アベノマスクの大量在庫
アベノマスクが2021年11月末時点で8000万枚も残っているとか。
2020年のマスク不足の際に約2億9000万枚が調達された。
しかし、マスクの品薄状態が解消されたことから約8000万枚が残ってしまった。
アベノマスクに関する主な費用は以下の通り
- マスクの調達契約に442億6338万円(3億1811万枚分)
- 汚れ付着や髪の毛混入などの発覚による検品業務委託に7億75万円
- 在庫の配送・保管費用に6億96万円(今年3月まで)今年度も3億円超の見込み
- 検品の実施(約7100万枚)に約21億円(約15%が不良品)
- 破棄する場合は、6,000万円
鈴木財務大臣は、閣議後の記者会見で「保管費用が年々かさむのでやむを得ない。損切りをするということだ」と発言している。
ここまで、損失が増えるまで放置しておいて、何が損切りだと言いたい。
損切なら、野党から追及される前の、もっと早い段階で行なうべきだと思う。
しかも、税金を無駄に使っておいて、何の反省も感じられない。
使い道のないマスクに対して、なぜ、検品を行って、しかも21億円も費やしたのだろうか?
21億円の検品は必要だったのか?
使い道のないマスクの検品に21億円という金額を聞いて、誰が認めるのだろうか?
まぁ7100万枚となると1枚に30円かかれば21億円になる。
せめて21億円を費やす前に損切するという発想はできなかったのだろうか?
野党は、やたらと「任命責任」を追及しているが、アベノマスクが在庫になった後の対応こそ、責任を追及するべきだと思う。
検品に費やした21億円の費用、廃棄に発生するという6000万円費用の妥当性についても疑わしい。
保管スペースはどれくらい?
8000万枚の布マスクを保管するには、どれくらいの広さが必要なのだろうか?
実際に保管されている倉庫を確認すると、鉄製ラック(1段が高さ約1.7m、横、奥行き約1.2m)に3段重ねで段ボールをびっしりと積み重ねている。
それが、広さ80m×60mのフロアを埋め尽くしている。
ざっくり、テニスコート18面分くらいの広さになる。
坪に換算すると、約1450坪 倉庫を借りる場合の坪単価が仮に6,000円/坪だとすると、1450×6,000≒870万円
870万円×12≒1億円
今期だけでも3億円超というので、保管料だけで年間3億円を超えていると思われるので、どんな高い場所で保管しているのだろうか?
そもそも、年間3億円もかけて、倉庫を借りるのであれば、遊んでいる国有地があるだろうから、そこへ専用の簡易的な倉庫を建てて保管した方が安くなるのではないだろうか?
アベノマスクを配布
そんなアベノマスクを、2021年12月24日~2022年1月14日まで希望者には100枚単位で配布するということで、厚生労働省のホームページに申し込み方法が「地味」に公開されていた。
【出典】自治体・個人・団体からの布製マスクの配布希望の申出について
これが使えるマスクであれば欲しいと手を上げる人も多いと思うが、15%の確率で髪の毛や虫が混入しているようなマスクを誰が欲しいと思うだろうか?
今回は検品が終わっているので、まさか不良品が届くということはないと思うが・・・
布マスクは繰り返し洗えって使えるというのが売りだったはずだが、それを個人に100枚単位で配布というのは、どういう意味合いなのだろうか?
10枚単位というならわからなくもないが・・・
国会議員、官公庁の関係者は、最低限、アベノマスクを引き取り使用するべきだと思うが、自分達が使おうという気持ちはあるのだろうか?
損切り
どさくさに紛れて、税金を無駄遣いしておいて、反省の言葉もなく、さも当然のような顔をして「損切り」だと言っている財務大臣に至っては、こんな人が国の財務の頂点にいるのかと思うと、情けなくなってくる。
その上、国会議員になったばかりでも期末手当という名のボーナスが300万円超というのは、21億円を捨てて、300万円のボーナスを貰っているようなものだ。
期末手当
期末手当とは、なんの目的で支払われているのだろうか?
公務員の夏のボーナスに相当する、勤勉手当は、頑張った人に多く支給して差別化を図るという目的だと思うが、年末に支払われ期末手当については、想像ができない。
戦後のインフレ期に盆と暮れの生計費の増嵩を補填する趣旨で支給されていた生活補給金が由来だという。
つまり、勤勉手当も期末手当もインフレ時に行われていたことが、今でも続けられているだけの話になる。
今では民間より公務員の方が平均収入が高いのだから、盆と暮れの手当は本当に必要なのか?と言いたくなる。
必要だというなら、その分は成果報酬として国民が納得するような数字での成果を上げてから支給して欲しいものだ。
アベノマスクに対する対応だけを見ても、引き取り手もないようなマスクに対して、21億円も費やして何のために検品を行なったのか?
不良品であれば、販売する側が無償で検品を行い不良品については無償交換が当たり前だと思うがアベノマスクについてはなぜか国側が有償で依頼しているのも気になる。
間違ったことをすれば、ごめんなさいと謝るように教えられてきたはずだが、国会議員や医者といった先生と呼ばれる人達は、謝るどころか、失敗を認めようとしない。
失敗しても原因が追求されないので、同じことを繰り返すことになる。
少なくとも、失敗したことに対しての責任は取って欲しいものだ。