「不満」で溢れている
世の中は「不満」で溢れている。
1日の中で不満を感じなかった日があるだろうか?
自分が生活している中で不満を感じたことを以下にあげてみる。
- 赤信号で止まり、青になって左折して直ぐの信号が赤に変わった。
- 無人販売所のセルフレジの使い方がわかりにくい
- 賞味期限が、その日までといった短い食品が多い
- 製品のサイズが書かれていないので大きさがイメージできない
- アプリの会社が毎日のようにメールを送ってくる
- 何のCMなのか?わからないものが多い
- 取扱説明書は不要なことばかり書かれていて必要なことが書かれてない
- 配送したと連絡があっても届く時間帯がわからない。
- 必要以上に大きな箱で梱包されているので宅配ボックスに入らない
- レジ袋の有料化に便乗し紙袋まで有料化した店
数分でこれだけの内容が出てきた・・・
逆に満足していることをあげてみようと思うが直ぐには、なかなか出てこない。
不満として出てこないこと以外は満足しているということなのだろうか?
ガラケイとiPhone
商品開発では不満を考えることが基本になる。
始めて、iphoneが登場した時のスティーブジョブズのプレゼンは不満を利用した見事な内容だった。
数年に一度、全てを変えてしまう新製品が現れる。
それを一度でも成し遂げることができれば幸運だが、アップルは幾度かの機会に恵まれた。
PC業界全体を変えたマッキントッシュ
音楽の聴き方だけでなく音楽業界全体を変えたiPod
そして、今日、革命的な新製品を3つ発表する。
しかも、新製品は独立した3つの機器ではなく1つの機器で、名前はiPhone。
今日、アップルが電話を再発明します。
それまでのスマートフォンと言えば、ボタン式キーボードが必ずあった。
このため、上半分が液晶、下半分がキーボードという感じだったので画面が小さかった。
日本では、折りたたみ式にして画面サイズを増やしていた。
しかし、iPhoneはハードウェア式のキーボードを取っ払って画面を大きくした。
じゃあ、どうやって操作するのか?
マウスはダメだ。
スタイラスペン?これも無くしてしまうからダメ。
みんなが生まれ持った世界最高のデバイスである指と言った具合に不満を共有しながら新製品の紹介を進めていった。
iPhoneが、色んな不満を解消してくれることを期待させるプレゼンだった。
こうやって今の形のスマートフォンが世界に広がっていった。
日本も例外ではなく、ケイタイと呼ばれる既に完成されていた携帯電話が主流だった日本でも、慣れ親しんだケイタイを捨てて、あっという間にスマートフォンが広がっていき、ケイタイはガラケーと呼ばれるようになった。
ケイタイは毎年、何百億円というお金を投資して開発してきた電子立国日本の技術を積み重ねてきたできた、当時、最高峰のものだった。
そんな日本のケイタイでも、iPhoneには勝てなかった。
なぜだろう?
人は不満を解消してくれるものに惹かれる。
完成されていた日本のケイタイにも不満は、あったのだろう。
自分が思いつくのは以下の二つ。
- 何をするにしても、小さいボタンを何回も押さないといけない。
- 画面が小さい
このうち、小さいボタンに関してはケイタイでの入力に慣れていたのでスマホの方がストレスを感じた。
このため、最初はケイタイと同じテンキー部分がスライドするタイプのスマホを購入したほどだ。
そうすると、スマホでケイタイより便利になったと感じたのは画面の大きさだけ。
地図、文書を表示させたときの情報量はガラケーとは比較にならなかった。
画面が大きくなった恩恵の代わりに、電池の持ちが悪くなった、本体料金や月額料金が高くなった・・・といった不満が新たに増えた。
永遠になくならない不満
不満を解消すれば新たな不満が起こる。
人は満足するということとは無縁なので人類が生き残る限り満足することは永遠に無いと思う。
それは、睡眠、食、性といった人の三大欲求に共通するのではないだろうか?
満足ではなく、満欲と言っても良いかもしれない。
人はいくら、寝ても、食べても、時間が経てば自然と眠くなるし、お腹がすいてくる。
これと同じように一旦、満足しても時間が経てば慣れてきて不満を感じるようになる。
これも尽きることがないものだと思う。
「足るを知る」という言葉があるが、これを睡眠や食べることなどに適用できるだろうか?
もう十分、寝たからもう寝なくても良い、十分食べたから食べなくても良いなんてことにはならないと思う。
満足とは、人の三大欲の根本にあるものと言えるかもしれない。
だから、不満がなくなることはないので、新しい商品やサービスというのも、今は満足していても慣れてくれば不満が生じるので次の商品やサービスを常に考えていかなければならない。
不満買取センター
そんな風に考えている人は少なくないからだと思うが、不満を買い取るサービスを見つけた。
企業の商品やサービス、そして社会をより良くするために
あなたの日常にある不満を買い取ります。
不満の中に眠った「ヒント」を私たちが届けます。
実に面白い発想だと思う。
不満に応じてポイントがもらえる仕組みで、ポイントの判断は人ではなく、AIが判断するそうだ。
上記のサイトに記載されていた不満で面白いと思ったのがいくつかあった。
- スーツケースのタイヤは交換できるようにすべき。
→タイヤが壊れたら捨てるしかないのは勿体ない - 冷凍庫も開けた時にライトが点灯するようにしてほしい。
→夜中にアイスを食べたくなった時に不便 - 常温で保存可能なヨーグルトがあればいいのに
→毎日食べるものだから大量買いしておきたい
といった、感じで自分では気づかなかった不満を気づかせてくれるので商品開発に関わっている方は、集まった不満を以下のサービスを利用して探すことができるようだ。
毎日、2万件の不満が集まってくるということなので、世の中は不満で溢れているのだと改めて認識した。
「不満買取センター」で独自に収集・蓄積した3,000万件の不満データを自由に検索・分析。
独自の分析フレームワークと産学連携で生まれた文章解析AI「アイタス」を搭載し、生活者の不満に隠れた本音をスピーディーに炙り出せます。