マクドナルドのドライブスルー
朝食を食べていなかった。
時間は午前10時。
「ブラック・マクドナルド」のドライブスルーメニューの前には車は1台もいなかった。
ブラック・マクドナルドというのは、自分の評価で最も「ブラック」だと感じさせてくれた店舗に与えている称号になる。
黒の星3つが与えられた店舗は、ここ以外にはテイクアウトの注文を忘れていたことに加え、受け取るために店員を呼んでいて目が合っていても雑談に盛り上がっていて無視したあげく、謝罪の言葉も、ありがとうございますの言葉も無かったことを始めとして数々の逸話を持っている某うどんチェーン店の、ブラック・うどん(仮称)だけだ。
「ブラック・うどん」には、称号を与えてからは一度も行っていないので仮称とした。
普通は、嫌な思いはしたくないので称号を与えるほどの店舗であれば、行けるものではない。
しかし、このブラック・マクドナルドは、また行ってみたいという気持ちにさせるところが凄い。
とは言っても車が何台も並んでいたら利用するつもりはなかった。
もう一つ、ブラック・マクドナルドに何か変化があったか見てみたいという気持ちもあった。
いざ、ブラック認証店へ
そんなことから、ドライブスルーで利用してみることにした。
車をメニュー看板の横に着けたが、スピーカーからは何も聞こえない。
暫くすると「暫くお待ちください」と、素気ない声が聞こえてきた。
ブラック・マクドナルドの店員さんは素っ気ないのがスタンダードなので、驚くほどのことではない。
それでも、そんな風に言われると空いている時間帯にドライブスルーを利用した、こちらが悪いような気になってしまう。
昔はマクドナルドと言えば、スマイルゼロ円と言われるほど、愛想が良い店員さんが多かったものだが、ブラック・マクドナルドでは、その面影はなく、素っ気なさゼロ円って感じだ。
ドライブスルーは車は1台もおらず空いていたが、店内は混んでいるのだろうか?と思いつつメニューを見ていた。
定番メニューがない
メニューを見ていて思ったのが、ハンバーガー、てりやきマックバーガー、チーズバーガー、フィレオフィッシュといった定番のメニューがない。
あったのは、「おすすめメニュー」という中に、ソーセージエッグマフィン、エッグマックマフィン、あと帰ってきた「チキンタツタ」だけで、フライドポテトさえメニューには表示されていなかった。
自分のイメージでは以下のような感じのメニューだった(笑)
変わった点を見つけた!
また、客のことを考えないスタンスが強化されたようだ。
しかし、マックフライポテトはSサイズしか提供できないとか騒がれていたが、ついにマックフライポテト自体が提供できなくなったのだろうか?
いや、そんなはずはない。
そんなことになれば、ネットで騒がれてマスコミが取り上げるはずだ。
これはブラック・マクドナルドの新たな戦略だと思う。
メニューにないものは注文しにくいという客の心理を利用しているのだろう。
メニューに書いてないものは価格もわからないので注文しにくい。
店側とすれば、材料の仕入れも少なくできるし、作る方も楽だろうから、店側にはメリットしかない。
しかし、何も心配することはない。
これが、ブラック・マクドナルドなのだ。
メニューには表示していないが、注文してくれれば対応する。
メニューにないものは注文できないとは記載していないし、注文してもらえれば、しっかり作ります。
それでも、注文しないのであれば、店側の責任ではない。
客側に責任を感じさせるのが、ブラック・マクドナルドのサービスなのだ。
これがマクドナルドのドライブスルーだ!
もう何年も前になるが、マクドナルドのドライブスルーで1人でセットメニューを注文して酷い目にあったことがある。
商品ができあがったということで店員さんが手渡してきた。
車には一人しかいないにも関わらず、紙袋に入った商品とドリンク単体を一緒に渡してきた。
しかもドリンクに至っては、ドリンクトレイなしで渡してきた。
そんなことをされると、こちらは両手が完全にふさがってしまう。
両手がふさがった状態で、どうしろというのだろうか?
車のドリンクホルダーが空いていればドリンクをホルダーに収納して何とかできたが、運悪く、飲みかけのものが入っていた。
焦った・・・
ドリンクを置くところがない。
どうしようか?と困っていると、店員さんはロボットのような声で「ありがとうございました」とだけ言って、見送ることもしないで受け渡し口の窓を閉めて、その場から立ち去ってしまった。
これではドリンクトレイを要求する暇もない。
問い合わせ対応も完璧
このことを日本マクドナルドに伝えたことがある。
すると、以下のような回答をされた。
「ドリンクトレイは、お申し出頂ければ、お渡ししております」
日本マクドナルドも、こちらが申し出ていないのが悪いという感じに持って行く定跡対応だ。
この親にしてこの子ありってことだ。
教育システムも素晴らしい
申し出る暇を与えない店員さんの手際の良さと、そんな風に育て上げる見事な教育を行っている、マクドナルドの教育システムには感服するしかない。
そうすると、マクドナルドのドライブスルーで一人の場合はセットメニューは絶対に注文しないという一択になる。
これが、マクドナルドのドライブスルーだ(笑)
注文すると・・・
そんなことを考えていると「ご注文をどうぞ」と何もなかったのようにスピーカーから素っ気ない声が聞こえてきた。
普通の店なら「お待たせしました」という言葉が最初にあるものだが、マクドナルドに、そんな言葉を期待するのは野暮というものだ。
メニューにないものを注文してみようかとも思ったが、これ以上、気分が悪くなるのは耐え難かったので、無駄な抵抗はせずに、メニューにあるものだけを注文した。
まるで「おとなしくしないと、気分を悪くするぞ!」と「イライラさせる波」を放たれた気分になった。
注文の品を全て伝えて「以上です」というと、まるで、これだけの注文のために呼び出さないで欲しいといった感じで料金を伝えられた。
ここまで、心が安らぐことなんてなかった。
注文するだけで、こんな気持ちになる店はない。
ブラック・うどんは自然に出来たと言えるので偶然の賜物だが、ブラック・マクドナルドはこれまでのノウハウなどを結集して作り上げたものだ。
このため、世界展開しようと思えばいくらでも展開できる状態にあるのだ。
さすが、ブラック・マクドナルド、他店とはレベルが違う。