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もっと早く教えてくれよって思った内容を書いていきたいと思います。

「寅」と「虎」の違い

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旧年中は、ひとかたならぬご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

寅と虎の違いについて

今年は寅年ですが、「虎年」とは書かずに、「寅年」と書きます。

「寅」と「虎」の違いは、ご存じでしょうか?

違いを説明するために、まず、「干支」について知る必要があります。

干支とは?

「干支」は正式には「十干十二支(じっかんじゅうにし)」と呼びます。

幹枝(干=幹、支=枝)→干支になります。

干は日を数える数詞、支は月を数える数詞になります。

  • 十干:甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸
  • 十二支:子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥

1ヶ月(30日)を上中下旬の3つに分けると1旬は10日となります。

また漢字は草木の成長過程を10段階に分けて示したものです。

十二支も同様に草木の成長過程を12段階に分けて示したものです、これに動物の名前を当てはめています。

干・支、どちらも数詞になるので、干だと、甲が1番で、癸が10番ということになります。支だて子が1番で亥が12番になります。

「甲・乙・丙」という文字に見覚えは、ないでしょうか?

危険物取扱者の資格試験で使われていますよね。

甲種、乙種、丙種です。

契約書でも、甲は乙に対して・・・といった感じで使われていますよね。

甲が1番、乙が2番ということから、「甲乙つけがたい」という言葉は、今でも使われています。

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ようやく、寅と虎の話になりますが、寅というのは、「演(のべる)」という漢字から「さんずい」を取り去った文字で、前後左右に大きく「伸びる・広がる」ことを意味します。

植物の状態だと、寒中の土の中で紐び(むすび)屈していた草木の芽が陽春の暖気に養われて地上に伸び長ずる姿を象徴しています。

寅という植物の状態を示す漢字からイメージされる動物として虎が選ばれて、当てはめたってことになります。

十干で使用している漢字も、元々は草木の成長過程を表していた漢字が使われていましたが、これを文字が読めない人でも覚えやすいようにということで、甲・乙・丙・・・と簡単な漢字に置き換えたのです。

陰陽五行

十干は、更に変化させて陰陽五行を当てはめました。

五行には相性(そうしょう)という考え方があります。

木と木の摩擦により火が生じる。

火により木が燃え尽きると灰(土)になる。土の中では金属(金)が生じる。金の表面には結露により水滴が付着する。昔の方は、結露という仕組みを知らなかったので、金から水が生じたように見えたのだと思います。そして水により木が生じます。

木→火→土→金→水→木と循環する。

このように、一つのモノが別のモノを生み出すことを相生と言います。

そして、木火土金水の順序で巡っていけば何事もうまくいくと考えたのです。

※相生とは逆の「相剋(そうこく)」もありますが、ここでは省略します。

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十干を陰陽五行に当てはめる

こうして、木火土金水の順序が出来ました。

  • 木(陽と陰)
  • 火(陽と陰)
  • 土(陽と陰)
  • 金(陽と陰)
  • 水(陽と陰)

これに十干を当てはめると、木の陽=甲、木の陰=乙・・・水の陽=壬、水の陰=癸という感じになります。

そして読み方を、以下のように読むように決めました。

  • 木:き
  • 火:ひ
  • 土:つち
  • 金:かね
  • 水:みず

陽と陰は以下のように読むように決めました。

  • 陽→兄(え)
  • 陰→弟(と)

以上から、甲は木+陽なので、「き」の「え」、乙は、木+陰になるので「き」の「と」、丙は火+陽なので、「ひ」の「え」、丁は火+陰なので「ひ」の「と」といった具合に読むことになります。

そして、十干、十二支を組み合わせて60日周期で日数を数えられるようにしたのが干支になります。

十干十二支で60種類?

ここで、おやっ?と思われた方もいるかもしれせん。

十干と十二支なので、10種類と12種類の組み合わせです。

だったら、10×12=120種類では?と思われたのではないでしょうか?

しかし、干支の場合、1対1の組み合わせではなく、下図のような組み合わせで数える規則になっています。

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その結果、以下のような60種類の干支になります。(赤枠は2022年の干支)

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1の甲子だと、「きのえ」の「ねずみ」、今年の壬寅だと「みずのえ」の「とら」と読みます。

僕は、五行×十二支で60だと考えています。

最初は日を数えるために使われていたのが、時刻や方位、年にも使われるようになり、更には占いにまでと幅広く活用されています。

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寅年は干支ではなく十二支

今年は寅年というのは干支ではなく、十二支のことになります。

干支という場合だと、十干十二支になります。

そうすると、今年の年男、年女は、2022年から順番に60ずつ引いていけばわかります。

2022年時点で実在していると思われるのは、1902年、1962年、2022年生まれの方になります。

  • 1962-60 = 1902
  • 2022-60 = 1962

十二支なら12年に一回ですが、干支になると60年に1回しか巡ってこないことになります。

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つまり、生まれた時と、還暦を迎えた時、更に頑張って長生きして120歳を迎えることができて、初めて3回巡ってきます。

寅と虎の違いから干支と十二支の違いに話が変わってしまいましたが、納得して頂けたでしょうか?

 

それでは本年も、よろしくお願いいたします。