コンビニでは見なかったラベルレスペットボトル
何年か前からテレビのCMでラベルレスのペットボトルが登場している。
確かにペットボトルに巻き付けられているラベルは、どれを買おうかと選ぶときには便利ではあるが、そのあとは特に不要になる。
廃止すればラベルに使用している原料が削減できる。
コンビニでもラベルレス
しかし、これまでコンビニなどの小売店では、ラベルレスのペットボトルを見ることがなかった。
これは、ラベルレスにしてしまうと、法律で義務づけられている原材料などの商品表示がペットボトルにできなくなるためだ。
しかし、箱買いの場合であれば段ボール箱に表示することができるのでラベルレス販売が可能になる。
コンビニでも見るようになったラベルレスペットボトル
6本パックのものが登場し、紙パックに表示ができるようになった。
また、1本でも購入できるタイプもコンビニで見かける。
タックラベル式のペットボトルだ。
これから、ラベルレスのペットボトルが増えていき、仮に全てがラベルレスに変わってしまうと目当てのものがどれなのか、探すのが大変になって来ることが予想される。
高齢の方は、タックラベルのような小さなシールに商品名などが書かれていても読むのが大変だと思う。
特に水は、どれも透明でタックラベルだけで探さないといけないので店側で別途、これまでのペットボトルのラベルのようなものを印刷したものを掲示することになるかもしれない。
「資源有効利用促進法」省令の一部改正で識別マークをボトルに刻印できるようになったので、日本コカ・コーラの「い・ろ・は・す天然水」はペットボトルに商品名が刻印されている。
といっても、全てがラベルレスになると新製品はラベルを作成しないことになるのでどうなるのだろうか?
今後、ペットボトル自体に商品名を刻印する技術が進化していくだろうから、飲み物の色や光を利用して商品名をくっきりと表示させることができるようになるように思う。
ペットボトルのリサイクル率では世界トップレベル
ペットボトルのラベルレスは、アサヒ飲料が一番最初で2018年から販売して、ラベルに使用される樹脂量の約90%削減を実現している。
日本のペットボトルのリサイクル率は98%(熱回収も含めた有効利用率)と世界最高レベルだと言われている。
【出典】PETボトルリサイクル推進協議会
欧州でのペットボトルのリサイクル率は約40%、米国では約20%と極めて低い。
欧州や米国は、自分たちが行っていることを他国が行っていないと批判するが、ペットボトルのリサイクル率は、日本の20年以上前の数字でしかない。
はっきりいって、欧州や米国では、日本のように何かを周知徹底するということができないので、98%という数字は絶対に達成できないと思う。
海洋プラスチック問題も欧州や米国
日本は、ラベルレスになるとラベルを剥がす手間が省けるからという理由でラベルレスのペットボトルが売れる国なので、ラベルを剥がしてリサイクルするということが当たり前になっている。
日本は、98%でも満足しておらず、2030年までには100%を目指すという。
100%になると、リサイクルされていない海洋ゴミになっているものを無くさないといけなくなる。
今は、コンビニやファーストフード店で道路にゴミを捨てていく人が増えてきている。
今のままでは、リサイクルされないペットボトルが増えてしまうので100%は絶対無理だろう。
リサイクル率はマナーの良い人の比率?
ペットボトルのリサイクル率というのは、マナーを守っている人の比率と比例するのではないだろうか?
そう考えると、日本では2%がマナーを守っておらず、欧州では60%、米国では80%がマナーを守らない人だと言える。
日本にもまだ2%の人がいるとなると、この人たちに、どのようにマナーを守らせるのか?ということが課題になる。
イトーヨーカドーでは、nanacoを自動回収機にタッチしてペットボトルをリサイクルすると、ペットボトル1本に対し、2リサイクルポイントがもらえ、500リサイクルポイントで50nanacoポイントとして使える。
AEONでは、ペットボトル5本につき、1WAONポイント(古紙、紙パックも対応)と企業が努力をしてくれている。
国としてはこのような取り組みを行うつもりはないのだろうか?
それこそ、マイナンバーカードを活用してリサイクルを行うとポイントに応じて税額を減らすといったことはできるように思う。
官民一体になって行わなければ、ペットボトルのリサイクル率100%というのは達成できるものではないと思う。