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国体は開催地が優勝する?

いちご一会とちぎ国体

42年ぶりに栃木県で開催された国体は、2022年10月11日に閉会式が行われた。

いちごの生産量53年連続日本一ということから、「いちご一会とちぎ国体」と大会名にも「いちご」が使われている。

国体の正式名称は、現在は、「国民体育大会」2024年からは「国民スポーツ大会」に変わり、略称は「国スポ」らしい。

国体では、個人の順位というのも当然あるが、それとは別に「男女総合成績」というものがある。国体は冬と夏に行われており、冬(男女)と夏(男女)の成績の合算が総合成績になる。

男女総合優勝は「天皇杯」、女子総合優勝は「皇后杯」となっている。

そして、開催地だけではなく各都道府県は、男女総合成績で一位、つまり天皇杯を目標に頑張ることになる。

開催地=総合優勝が当たり前?

国体と言えば、開催地が総合(天皇杯)優勝というのが、当たり前のようなイメージがある。

過去の大会の履歴を数えてみると、第18回大会までは東京都ばかりが天皇杯または皇后杯のどちらかに名前が出ていた。

その後、第19回大会から第56回大会までは連続して開催地が総合優勝を果たしている。

この習慣を断ち切ったがの第57回高知大会だったが、第58回大会からは第70回大会まではまた開催地優勝に戻ってしまった。

ちなみに、第71回から72回までは東京都、第73回~第74回までは開催地優勝で第75・76回大会は新型コロナのため中止、そして今回の第77回は?以下の通り。

  1. 東京都(2436点)
  2. 栃木県(2270.5点)
  3. 埼玉県(1932.5点)
  4. 愛知県(1766点)
  5. 大阪府(1737.5点)
  6. 神奈川県(1659.5点)
  7. 千葉県(1490.75点)
  8. 福岡県(1380.5点)
  9. 北海道(1348.5点)
  10. 京都府(1332.5点)

【出典】天皇杯/皇后杯 総合得点一覧表

総合優勝は東京都で、栃木県は2位となっている。

10位以内の都道府県は、人口の多いところばかり。

参考までに、石川県は28位。

そして今回、2位だった栃木県は、人口200万人位で、人口の多さだと丁度、真ん中位。

 

人口も多くて、スポーツも盛んだと思われる大阪が、5位で、神奈川が6位なので、人口では劣っている栃木県は、それを超えていることになる。

おそらく、普通に開催すると夏は人口が多い東京都、冬はウィンタースポーツが強い北海道ばかりが優勝してしまうのだろう。

国体の得点方式

それだと面白くないということで、何とか、ならないかと考え出された仕組が今の得点方式。

では、どのような仕組みになっているのかというと、国体競技ガイドに記載されていた。

都道府県対抗で行われる国体では、冬季大会と本大会を合わせて 40の正式競技が行われ、各競技で8位以内に入賞すると競技得点が与えられます。

また、大会(ブロック大会への参加を含む。)に参加すると、参加得点が与えられます。
 競技ごとに競技得点と参加得点を合計して競技別総合成績が決定します。その競技別総合成績を合計して、男女総合成績と女子総合成績を決定し、第1位の都道府県には、それぞれ天皇杯皇后杯が授与されます。 

次のア、イの得点を合計したものを男女総合成績(天皇杯得点)及び女子総合成績(皇后杯得点)
とする。

●男女総合成績(天皇杯)= 冬季大会(3 競技)+本大会(37 競技)

●女子総合成績(皇后杯)= 冬季大会(2 競技)+本大会(34 競技)

【出典】国体競技ガイド_19_総合成績について.pdf

しかし、得点の明細がまとめられたものが見つからない・・・

仕方ないので、自分でまとめたのが以下になる。

【出典】総合成績 競技別種別得点 | 第77回国民体育大会いちご一会とちぎ国体2022

参加点は国体に参加するだけで、全ての競技で全都道府県に対して10点が加算されていた。

つまり、47都道府県全てに加算されることになるので参加点に関しては意味がない。

そうすると、ランキングの差は純粋に競技別の得点の差だということになる。

東京都は剣道とボーリング以外では全て19位以内

夏の37種目の内、22競技が得点が加算される8位以内

しかし、栃木県も負けてはいない。21競技が8位以内という結果だった。

つまり、得点の仕組みだけではないことになる。

国体で栃木県が強い理由は?

そもそも、8位以内にならないと差別化が難しいので、なぜ、栃木県が21種目も8位以内という結果を達成できたのか?

ここにも、カラクリがある。

夏の公式競技に最も多く参加していたのは東京都と栃木県。

他の道府県は、全ての競技に参加しているわけではなかった。

たとえば、ラグビーフットボール、高等学校野球公式、高等学校野球軟式は8つの都道府県しか参加していない場合があった。

栃木県は、開催地なので当然、参加している。

そして8チームしか参加していないので、8位以内が確定

開催地は地元ということで遠方から来る必要がないので、参加しやすい。

そういう地元の理を活かすことで得点を稼ぐことができる。

更に、競技によっては、他県から強い選手を国体までの間、栃木県で暮らし住民票を一時的に移動していると思えるものもあった。

これは、いくつかの競技で栃木県の選手を見ると出身が栃木県以外の人が何人かいたからだ。

まぁ、これは、たまたまで、国体のために住民票を移動したのかどうか?までは判断できないが・・・

可能性はないとも言えない。

そうすると、国体開催地というのは、ここまでしても、絶対に優勝しないといけないという何かがあるのだろう。

国体の仕組みを変えるべき

普通に行えば夏は東京、冬は北海道が優勝を独占してしまう。

それだと面白くないからと今のやり方に変えると、開催地が優勝するような仕組みになってしまう。

国体の目的が、「広く国民の間にスポーツを普及し国民の体力向上を図るとともに,地方スポーツの振興と地方文化の発展に寄与すること」なので、地方スポーツの振興という面では寄与しているのかもしれないので、これを責めるつもりは全くないが、何となく、出来レース的な面も感じられてしまうので、都道府県別に競うというのはやめて、個人別で行った方が良いのではないかと思う。