてオーナー。
ロールプレイングゲームで集めなければいけないアイテムを最初に教えてくれているようだ
ミッシェル・サラゲッタの言葉
ドラマは、ミッシェル・サラゲッタという人の言葉で始まる。
例えば、第一話だと「人生で起こることは、すべて皿の上でも起こる」という言葉から始まっている。
何となく深いことを示しているような言葉ではあるが、どういう意味なのだろうか?
第一話ではベル・エキプの将来を変えるような奇跡が起こる。
サラゲッタの言葉が真なら、皿の上でも奇跡は起きる。
人生では交通事故が起きることがあるが、皿の上で交通事故は起きるのだろうか?
皿の上で地震は起きるのだろうか?
皿の上での交通事故や地震はどういう状態のことを指すのだろうか?
考えれば、考えるほど、わからなくなる(笑)
音楽の力
ミッシェル・サラゲッタの言葉は忘れて、このドラマを見ていると勇気と元気が湧いてくる。
それは、ドラマ内で使われている音楽の力が大きいと思う。
ドラマは、オープニング曲の「Bon courage!-勇気-」で始まり、エンディング曲の「Precious Junk」で終わる。
オープニング曲のタイトル、「Bon courageのcourage」には「勇気・熱意」という意味で、これにBonが付加されると、「頑張って」という意味になる。
エンディング曲の「Precious Junk」は平井堅さんの誕生日1月17日に書いた曲。
この日は、1995年に「阪神淡路大震災」が起きた日でもある。
Junkには「瓦礫」という意味がある。そして、「Precious」には尊い、貴重、宝物といった意味がある。
平井堅さんは、「いつか、それもよくなっていく」という希望を込めてこの曲を書いたそうだ。
このような想いが音楽に込められていて、それを言葉にしなくても、ちゃんと伝わってくるというのは凄いと思う。
このドラマを見ると、絶対に、勇気や元気がふつふつと沸いてくるので、年初に見るドラマとして是非、見て欲しい。
FODでしか視聴できない?
そんな、「王様のレストラン」であるが、Amazon のPrime Videoだと「このビデオは、現在、お住いの地域では視聴できません」と表示されている。
つまり、現在は、Prime Videoでは配信されていないということになる。
他のオンデマンドサイトを確認しても、視聴できないので、FODの独占配信ということなのだろう。
現在、第一話は無料で公開されているので、見てもらえるとドラマの良さが伝わると思う。