子供の頃
秘密基地を作ったことがあるという人は多いのだろうか?
そして、秘密基地というと、作ったことがない人は、下図のように木の上に小屋を作ったようなものをイメージするのではないだろうか?
しかし、現実は、そんなに甘くなくて、木の上に小屋を作るなんて凄く大変なことになる。
このため、実際に作れるものは、下図のようなものになる。
草むらの中の秘密基地
草むらの中に平地を作って、そこに基地を作ることになる。
具体的には、自分の背より高いくらいの草むらの中に入って草が塀になるようにして、基地を作る場所の草を倒していく。
すると、外からは草むらにしか見えないが中には建物があるという、まさに秘密基地が出来上がる。
草を倒して基地までの通路も作らないと建物を作るための材料を運ぶのが大変だ。
草の葉っぱでも、触れる角度によっては、カッターの刃のように指や腕に切り傷ができてしまう。
基地を作るときの条件は落ちているものだけで作るということ。
買ってきたり、家から持ってくるということはしない。
割れたコンクリートブロックを持ってきて椅子にしたり、壊れて捨てられているラジオやテレビなどを持ってきて司令室のような感じを作ったりもした。
ドラム缶や一斗缶も子供の頃は空き地などに普通に捨てられていた。
今だと不法投棄だと大騒ぎになってしまうかもしれないが、子供の頃は今では不法投棄と言われているものさえ遊び道具になっていた。
学校から帰ってきて、特にやることがない時に、ふらっと秘密基地に行って、基地の中に入る。
最初は、草むらの中にある基地内に一人というのは怖かった。
ちょっとした物音にも敏感になっていたが、繰り返している内に、慣れてくるもので、その内、基地内に一人でいるのが心地よくなってきた。
猫が好んで、狭い場所で寝る気持ちと同じなんだろうと勝手に思っている。
大人になったら隠れ家
秘密基地の居心地の良さが大人になっても忘れられなくて、「隠れ家」を求めるようになるのかもしれない。
子供の時は秘密基地、大人になると隠れ家と名前は変わっても実質的には同じなんだと思う。
隠れ家と聞いて、気持ちがザワザワした人は隠れ家を求めている人だと思う。
隠れ家が名前に含まれてある店が目立つようになっている。
隠れ家であれば、看板は出して欲しくないし、インターネットで検索しても出てこないようにして欲しいというのは、勝手な言い分だと重々承知している。
それでも、路地裏など人目のつかない場所に看板もなくひっそりとある店で、中は暗い感じでいつ行っても客は誰もいない。というのが隠れ家の理想像だと思う。
高層階の隠れ家
自分の中では、それは高層階のホテルで道を歩いている人が見えないくらい、救急車や消防車が走っていても音が聞こえないような静かな空間が隠れ家になっている。
ホテル自体には看板はあるが、部屋には部屋番号しかない。
ロビー階には人が多くてもエレベーターで高層階に上がれば、ほぼ人はいない。
視線を気にすることなく精神的に解放される場所。
自分にとっては、完璧と言える隠れ家だ。
そして、気持ちをリフレッシュするのに、隠れ家は必要不可欠な場所になっている。