seegeのまとめサイト

もっと早く教えてくれよって思った内容を書いていきたいと思います。

加能ガニが500万円

石川県の蟹が解禁

11月6日(土)に、北陸のカニ漁が解禁となった。

石川県で取れる蟹は、種類としては「ズワイガニ」で、オスが「加能(カノウ)ガニ」、メスが「香箱(コウバコ)ガニ」(※甲箱とも書く)と呼ばれている。

加能ガニとは?

加能ガニというのは、石川県漁協が、2006年に差別化するために、県下統一の名前として独自に名付けたもので、「加能」というのは、「加賀地方」と「能登地方」のそれぞれ最初の1文字を取ったものになる。

「加」賀から「能」登までという意味が込められている。

f:id:seege:20211108192407p:plain

香箱ガニとは?

「香箱」というのは、諸説ある。茶道、香道の道具で見た目が似ているのと、甲羅の中の内子(未成熟卵)が香ることから名付けられ、その後、手の甲に似ていることから甲箱と呼ばれるようになったという話を聞いたことがある。

石川県最高級の蟹は「輝」

石川県漁協では、2021年から最高級と認めたカニには「輝(かがやき)」というブランド設定を行ってタグを付けるようになった。

「輝」の認定基準は以下の通り

  1. 重さ1.5kg以上
  2. 甲羅の幅14.5cm以上
  3. すべての脚が揃っている
  4. 甲羅が硬く、身入りがよい
  5. 鮮度の徹底(漁れた日をタグに記載)
    ※石川県は漁が日帰り操業なので鮮度は抜群
  6. 資源管理に積極的に取り組んでいる(※)

法令で定める漁獲水量の上限や禁漁期間の設定、甲幅9㎝以上のサイズ規制の他、自主的管理として、ズワイガニの禁漁期間に別の漁での混獲を防ぐため、ズワイガニ漁期外の保護区域設定や、改良網を用いてズワイガニが網に入らないよう工夫するなど、積極的に資源管理に取り組んでいるもの

これらの条件を満たした上で、市場の限られた目利き人によって認定された加能ガニだけが「輝」として認定される。

「輝」に認定されるのは、取れた蟹の0.04%。1年間で100杯程度なので凄く貴重な蟹になる。

2021年第1号の「輝」が500万円!

2021年11月6日に取れたカニで「輝」第1号に認定されたものが初競りで、石川県内の旅館、「百楽荘(ひゃくらくそう)」が過去最高の500万円で競り落とした。

※この日の「輝」認定はこの1杯だけ。

f:id:seege:20211108175254p:plain

蟹の価格で500万円はギネス世界記録に並ぶ価格になる。(※)

※最初にギネス世界記録を更新したのは、2019年11月19日で、日本海の冬の味覚を代表する島根県の「松葉ガニ」で、ブランド名は「五輝星(いつきぼし)」になる。

これは全国ニュースでも連日報道されているので、ご存じの方も多いかと思う。

f:id:seege:20211114120028p:plain

北陸の蟹と言えば

しかし、北陸で蟹と言えば、「越前ガニ」だった。

越前ガニは福井県の蟹になる。

福井県と言えば、最近は、「ソースカツ丼」や大根おろしを使う「越前そば」の方が有名かもしれない。

f:id:seege:20211114120517p:plain

越前ガニの最高級ブランドは「極」で、11月6日の初競りでは、こちらも過去最高の80万円の値が付いた。

500万円の蟹はどうなった?

競り落とした蟹は展示された後、宿泊者に無料で刺身として提供された。

出された蟹をみた、子供の一人は「足1本で50万円」だと言っていた。

それを聞いた、父親は、「それ聞いたら、もう食えんげぇて」と笑いながら金沢弁で子供に返していた。

もう一人の子供が実際に食べたあとの感想は、「思ったよりめちゃくちゃうまい。ほっぺたが全部とろけちゃう」ということだった。

加能ガニと香箱ガニの特徴

加能ガニの特徴は、太い脚身のしっとりとした甘さと濃厚なカニみそ。

香箱ガニの特徴は、加納ガニの約半分の大きさで、身は小さいが甘く、カニの卵でプチプチした 「茶色の外子(そとこ)」と 「オレンジ色の内子(うちこ)」がびっしり詰まっている。

内子は未成熟卵、外子は成熟卵になる。

特に内子は絶品だと言われている。

金沢おでんで、有名な「カニ面」は香箱ガニの甲羅の部分に身や内子・外子を詰めたおでんダネになる。

加能ガニの漁期は、毎年11月6日〜3月20日

香箱ガニの漁期は、毎年11月6日~12月29日までなので2か月足らずしか漁ができないので食べられる期間も短い。

このため、漁期の短い香箱ガニは貴重なので、自分の家では11月、12月は香箱ガニを食べるようにし、年が明ける頃から加能ガニを食べ始める。

店頭では、加能ガニは甲羅を上、香箱ガニは裏返しにして並べられている。

f:id:seege:20211114122824p:plain

これは、それぞれの蟹の選び方による。

加能ガニの選び方

  • 甲羅に色艶があり、光沢があるもの
  • 甲羅に黒いつぶつぶが沢山あるもの
  • ずっしりと重みがあるもの

香箱ガニの選び方

  • おなかがピンク色のもの
  • 外子が黒っぽいもの
  • ふっくらしたピンク色のおしりのもの

つまり、香箱ガニをひっくり返して並べるのは、選ぶ部分が見えやすいようにするための配慮ということになる。

f:id:seege:20211114123211p:plain

これまで、金沢と言えば「のどぐろ」が代名詞のようになっていたが、今回、500万円の高値が付いたことから今後は冬季限定になるが、「加能ガニ」との2本柱になることが期待される。

反面、これまで以上に価格が高くなり、手に入りにくくなりそうなので、石川県民が普通に食べられなくなるのでは?という不安もある。