富士急ハイランドで負傷者
富士急ハイランドのジェットコースター「ド・ドドンパ」に乗った客が、首や胸の骨が折れることが相次いだことから、現在、「ド・ドドンパ」は国の事故調査を受けることになり、運行を停止している。
これを受けて、他の4つのジェットコースターも安全対策を強化する。
「最大落下角度121度の最恐コースター」が売りの「高飛車」では、宙返りや急降下を繰り返すため、後頭部をヘッドレストに付けて首を守る必要がある。
富士急ハイランドの対応は?
このため、髪を後ろで結ぶポニーテールだとヘッドレストに押しつけられない場合があるということから、髪をほどいた状態で乗ってもらうようにした。
また、耳のピアスも、ハーネスに当たって出血するおそれがありことから外すことになる。
ピアスを外すことは、仕方ないとしても、ポニーテールについては、考え方が間違っている。
ヘッドレストに頭を押し付けていないと骨が折れてしまうことが、そもそも問題であり、施設側でしっかり対策を行っておくべき内容ではないだろうか?
ヘッドレストは枕ではない。
身体に対して後ろ向きの力が加わった時に頭の動きを抑制し首にかかる負担を減らすためのものであり、常時、頭を押し付けておくものではない。
頭を押し付けておく必要があるのであれば、乗車時には首が動かないように固定する構造にしておく必要がある。
実際、富士急ハイランドのホームページを見ると、搭乗姿勢について以下のように記載されている。
≪搭乗姿勢について≫
高飛車は暗闇からの急加速・急上昇に始まり、激しく宙返りを繰り返す非常に激しいコースターです。ご搭乗の際は常に
①【首】頭をヘッドレストに押し付ける
②【背中】体をシートに押し付ける
③【足】足を床につけて踏ん張る3点を意識してご搭乗してください。
首・背中・足の3点に意識しながら、「絶叫マシン」に乗れるのだろうか?
2秒で100Km/hに到達する急加速に加えて、最大落下角度は121度。
こんな状態で3点を意識していられる自信はない。
しかも、これを怠るとどうなるのか?ということは一切書かれていない。
逆に言えば、頭を押し付けておかないと骨折してしまうような乗り物なので、安全対策が不十分な乗り物になる。
そんな危険な乗り物を何故、使い続けないといけないのだろうか?
禁止すべきは危険な乗り物
禁止にするべきは、ポニーテールではなく、骨を折ってしまうような危険な乗り物の方である。
「ド・ドドンパ」は2020年12月、2021年5月、2021年7月、2021年8月で男女4人が背骨や首を骨折し、1~3カ月のけがを負ったが、同社は2021年8月17日まで県への報告義務を怠っていた。
この報道がされると、山梨県は2021年8月27日に、県の窓口に新たに20件の負傷の相談があったと発表した。
この中には「ド・ドドンパ」以外のジェットコースターも含まれ「指示通りの姿勢で乗車していたが、頸椎を負傷した」との相談もあった。
つまり、指示通りの姿勢で乗車しても負傷する可能性があるので、危険な乗り物であることに間違いはない。
富士急ハイランドの対応は適切ではない
富士急ハイランドのホームページを見ても、今回の事故のことについては、謝罪文どころか、乗り物により、負傷者が多数出ていることさえ記載されていない。
負傷者が出ているにも関わらず報告をしない、乗り物に対しては何も対策を行わず、利用する側にのみ注意を喚起する。
それは、まるで利用する側に問題があるかのように感じられる。
今回の件は、全てにおいて富士急ハイランドの誠意が感じられない。
ネットでは逆に負傷した人が誹謗を受けていたりする。
富士急ハイランドの対応からはブラック企業のニオイしかしない。
もっと、真摯な態度で対応するべきだと思う。