日本のPC-98シリーズ
自分も子供の頃に98に出会ってプログラミングの面白さを体験した。
NECの独占状態に待ったをかけようとセイコーEPSONがPCー98互換機を発表した。
これに対して、NECは「PC-98互換機」に対して知的所有権侵害だと販売差し止めを求める仮処分を東京地裁に申請した。
結局、セイコーエプソンが和解金を支払うことで治まった。
しかし、IBM PC互換機、通称DOS/V機なるパソコンの標準使用機が安価な価格で発売されるようになり、更にはマイクロソフトがWindows95を発売したことで、DOS/V機が世界標準仕様のパソコンのように変わりPC-9801はガラパゴスPCのようになってしまい姿を消していった。
Windows95が登場
Microsoftがマウス操作だけでパソコンが使えるという、Windows95を発売した。
このおかげで、パソコンはコマンドを入力して操作をしなくても、マウスを操作するだけで簡単に誰でも使えるようになり、パソコンは一家に一台という時代になった。
インターネット登場
そうすると世界中のパソコンと接続できるようになる通信技術であるインターネットが普及して自宅と世界が繋がり色んな情報が自宅に居ながらにして得られる時代になった。
それまでは日本ではパソコン通信という電気通信事業者が提供していた会員制の通信サービスが主流だった。
まだ、現在のLANケーブルが一般的なものではなかったのでRS232Cという通信仕様のためのRS232C(シリアル)通信ケーブルが使われていた頃になる。
デジタルデータと音声の相互変換を行なってくれるモデムを電話回線経由で電気通信事業者のホストコンピュータに接続して電子掲示板を利用したり、ソフトウェアをダウンロードしたりするというもの。
デジタルデーターを音声に1ビットずつ変換するため通信速度は9600bps(1秒間に9600ビット)という驚異的な遅い速度での通信サービスだった。
データ通信と言っても、電話と同じ料金が発生するので、接続先の電話番号の市外局番を確認しておかないと、電話番号が県外だと市外通話となるので短時間でも高額の通話料金を請求されることになる。
それでも、当時はパソコンをネットワークに接続する唯一の手段だったので貴重なサービスだった。
しかし、そのパソコン通信もインターネットの登場により消えていった。
日本の携帯電話「ケイタイ」が人気
日本では携帯電話用のインターネット、i-modeなるものが構築された。
そして携帯電話でインターネットに接続できるのが便利だと大人気になった。
ケイタイで買い物ができたり、電車に乗れるおサイフケータイに、ワンセグテレビまでケイタイで利用できるようになっていった。
更には、カーナビのような機能まで搭載されて画面が小さいこと以外は今のスマホと遜色ないものに仕上がっていった。
電子立国日本の最高技術を結集したのがケータイだったと思う。
そんなケータイが、Appleのi-Phoneの登場でガラケーと呼ばれるようになり、やがて消えていくことになるとは、ケータイしかなかった頃には想像もしていなかっただろう。
日本の最高技術を結集したケータイを淘汰してしまった、i-Phoneは、それだけ素晴らしいものだったと言える。
電子書籍が注目
ケータイやスマホが普及していくと共に配送が不要なネットで買える電子書籍が注目されるようになった。
日本も色んな会社が「独自」の電子書籍を販売するようになったが、普及にまでは至らなかった。
理由は、各社が「独占」を狙ったために、他社との互換がなかった。
これは更に先の話になるが、皮肉にもシャープが、電子書籍「ガラパゴス」を発売するが10カ月で失敗を認めることになる。
売れないから途中でやめてしまう。
買った人は、置いていかれる。
電子書籍は信用できないと思うようになり新しいものが販売されても直ぐには手を出さなくなった。
そんな中、Amazonがネットで本を検索できるようにしてくれて、更には送料無料で本を翌日には配達してくれるようになり、紙の本のネット購入が多くなっていった。
それまでもネットで本を販売するという仕組みはあったが、xxxx円以上なら送料無料という条件付きのものだった。
しかし、Amazonは、「送料無料」を実現していった。
品揃えを豊富にすることで書店では買えなくても、Amazonなら買えるようになる。
島国根性だと、売れるものしか用意しないだろうからこの時点で日本で送料無料は不可能だと言える。
Amazonなら買えるということで自然と人が集まって来る。
利用する人が増えてくれば、同じ地域から何人も注文が入るので、「ついでに配送」ができるようになるので送料が抑えられる。
こうして送料無料を実現したことで更に人が集まってくるようになる。
更にAmazonはお届け日数を短縮していった。
今では当日配送が当たり前になっているが、最初は到着までに数日~1週間というのは当たり前だった。
書店で注文するよりも早く手に入ることになる。
Amazonは、これだけでは満足しなかった。
更に、電子書籍にまで改善を行ってくれた。
電子書籍の問題点は、電子書籍化されている本が少なかった。そして電子書籍なのに紙の書籍よりも安くなかったという点。
Amazon Kindle は驚くべき速さで電子書籍化を進めていった。
そして、今では、多くの紙の書籍よりも安価になっている。
これでKindleが広まらないはずはない。
Kindle本が最も簡単にシェアを広げて、これまで、日本の色んな電子書籍が出ては消えていったことが嘘のように簡単に電子書籍を普及させた。
その結果、日本のあちこちにあった街の本屋さんが、どんどん減っていった。
Amazonは、需要の少ない本を買う場合の問題点を全て解消してくれた。
島国根性の日本
単価の安い、書籍で送料を無料にしたり、当日配送にするなんて日本の「島国根性」では実現することはできなかっただろう。
島国根性というのは、海の中にポツンと孤立した島国で生活していると外国人との交流が少なくなり、視野が狭くコセコセした考え方になってしまうというもの。
視野が狭いので全体が見えない、そのため、広い視野で考えられないので、利益を社員や顧客に還元するなんてことは考えられない。
これまで、色々なものが淘汰されていった。
全て、日本での使用だけ、他が真似できないようにするといった、狭い視野で考えて行ってきた結果だと言える。
PC-98シリーズは、NECが他社には作らせないようにしたことで、IBM PC互換機のように世界中に拡がることができなかったことでコストを下げることができず高いものになってしまった。
パソコン通信は、電話回線が音声通話で使用されていたことから音声で使わないといけない、ホストコンピューターを中心に通信が行われるといった固定概念が邪魔をしてしまった結果、世界への広がりを見せることができなかった。
ケイタイも、電子書籍も世界的に使える仕様で考えていないために、日本の中だけでしか使えないものになってしまった。
今の日本に必要なのは「島国根性」による考え方を捨てて広い視野で、伸び伸びとした気持ちで考えることではないだろうか?