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朝日新聞の天声人語を読む・書く

天声人語とは?

先日、高校時代に「天声人語」を毎日、ノートに書き写すようにと言われたことを思い出しました。

天声人語を読んでいてとか、テレビ番組を見ていて天声人語の話題だったということではなく、突然、閃いたかのように頭に浮かんできたって感じです。

天声人語」というのは、朝日新聞の朝刊1面に掲載されている朝日新聞の顔とも言えるコラム記事です。

そして新聞の1面というのは、その日、もっとも重要な記事が集まる紙面なので、朝日新聞でも文章力(読解力、要約力、語彙力)があり、社会で起こっている事実の背景が理解できている人が担当できるのだと思います。

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新聞の1面は顔です。

しかも朝日新聞天声人語と言えば、読めば文章力がつく、その日の要約がわかると言われる日本を代表するコラムです。

間違ったこと、的外れなことを書いたのでは新聞社の顔に泥を塗ることになるので責任重大です。

天声人語というのは、「天に声あり、人をして語らしむ」という中国の古典に由来し、「民の声、庶民の声こそ天の声」という意味があるそうです。

天声人語では、ニュースや旬の話題が短い文章で取り上げられるので、まさに民の声です。

このため、大学入試で出題されることも多いようです。

単に読むだけではなく、書き写すことで語彙力、文章力がアップするという効果も得られます。

しかし、残念ながら家の新聞は朝日新聞ではなく地元紙だったので天声人語を読むことさえ出来ませんでした。

今はインターネットや色んな手段があるので毎日、書き写すことも可能だと思います。

603文字6段落と決まっている

天声人語って「603文字6段落」で書くと決まっているって知ってましたか?

先生に書き写すように言われた時には、天声人語が603文字6段落だと決まっているということは言われていませんでした。

天声人語を見ると、確かに段落の終わりに▼マークが付いてます。

ツイッターは、日本語の場合だと140文字までという制限がありますが、天声人語にも603文字6段落という制限があるということです。

なぜ、603文字なのかというと紙面スペースが603文字だったからということになります。

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史上最高のコラムニスト深代惇郎(ふかしろじゅんろう)さん

深代惇郎さんは新聞史上最高のコラムニストとも評されながら46歳という若さで急逝。

1973年2月15日から1975年11月11日まで天声人語を担当されていました。

この方が書いた、天声人語の文章と、今の天声人語では、読みやすさが全く違います。

ぶっちゃけ、今の天声人語って読みやすくないです。

漢字・カタカナ・ふりかなが、やたらと多いんです。

そして致命的なのは、庶民の声ではなくなっている気がします。

7月26日の天声人語は、それが顕著に表れていたのではないでしょうか?

タイトルは「世界遺産の取り消し」

いきなり、英国のリバプールです。

僕なんて行ったこともないのでイメージできません。

それでビートルズが出てきたかと思ったら、直ぐに綿花の話に変わり、ようやく世界遺産の話になりました。

リバプール世界遺産が取り消されたというのは何となくわかりますが、リバプールがなぜ世界遺産になって、なぜ取り消されたのか?ここのところが1回読んだだけでは、チンプンカンプンのチチンプイプイです。

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それに比べて、深代惇郎さんの書かれたものは、実に読みやすい。

すーっと入ってきます。

今、天声人語を担当されている方と、朝日新聞史上最高のコラムニストと比較しているので差があるのは当然だと思います。

しかし、今、担当されている方の文章というのは、読みにくいので飛ばし読みをしてしまうので、「もっと頑張れ!」と言いたくなります。

歴代執筆者の中で有名なのは辰濃和男(たつのかずお)さん

歴代執筆者の中でも名文が多いと言われるのが、1975~88年に担当した辰濃和男さん。「文章のお手本」とも言えるわかりやすい文章で人気があったそうです。

辰濃さんの著書『文章の書き方』は当時のファンはもちろん、若い世代に今でも親しまれています。

僕も図書館で借りて読みましたが、27年前の文章だと感じさせないような書き方で、実に読みやすいです。

購買意欲に働きかける力、「訴求力」という言葉があります。

辰濃さんの文章は、読書意欲に働きかける力、「読ませる力」のある文章だと言えます。

それは一長一短、才能ということだけでなく、日々、文章を書く、読者の立場で考えて、どういう文章がわかりやすいのか?ということを考え続けた結果、誰が読んでも、わかりやすい文章に到達できたのだと思います。