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日本の小惑星探査機「はやぶさ」は凄い

はやぶさ2がミッション完全達成

2020年12月6日に、はやぶさ2が、地球に戻り、カプセルを放出し回収したという報道がありました。

  • 宇宙航空研究開発機構JAXA)の小惑星探査機「はやぶさ2」は2020年12月6日未明に地球へ帰還し、予定通り、再突入カプセルを回収することに成功した。カプセルの中からは、小惑星リュウグウ由来のサンプルが確認されており、プロジェクトのミッションは完全に達成された。まさに「完璧」と言っていい。

【出典】かくして「はやぶさ2」は帰還し再び旅立った、完璧な成果は3号機につながるのか (1/5) - MONOist(モノイスト)

前回の、はやぶさの時は、正直、興味があまりなかったのですが、今回は、なぜか興味を持ちました。(前回は、色々と忙しくて、余裕がありませんでした)

はやぶさ」の時は通信が途切れたとか、エンジンが停止したと言った報道は聞いていましたが、トラブルにもめげずによく地球に戻ってきたなぁ~といった感じでした。

しかし、今、考えると、通信が途切れてどうやって地球に戻せたのか?エンジンが停止したのにどうやって回復したのか?ということが凄く気になりました。

特に、電波が、地球からはやぶさまで行って帰ってくるだけで30分もかかるような距離で、どうやって3億Kmという膨大な距離で、電波の送受信ができたのか?という点が特に気になりました。

映画「はやぶさ/HAYABUSA

ということで、今になって、映画「はやぶさ/HAYABUSA」を見ました。

2011年に公開された、竹内結子さんが主演の映画です。

ドキュメンタリーというよりは、竹内結子さん(はやぶさプロジェクトの女性研究員)の視点でプロジェクトに参加した人々を描いたものでした。

はやぶさが、どんな感じで宇宙に飛び立ち、宇宙でどんなトラブルが発生し、どのように対処したのか?どんな風にカプセルが戻って来たのか?ということが、ザックリとわかります。

専門的な内容というよりは、気楽に楽しめる映画になっていましたので、とても見やすかったです。

映画を見ていると、はやぶさとの通信が途絶えてしまうと何もできなくなるようです。

はやぶさ」について

本体は、意外と小さくて、1m×1.5m×H:1.1mです。

重量もエンジンの推薬を含めても、510Kgとかなり軽量です。

【出典】https://jpn.nec.com/techrep/journal/g11/n01/pdf/110129.pdf

 

太陽光パネルを含めると、最大で5.7mになります。

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【出典】(C) 宇宙航空研究開発機構JAXA

2003年5月9日13時29分25秒に「はやぶさ」が打ち上げられました。

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【出典】(C) 宇宙航空研究開発機構JAXA

 

はやぶさ」はイオンエンジンが推進力です。

イオンエンジンの動力源は静電気です。 

  • イオンエンジンは推進剤として、空気中にごく微量にある気体のキセノンを使用しています。作動原理は、まず放電室で電子レンジと同様のマイクロ波の照射という方式でキセノンをイオン化し、次に、多くの小孔のあるスクリーン電極および加速電極それぞれに制御電圧をかけて、放電室でできたイオンを電気的に加速し、その反動で推力を得るというものです。ここで見逃せないのが中和器の役割です。プラス電荷のイオンだけを噴出すると衛星がマイナスに帯電し、すぐに噴出ができなくなってしまいます。それを防止するため、直後にイオンビームと等量の電子を放出し、プラス電荷をマイナス電荷で中和することにより安定した推力を保ちました。まさに静電気で飛ばし、それを中和することで飛行を続けたのです。「はやぶさ」の 7 年間、60 億㎞という壮大な宇宙の旅を支えたのは静電気であったのです。

【出典】https://pub.nikkan.co.jp/uploads/book/pdf_file4d37cfc441c24.pdf

地球とはやぶさとの通信を使用してコマンドをはやぶさに送ることで、はやぶさを操作したり、色々なトラブルに対応できるようにしています。

これは、凧を1本の糸で操作しているかのようなイメージです。通信が途絶えるということは、凧の糸が切れてしまうのと同じことです。

しかし、3億Kmも彼方の相手に電波が届くのでしょうか?

電波というのは意外と遠くまで届くということです。

しかし、流石に3億Kmも離れていると減衰して相手に届くまでには超微弱な状態になります。

これをパラボラアンテナで大きく増幅するわけです。

左が64mパラボラ、右が32mパラボラになります。

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【出典】(C) 宇宙航空研究開発機構JAXA

パラボラアンテナは、地球が回転していることから、アンテナが裏に隠れてしまうとはやぶさとの通信ができなくなってしまうので、常にアンテナが隠れないように、少なくとも3カ所以上の地上局が必要になります。

日本には、長野県佐久市にある「臼田局64mパラボラ」が定常的な運用時に利用されておりバックアップとして鹿児島県肝付町の「内之浦局34mパラボラ」があります。

あとは、NASA保有する地上局、ESA欧州宇宙機関)が保有する地上局を使用しているものと思われます。

パラボラアンテナは指向性が強いので、ピンポイントで通信先と向きが一致している必要があります。このため、はやぶさには、ピンポイントの高利得アンテナだけではなく、中利得アンテナも搭載されています。

中利得アンテナは、高利得アンテナと比べると通信速度は落ちますが、やや広い角度範囲からの電波を受信することができます。

このため、はやぶさが実際の通信に使っているのは、高利得アンテナではなく中利得アンテナの方です。

8.4GHz帯の周波数というのが宇宙通信では最も雑音が少ない帯域だそうです。

このため、はやぶさでは、この帯域が使用できる、X-bandが割り当てられています。

周波数は高ければ高いほど早い通信ができますが、直線性が強くなるため、障害物の影響を受けやすくなります。

小惑星イトカワ

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はやぶさ2の状態をリアルタイムで確認できる

JAXAが、はやぶさ2の状態をリアルタイムに表示するサイトHaya2Nowを公開しています。

一般の人でもモニタリングが可能です。

SSLhttps)通信に対応していないため、ブラウザから警告が表示されます。

アクセスすると、まるで、映画に出てきた、はやぶさ2の管理センターのパソコンに表示されているような内容が表示され、はやぶさ2の現在の状態が確認できます。

Haya2Now

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【出典】http://haya2now.jp/

これを使うと、あなたも、はやぶさ2の管制室にいる気分になれますよ(笑)

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