「つゆ」という漢字は?
うどん・蕎麦・素麺を食べる時に欠かせないのが、「つゆ」
ここで、ふと「つゆ」って漢字で書くとなんだろう?「梅雨」「露」という漢字は直ぐに思い浮かぶが、これらは明らかに違う。
実は「汁」と書いて「つゆ」と呼ぶようで金沢では、「みそ汁」のことを「おつゆ」と言ったりしていた。
なぜ、みそ汁が、おつゆなんだろうと思ってはいたが、ようやく繋がった。
「つゆ」は麺ごとに違う。
うどんを、蕎麦つゆで食べたらどうなるのか?
逆に、蕎麦をうどんつゆで食べたらどうなるのか?
そもそも、どこが違うのだろうか?
麺には「つゆ(汁)」だけではなく、「だし」も存在する。
これ、軽く考えていたが、意外と奥深いのではないだろうか?
「だし」は「出汁」とは違う
まず簡単そうな「つゆ」と「だし」の違いから確認してみた。
関西でいう「だし」は「出汁」のことではない。
「出汁」というのは、鰹節や昆布などを煮出した汁のことになる。
そして、「出汁」に醤油・みりんなどを少量混ぜたものが「だし」になる。
金沢ではと言えるかどうかは、わからないが、麺とは別の器に入れる場合は「つゆ」、麺と一緒の器に入れる場合は「だし」と呼んでいた。
「つゆ」は飲まないが「だし」は、飲む。
「つゆ」は味が濃いが「だし」は、丁度よい。
麺を「つゆ」に浸けて食べる場合は、どうしても濃い味になるが、「だし」は飲むので丁度良い味になる。
関東では温かい・冷たい汁を問わず「つゆ」なので「濃い」
これに対して、関西では、温かいと冷たいで分けているのかもしれない。
温かい汁の場合には「だし」、冷たい汁の場合には「つゆ」ということだ。
つゆの違い
次に麺による「つゆ」の違いを確認する。
うどんつゆ(2人分)
- 「水」 200cc
- 「しょうゆ」 大さじ1
- 「みりん」 小さじ1
- 「砂糖」こさじ1
- 「顆粒和風だし」 小さじ1
そばつゆ(2人分)
- 「水」 500cc
- 「しょうゆ」 大さじ4
- 「みりん」 大さじ4
- 「酒」 大さじ1.5
- 「顆粒和風だし」 大さじ0.5
こうして比較してみると、そばつゆは「しょうゆ」「みりん」の量が多い。
しかし、定番というレシピがあるわけではなく、作り手が変わるとレシピも変わっているので、上記がスタンダードというわけではないが、うどんつゆは、そばつゆよりも味も見た目も薄いということではないかと思う。
和風だし
顆粒和風だしには、「ほんだし」と「いりこだし(煮干しだし)」があって、「ほんだし」は「カツオ」を乾燥させて粉末にしたもので、「いりこだし」は「イワシ」を乾燥させて粉末にしたものになる。
ほん出汁は、うまみ成分・香りに優れているので、あっさりした具材・味で使用し、いりこ出汁は、うまみ成分以外にも苦みも含まれているので、具がたくさんあったり、濃い味の場合にコクが生まれる。
このため、うどんつゆには、「ほん出汁」が使われ、そばつゆには、「いりこ出汁」が使われることが多いのではないだろうか?
最近は、もう一つ、「あご出汁」が注目されている。
「あご出汁」というのは、「飛び魚」から取った出汁になる。
九州では「飛び魚」のことを「あご」と呼んでいることから「あご出汁」となったようだ。
飛び魚は、風を利用して海面を時速60キロもの速さで飛ぶ。
あご出汁は、上品かつスッキリとした甘みがあり、出汁のなかでも高級なものになっている。(飛び魚の卸価格は900円/Kg程度)
これは、飛び魚が他の魚に比べて運動量がとても多いので脂肪分が少ない。
このため、青臭さが少ない。
長崎では、丸あごと言われる「飛び魚」が水揚げされている。
このため、長崎の有名な「五島うどん」は「あご出汁」が使われている。
まとめ
話が長くなってしまったが、まとめると、「出汁」を使って「だし」や「つゆ」を作る。
「つゆ」は薄めないと飲めない程、濃く作り、「だし」はそのまま飲める程度の味付けにしている。
とまぁ、こんな感じなのではないだろうか?