北朝鮮の通貨って何?
先日、北朝鮮って通貨あるんですかね?って話になった。
そう言われて、即答できなかった。
韓国がウォンなので、北朝鮮もウォン?っと一瞬考えたが、北朝鮮の通貨が仲が悪い韓国と同じはずがない。
次に浮かんできたのが、共産主義の国だから通貨自体ないのでは?ということ。
しかし、北朝鮮も貿易は行なっているので、通貨がないなんてことはないだろう。
朝鮮「民主主義」人民共和国?
もう一つ、北朝鮮=共産主義だと思い込んでいたが、北朝鮮の正式名称は、朝鮮民主主義人民共和国。
それどころか、国名には、しっかりと「民主主義」と記載されている。
北朝鮮って民主主義だったのか?
こうやって、考えてみると「北朝鮮」のことを何も知らない。
知っているのは、日本に侵入して日本人を拉致して自国に連れ去って、その後の消息がわからないと言い張っている。
批判をすれば、日本海に向かってミサイルを撃ち込んでくる、何をするか、わからないような反社会勢力のような国だということ。
しかし、これだって実際に見たわけでも直接、北朝鮮から聞いた情報ではないので真実かどうかは自信がない。
知らないことが、多すぎる北朝鮮。
どこから、調べようか?
国名の由来は?
やはり、最初は国名で「朝鮮」から。
朝鮮という漢字からは、朝と新鮮の「鮮」なので、拉致やミサイルといった暗い印象ではなく、むしろ、爽やかな感じがする。
朝鮮の「朝」という文字は「東方」を示すらしい。
おそくら、太陽は「朝」になると東から登ってくるので東方なのではないだろうか?
「鮮」は「鮮明」という意味のようで、朝日が「鮮明」になる場所ということなので、朝鮮と言われるようになったという説がある。
他にも説はあるようだが、個人的には、この説が一番、しっくりくる。
次に「民主主義人民」って何?って感じだが「人民民主主義」のことを指しているようだ。
人民民主主義というのは、中国では「新民主主義」といった意味合いで使われていたようだ。
共産主義とは?
共産主義は、資本家と労働者の関係を無くそうというところから始まる。
資本主義は、資本(設備や会社)を所有しているものと、資本家の元で働く労働者の関係で成立するものであり、資本家は労働力を使うことなく利益を得て、労働者は労働力を使うことで資本家から賃金を得ることになる。
資本家は、多くの利益を得て、労働者はわずかな賃金を得る。
マルクスが、資本主義は平等・公平ではないと否定して、新しい経済システムを提唱した。
それが共産主義になる。
資本主義では、自由競争のため、どうしてもモノ(会社・設備)を所有している者と、所有していないものに別れる。
そうすると、両者の間には支配関係が生まれ格差が生じてしまう。
これを解決するためには、全てのモノをみんなで共有する必要があるというのがマルクスの唱えた共産主義になる。
共産主義では全てのモノが、みんなのもので、国も会社もなく、個々の利益が最大化している状態だという。
まるで、家族のような考え方になる。
いや、家族でも、そこまで極端ではないので家族の関係を超えた考え方になる。
人民主義→社会主義→共産主義
このため、いきなり、共産主義を実現するのは難しいということで、まずは国が全てのモノを所有し全ての人に平等に配分する社会主義を前段階とすることを提案している。
社会主義では、全ての人を公務員として雇い、国が計画して必要なモノを必要なだけ作らせる。そして給料を平等にして配分する。(これを計画経済という)
共産主義を目指すのが社会主義であり、社会主義を目指すのが人民主義になる。であり、その前の段階が、資本主義という考え方になる。
民主主義とは?
ここまで「民主主義」という言葉の説明が、なかった。
資本主義、社会主義、共産主義というのは経済体制であり、これに対して、民主主義は政治体制になる。
自分は、民主主義=資本主義だと思い込んでいたが、民主主義であっても、社会主義は成立する。(共産主義は国という概念さえなくなるので、政治体制自体が不要になるものと思われる)
では「人民民主主義」って何か?と言われると、人民は「労働者階級」のことを指す。
人民=労働者階級の解放という目的のために、人民の権力を集中する政治体制になる。
一言で言えば、労働者階級が国の全てのことを決める人を選んで、労働者階級が決めるという政治体制なので、労働者以外は政治に関与することができないことになる。
共産主義を実現するためには、資本を持たない労働者階級が資本家よりも優位な立場にならないといけない。
それを実現するのが「人民民主主義」になる。
独裁主義になってしまう社会主義
そんなことから、人民民主主義は社会主義国家建設の第一段とされていたが、真の人民民主主義を実現することは出来ていない。
北朝鮮がそのよい例であり、朝鮮民主主義人民共和国という名前ではあるが、北朝鮮は民主主義とは名ばかりで、金一族による独裁政治なので、国民に選挙権も被選挙権もない。
中国も中国憲法の第1条で、「中華人民共和国は、労働者階級が指導し、労働者、農民の同盟を基礎とする人民民主主義独裁の社会主義国である」と記載されている。
中国での人民も「労働者階級」になる。
しかし、実際は、中国共産党による独裁主義のようになっているのが実情だ。
以上が国名に関する説明になる。
北朝鮮の通貨は?
話が長くなったが、北朝鮮の通貨は、「ウォン」になる。
韓国の「ウォン」を韓国ウォンと呼び、北朝鮮の「ウォン」は北朝鮮ウォンということになり、双方に兌換性(だかんせい)はない。
北朝鮮人民のみの流通に限定されており、外国人は使用することができない。
世界で最も価値が低い通貨と言われている。
紙幣と硬貨があり、金日成国家主席の肖像が用いられている紙幣は折ると敬意を欠いた行為となる。
紙幣
- 5ウォン券
- 10ウォン券
- 50ウォン券
- 100ウォン券
- 200ウォン券
- 500ウォン券
- 1000ウォン券
- 2000ウォン券
- 5000ウォン券
硬貨(100チョン=1ウォン)
- 1チョン(アルミニウム貨)
- 5チョン(アルミニウム貨)
- 10チョン(アルミニウム貨)
- 50チョン(アルミニウム貨)
- 1ウォン(アルミニウム貨)
今回、北朝鮮のことを調べるのに、書店も見て回った。
海外旅行の時のバイブルとも言える「地球の歩き方」でも「北朝鮮」は発行されていない。
入念に見て行った結果、北朝鮮のガイドブックが1冊だけあった。
内容はほとんど、会話に関する内容で、ガイドブック的要素の内容はほとんどなかった。