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生産緑地の「2022年問題」

生産緑地

生産緑地というのは、簡単に言えば、税金面で軽減措置が講じられている市街にある農地のことになる。

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30年間は農地・緑地として土地を維持する制約を受けてもらえれば、税制面で大幅な優遇(1,000㎡あたり数千円程度)を受けることが可能になる。

これが宅地の場合で坪単価約40万円と仮定すると、約417万円の固定資産税が請求される。

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固定資産税だけではなく、相続税も1000円程度になる。

○市街化区域内の農地で、良好な生活環境の確保に効用があり、
 公共施設等の敷地として適している500㎡以上*1の農地を都市計画に定め、
 建築行為等を許可制により規制し、都市農地の計画的な保全を図る制度です。
○市街化区域農地は宅地並み課税がされるのに対し、生産緑地は軽減措置が講じられます。          
  *1 市区町村が条例を定めれば、面積要件を300㎡まで引き下げることが可能。

【出典】公園とみどり:生産緑地制度 - 国土交通省

生産緑地に関する法律が改正された。

その中に、農作物等加工施設、農作物等直売所、農家レストランの設置が可能になったという項目や、都市計画決定後30年経過したものについては、土地所有者が生産緑地ではなくなっていたが、今回の改正で10年間延長することが可能になった。

○ 平成29年5月に生産緑地法の一部が改正されました。
  改正の主な内容は、下記のとおりです。
  1)生産緑地地区の面積要件(500㎡以上)について、
   市区町村が条例により300㎡以上に引下げ可能としました。
  2)生産緑地地区内において、農作物等加工施設、農作物等直売所、農家レストランの設置を可能としました。
  3)生産緑地地区の都市計画決定後30年経過するものについて、
   買取り申出可能時期を10年延長できる特定生産緑地制度を創設しました。

【出典】公園とみどり:生産緑地制度 - 国土交通省

2022年問題

2022年に、8割の生産緑地が、30年を経過することになる。

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土地を利用していない者にとっては、優遇されているとはいっても、農地などとして活用していなければ、農地として管理しないといけない、自由に売却もできないといった制約を受けた上に、僅かな額とは言っても固定資産税だけを支払い続けてきたことになる。

何より、一度、生産緑地として指定されてしまうと、指定を解除するには、30年経過するか、主たる農業従事者が死亡した場合、または農業に従事できなくなった場合といった時しかできない。

自分の土地なのに、固定資産税で優遇を受けるだけで、面倒な制約を受けるのであれば、30年を過ぎたタイミングで、10年の延長はせずに、売却してしまおうという人が増えるのではないか?と言われている。

現在、三大都市圏の市街化区域内農地の約5割が生産緑地になる。
そして、2022年には、生産緑地地区の約8割が、30年を経過することになる。

市街地にある、大量の土地が一斉に売却されると土地価格の暴落が予想される。

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土地価格暴落より心配なのは

農地は宅地になれば戻すことはまずない。

これは、日本から農地が減ることを意味する。

しかも、大量に減ることが予想される。

日本は工業を賃金の安い国へ渡してしまい、農地は宅地にしてしまうことになる。

土地を売って、アパート・マンションにして不労所得が入るようにしようと考えてしまう人も多いと思う。

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日本は自分達で「作る」ことを捨てて、作ってもらったものを「買う」スタイルに変わっている。

工業の技術を外国に渡し、農業の技術も失うことになれば、日本からモノ作りの技術を、また一つ失うことになる。

レンチン食品が料理技術を衰退させる

今は、冷凍食品ではなく、レンチン食品が、凄く進化している。

食事するものを最初から作ろうとすれば材料を揃えてして下ごしらえをしないといけない。

材料も使い切れないので余ったら捨てないといけない。頑張って作っても美味しいとは限らない。

レンチン食品は、レンジに入れて待つだけで、手間もかけずにおいしく食べられる。

子供に至っては家で作るチャーハンより、レンチン・チャーハンの方を喜ぶ場合もあるとか。

レンチン・チャーハンは簡単に作れるからといってバカにしてはいけない。

専門の人が時間をかけ、考えて、試行錯誤の末、完成させた自信の一品だ。

レンチン・チャーハンだと1分から6分程度で作れてしまう。

この間は他のことができるので、効率は凄く良い。

それでも、会社から帰って来て、疲労と戦いながら作ったものより美味しく、油を使わないのでキッチンも汚れず、洗い物も少なくなるので、良いことばかりだ。

これでレンチン食品を選ばない理由はない。

しかし、簡単にできてしまうため「料理」をしなくなる。

人はレンチン食品で楽を覚えることで、「料理」の技術を失うことになる。

食物連鎖への影響

今後、長い目で見れば「食糧不足」の方向に進むように感じている。

温暖化により自然災害が増えれば、野菜・果物の収穫に影響が出るのは間違いない。

植物が育たなくなれば、それを食している動物も減少することになる。

その動物を食べている動物にも影響する。

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このままでは、生態系の変化が食物連鎖に影響を与えることは避けられない。

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以上から、世界規模で食糧不足の方向へ加速していくはず。

その時に、農業の技術を失ったのでは、生きていくことができないことになる。