将棋の藤井聡太セレクトの「おやつが話題」
2021年6月に将棋の藤井聡太五冠が対局中のおやつに「ぴよりんアイス」を食べたことで一時ホームページのサーバーがダウンするほど話題になった。
「ぴよりん」は名古屋発祥の人気スイーツで、「名古屋コーチン」の卵を使ったプリンをババロアで包み、スポンジクラム(粉末状にしたスポンジ)をまとわせ、チョコレートのパーツを飾ってひよこ型に仕上げたもの。
これを名古屋マリオットアソシアホテルのシェフが手作りでアイスにしたものが、「ぴよりんアイス」になる。
これがキッカケで、藤井聡太が選ぶ「おやつ」が注目されるようになった。
2021年9月13日には、スポンジとキャラメルクリームで仕上げたクマの顔のカップケーキ「コロコロしばちゃん」2021年10月22日には、室町時代の僧・一休が製法を伝えたとされる「一休寺納豆」をあんに混ぜたクマの形をした「くま最中」、2022年7月15日は、ビスタチオのムースには、オレンジ風味のカスタード、スライスしたイチゴ・ベリー等のジュレが入ってカッパのゆるキャラ「かっぽん」を模り、ケーキの上に乗せた「かっぽん ベリー・ピスターシュ」が話題になった。
「おやつ」に制限はないのか?
日本将棋連盟によれば、対局中の食事・おやつの基準は、「主催者が開催地と相談して決定」しているということなので、主催者と開催地で決めることができるようだ。
富士宮市では「おやつ候補」コンテスト
そんなことから、2022年10月28、29日に富士宮で指される竜王戦7番勝負第3局の盛り上げに向けて、富士宮市は「街おこし」で藤井聡太竜王と挑戦者の「おやつ候補」を募集したところ、和菓子と洋菓子で計38品が集まった。
そして、2022年8月9日、藤井聡太竜王と挑戦者の「おやつ候補」を決めるコンテストの投票受け付けが始まった。
投票は、市役所1階に投票箱を設けたほかインターネットで受け付けている。
38品目は以下の通り。
和菓子部門
- 手作り芋けんぴ(芋工房かくたに )
- 富士山くさもち(お宮横丁 むすび屋)
- 地酒まんじゅう 富士山(牧野酒造合資会社)
- 富士の湧水 黒みつ豆腐(富士の菓子処 藤太郎)
- 秋のあんみつ (あんみつ わたなべ)
- 富士の層雲(ふじのそううん)(新月堂)
- 桜えび 小丸(蒲貞蒲鉾店)
- (特選羊羹「精進川」(上野製菓株式会社「あさぎり工房」)
- 【名物】富士の草大福(朝霧高原もちや)
- 「森林限界を越えて」(華月×富士宮高校会議所)
- 富士のくに雲海ゼリー(富士見荘)
- さつま芋クリームの玄米だんご(柚野商店)
洋菓子部門
- のむプリン(光月堂)
- モンサンフジ (MONT SAINT FUJI)
- どらサンド(株式会社お菓子の家もちのき)
- 純真米粉 ロールケーキ(農民カフェてまり茶屋)
- わすれられない。極上チョコテリーヌ(お菓子と珈琲 赤池商店)
- ロマンス(お菓子の国明月堂)
- 洋梨とブルーベリーのクリームフロマージュ (Cafe Restaurant Mioritomo)
- フルーツたっぷりズコット(ボンヌ・ジュルネ)
- ミルキーなれんにゅうぷりん(dimanche matin)
- ヤオヤノフルーツサンド(望月商店)
- 幻の!!『黒いちじく』シュークリーム(モウデルコーヒー)
- ヒレかつサンド(とんかつ和食店堀うち)
- メロンシャンテ(マルキーズ洋菓子店)
- あんバター(百姓のパン工房)
- カスタードプリン(choricapo coffee チョリカポ珈琲店)
- ふじのくにミニプレミアムヨーグルト加糖(富士の国乳業株式会社)
- ジャージープリン(Sweetee)
- Fuji-san(フルーリス洋菓子店)
- タヌキのケーキ(長崎屋洋菓子店)
- クルミ入りバナナケーキ(アンジュローブ)
- いちごスムージー(富丘佐野農園(株)れっどぱーる)
- 和栗のモンブラン(Patisserie Yayoi)
- まきばロールケーキ(富士ミルクランド)
- 3色プチタルト(カルム)
- あさぎりバタークッキー (朝霧乳業株式会社)
- まかいの牧場 富士山プチチーズケーキ(まかいの牧場)
キャラクターを模ったお菓子が話題
これまで話題になったのは全て、キャラクターを模ったものになる。
今回の38品目でキャラクターを模ったものは、和菓子だと、富士山くさもち、洋菓子だと、モンサンフジ、タヌキのケーキの3種のように見えた。
しかし、残念ながら、見た目的には、これまで話題になったような完成度が高くないので、「かわいい」といったインパクトが感じられない。
しいて選ぶなら「タヌキのケーキ」かな?と思った。
ホームページで公開されている写真が綺麗に撮影されていないのが残念だった。
写真が良ければ、完成度が高いと感じたのかもしれないので、もう少し写真に力を入れて欲しかったように思う。
このため、写真を見る限りでは、投票したいと思えるものはなかった。
話題より「街おこし」を選んだ富士宮市
富士宮市も、単に話題になるようなお菓子を用意するというのであれば、有名な和菓子店、洋菓子店があると思うので、そちらとコラボしてキャラクターを模った、限定商品を作るという選択もあったと思うが、それで話題になったとしても「街おこし」とは言えない。
「街おこし」なら地元のお菓子店の商品を紹介して、市民に選んでもらうというのは、とても面白い企画だと思った。これをキッカケに地元だけではなく、全国的にも、富士宮市のお菓子に注目してもらえれば富士宮市とすれば大成功だと思う。
今後の展開に期待したい。