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【今週のお題】久しぶりに小説を読みたくなった。

今週のお題「読書の秋」

前回、小説を読んだのが、2021年のゴールデンウィークで、読んだのは、

喜多川泰さんの「運転者 未来を変える過去からの使者 」

これは、以下で紹介した。

seege.hatenablog.com

読書の秋だということで、小説を何か読みたくなってきた。

前回と異なり、今回は、もう読みたい本は決まっていた。

中山七里さんの「総理にされた男」

売れない舞台役者・加納慎策は、内閣総理大臣・真垣統一郎に瓜二つの容姿とそ精緻なものまね芸で、ファンの間やネット上で密かに話題を集めていた。ある日、官房長官樽見正純から秘密裏に呼び出された慎策は「国家の大事」を告げられ、 総理の“替え玉”の密命を受ける 

中山七里さんは、現在、公開中の映画「護られなかった者たちへ」の作者になる。

2021年10月に入ってから本屋で、偶々、「総理にされた男」というタイトルに惹かれてパラパラと見ていたら、止まらなくなったことから、Kindle版を購入したが、その後、読むタイミングを逃してしまって、現在に至る。

作家について

「中山七里」という名前から、「なかやま ななさと」と読むのかと思っていたが、実は、「なかやま しちり」と読む。

「中山七里」というのは岐阜県にある飛騨川中流の渓谷の名前らしく、そこで産まれ育ったということで、ペンネームとして使用している。

更に驚いたのが、名前から想像していたのは、女性だったが、実は、もうすぐ60歳になる男性だった。

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デビュー作は、「さよならドビュッシー」で、こちらも映画化されている。

小説家を一度、断念し就職し20年経って、小説家のサイン会で初めて小説家を見て再度、小説家の道に進んだという変わった経歴の持ち主。

しかし、考えてみると、自分も生の「小説家」に会ったことはない(笑)

読んだ感想

主人公は、総理大臣にそっくりな、売れない俳優志望。

総理大臣に話し方まで、そっくりだということで舞台の前説で総理の物まねを行っていた。

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これが好評だった。

そんな中、主人公が突然、黒塗りの車から出てきた2人に拉致され総理官邸に連れて行かれた。

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そして、いきなり、官房長官から総理の替え玉を務めて欲しいと言われる。

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ここから、小説の本題が始まった。

代理を務めて欲しいのは以下の理由から。

総理が病気で意識不明の状態。

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総理が総裁を務める国民党は、政権を奪還したばかり。

奪還できたのは、前与党の民主党の3年間の運営が酷かったからであり、国民党に投票されたのは国民の支持ではなく、国民党の若い総裁の魅力だった。

つまり、国民党の現在の状態は、現在、意識のない総理の人気によるものだということになる。

その総理が意識がないということを国民が知れば動揺する。

選挙で大敗した民主党野党勢力を結集させて国会審議は空転する。

景気回復、震災からの復興は遅れ、国内情勢が不安定になれば、各国が何を画策してくるかわからない。

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だから1日たりとも政治的空白は作れない。

政治的空白を作らないために、副総理がいるのでは?と問うと幹事長は、副総理はお飾りで、経済は読めても人の心が読めない。

そんな人に任せるなら、政治的空白を作ったがましだと言い放った。

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現在、このことを知っているのは、官房長官と、主人公を連れ去った2人だけで、主人公の存在を知ったのは彼が前説で行っていた総理のものまねが動画サイトで公開され、それを見た官房長官の息子が知らせてきたことから。

分岐点

おそらく、ここが、この小説を続けて読もうか?読まないか?の分岐点だと思う。

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ここまでを読んで、面白そうだと思った人は、最後まで面白いと読み続けられるのではないかと思う。

しかし、そんな設定は矛盾が多すぎると感じた人には面白いと思えない小説だと思う。

結局は、ここまでの内容で替え玉が必要と感じられるかどうか?ということになる。

今回、自分は、替え玉の必要性を感じることはできなかった。

小説が面白いか?というのは、作者の世界観が共感できるか?というのが一番、大きいと思う。

そうそう!その通り!と思ってもらえば大成功、思ってもらえなくても、読者が全く知らない世界のことで、こんな世界もあるのか?と興味を持ってもらっても成功と言える。

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取材はしないで見聞きしたことだけで書く

今回の小説の作家は、取材は一切しないで、これまで見聞きしたことだけで書くということなので、今、話題になっている、「ファクトチェック」は自分では行っていないことになる。

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政治の世界のような、色々な情報が公開されていることを小説にしようとすると、どうしても取材や調査は必要になると思う。

描写するシーンがあるなら、撮影もしておくべきだと思う。

既知より未知

しかし、この小説が、取材・撮影や調査を行っていないということであれば、当然、現実との矛盾が出てくる。

それが致命的な内容だと、その時点で、興味が失せてしまう。

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小説を読む場合、どうしても自分の興味のある設定のものを面白そうだと選びがちになるので、最後まで面白く読みたいのであれば、自分が全く知らない世界観のものを選んだ方が良いと思った。