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もっと早く教えてくれよって思った内容を書いていきたいと思います。

週刊文春と文藝春秋

芥川・直木賞週刊文春

芥川賞直木賞を創設したのは、文藝春秋社社長の菊池寛(きくちかん)さんです。

そして文藝春秋社と言えば、今や週刊誌の代名詞とも言える「週刊文春」です。

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同じ出版社ですが、芥川・直木という文学からスキャンダル記事まで随分と内容が異なるものを幅広く扱っているなぁ~って気がします。

そうかと思えば、スポーツ総合雑誌で有名な「Number(Sports Graphic Number)」も文藝春秋社です。

ここまでくると文武両道って感じがします(笑)

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週刊文春

文藝春秋社と言えば、今では文藝春秋よりも、週刊文春だと思います。

週刊文春」のキャッチフレーズは、

  • 世の中の「ほんとう」がわかります

タレントや政治家の不倫、政治家の金銭授与問題に税金の不正利用と、著名人、政治家は「週刊文春」という名前を聞くだけでビビッてしまうのではないでしょうか?

スクープを連発することから「文春砲」という異名までつけられました。

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これだけスクープを取れる秘訣はというと、「手間とお金」をかけているということです。

このため、週刊文春の強みは、スクープ力だそうです。

今の時代、お金を出さなくてもインターネットを使えば、色々な情報が得られます。

このため、情報にお金を払うというのは、インターネットでは得られないような情報ということになります。

そんな時代なので、お金を払って週刊誌を買ってもらおうと思えば、「スクープ」しかないですよね。

しかし、週刊文春はスクープなら何でも掲載するのかというとそうではありません。

「社会的意義があるスクープ」を重視するそうです。

いくら話題性があったとしても、社会的意義がなければ、記者たちのモチベーションはあがりません。

意義を感じない記事は読者にも伝わるでしょうから長くは続かないということになります。

かといって、意義があっても世間が興味を持ってくれるようなスクープだけだと売り上げは伸びません。

このため、売り上げを担保するようなスクープは絶対に必要になります。

週刊文春の記者は30人程度ですが、スクープになりそうな内容であれば、それだけの記者を10人以上投入するそうです。

政治家は法律を作るのが仕事ですから、芸能人とは異なり少しでも報道内容に間違いがあれば、訴訟問題に発展します。

特に国の大臣クラスが相手だと権力による圧力も加わることでしょう。

そう考えると、週刊文春の記者というのは、特殊工作員のように極秘裏に情報を入手する技術や、いざとなった時には超人的な運動能力で飛んだり・走ったり・戦ったりすることができるような人なのではないかと思ってしまいます。

しかし、実際は、僕たちと同じ普通の人間だそうです。

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情報を集めるのも地道な取材を重ねるだけです。

しかし、週刊誌なので地道な取材で時間ばかり浪費していたのではスクープ連発の週刊文春、文春砲なんて呼ばれるには至らなかったはずです。

週刊文春の1週間

週刊文春は毎週木曜日発売です。

土曜日の夕方には翌週発売の記事のラインナップを決め、日曜日の夜には中づり広告を作り、中づり広告のタイトルは月曜日の夜には決定します。

月曜の夜から火曜の朝で記事を書き上げて印刷所へ入稿。

火曜中に校正用のゲラ刷りが上がって来るのでチェックを行い火曜日の夜までに校正を完了させます。

水曜日が原則休みで、木曜日からは、ここまでの作業を繰り返すことになります。

こんなことの繰り返しだと精神的におかしくなりそうですね。

 中吊り広告の右・左トップ

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中吊り広告ですが、右側に政治・経済・事件の見出し(右トップ)、左側に芸能・医療・健康関連の見出し(左トップ)を置くそうです。

右トップがその号の顔となる記事なので意義があり売れる記事ということになります。

警察はシロにする捜査はしない

警察というのは、犯人を検挙するのが仕事なので、どうしても、クロであることを裏付ける操作を行うので、このため、シロを裏付けるような証拠などが出てきても見落としてしまうことがあるので、どうしても、えん罪がなくならないそうです。

これと同じように、スクープの可能性がある情報を入手すると、どうしてもスクープにしたいということで消極証拠を見落とすことになるのでシロかクロかを決めつけずにしっかりと裏付けを取る「複眼的」な取材が必要だと言います。

週刊誌の中には、真実かどうかをろくに確認もしないで、読む人の興味を引くような見出しで売り上げを伸ばそうとするものもあります。

僕は、そういう週刊誌は読みたいと思わないので、まず読みません。

そんなことばかりを続けていると、童話の、オオカミ少年のようになってしまい、そのうち、本当にオオカミが来たと言っても、どうせまた嘘なんだろうということで、誰も見向きしなくなります。

週刊文春は、少なくとも、単に興味を引く見出しで売り上げを伸ばそうというのではなく、「社会的意義があるかどうか?」という判断基準のもと、更に真実かどうかという、しっかりとした裏付けを取った上で記事となるので信頼ができる週刊誌だと僕は思います。

新聞と週刊文春との違い

週刊文春は、「世の中の、ほんとうがわかる」がキャッチフレーズです。

それは、新聞も同じだと思います。

では新聞と週刊文春では、どこが違うのか?と言えば、新聞も文春も共に世の中の本当がわかるという意味では同じなのかもしれませんが、取り扱う内容が違います。

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新聞の本来の姿は「正義の味方」だと言えるのかもしれませんが、週刊文春の本来の姿は「正義の味方」とは違う気がします。

新聞と週刊文春との違いは、「面白いかどうか?」という点だと思います。

新聞は真実を報道してくれれば良いので「面白さ」なんて必要ありません。

でも週刊文春は新聞ではないので、真実だけでは誰も買ってくれません。

このため、「面白い真実」である必要があります。

週刊文春が目指すのは「裁き」ではなく、「エンターテイメント」だと言います。

エンターテイメント=人を楽しませることです。

芸能人も人間なんだ、酔っぱらうこともあれば、叫んだり、泣いたりすることもある。

テレビや映画を見ているだけでは見れないような、芸能人という仮面を被った顔ではなく、一人の人間としての顔を伝えることで、より魅力的な人間なんだということを知ってもらって、泣いたり、笑ったり、怒ったりしてもらうことが、週刊文春が考えるエンターテイメントだということです。

週刊文春には、これからも「真実」に基づいたエンターテイメントを是非、続けて欲しいと思います。