大阪なおみさんが、全豪オープンで2回目の優勝を果たしました。
4年連続、4大大会で優勝しているというのは凄いと思います。
世界3位の大坂なおみ(23=日清食品)が、2年ぶり2度目の優勝を果たした。同24位のジェニファー・ブレイディ(米国)に6-4、6-3でストレート勝ち。4年連続4度目となる4大大会制覇は、コロナ禍でも揺るがない強靱(きょうじん)なメンタルからもたらされた。
これまで、大阪なおみさんのことを積極的に書いてきませんでしたが、昨年の12月に、初めて、人種差別のことで「大阪なおみ」さんのラケットを投げつける人間性を受け入れられないということで書きました。
これまで、何度も大阪なおみさんがラケットを投げつけるシーンを見てきて、正直、不快でした。
追い打ちをかけたのは、大阪さんが、黒人問題でテニスの試合で黒い抗議マスクをしたり、試合をボイコットしようとしたときからです。
ラケットに責任はない
負けたのも、ポイントやセットを取られたのも自分の責任です。
テニスラケットには何の罪もありません。
テニスラケットを投げたり、壊したりするのは、行ってはいけないことです。
そして、プロ選手は「お手本」でないといけません。
一流の選手が、ラケットを投げたり蹴ったりしていたのでは、子供たちは、悪いことであっても、それをお手本にしてしまいます。
何より、選手が投げつけた、テニスラケットを一生懸命作られた方がいるんです。
- ヨネックスが新潟県長岡市内の工場で生産するテニスラケット「EZONE(イーゾーン)」シリーズの販売が好調だ。同シリーズを愛用し、昨年の全米オープンで2回目の優勝を果たした大坂なおみ選手の活躍を追い風に、プロアマを問わず支持されている。テニス関連の売り上げはここ4年で10%以上増加。同社はまだ伸びしろがあるとみてPRに力を入れる。
【出典】大坂なおみ選手愛用ラケット好調(新潟日報)
ラケット制作に関わった人たちの気持ちを投げたり・蹴ったりしている
大阪さんのラケットに関わっている方たちの以下のような気持ちを、投げたり蹴ったりしているのと同じなんです。
- テニス製品課の方は「人の手と目で行う部分を大事にしているから、高品質が保てる。握ったときに選手に安心感を与えられるラケットを目指している」
- テニス開発課の方は「感覚的な選手の要望をどう製品に落とし込むかが肝心で、観察力が試される。だからこそ、選手の勝利は自分のことのようにうれしい」
大阪さんは、テニス全豪オープン第3日(2020年1月22日女子シングルス2回戦で、自分のミスから第2セット第3ゲームをブレークされて、イライラしてコートにラケットを投げつけ、ボールを叩きつけ、それだけでは気持ちが収まらず、地面に落ちたラケットを蹴り飛ばしていました。
結局、試合には勝ちましたが、見ていて気分が悪くなりました。
ラケットのメーカーであるヨネックスとはスポンサー契約を結んでいるはずです。スポンサーからの商品を投げるというのは、契約違反になり罰金が発生しているはずです。
しかし、試合後の会見では、そんなことは関係ないみたいに笑顔で以下のようなことを語っています。
- 勝てたことが良かった。ラケットは魔法のように手から飛び出し、コントロールできなかった。ヨネックス、ごめんなさい。あれは、少し子供っぽかった。ラケットを投げたり蹴ったりしない試合をしたい。虫は踏みたくなかった
最後の虫は踏みたくなかったというのは、この試合中、大阪なおみさんに蝶が止まったんですね。この時は、勝っていて機嫌がよく、顔に止まった蝶も優しくコートの外に逃がしてあげていたので、ジョークとして蝶のことを示したのでしょう。
ジョークを交えたつもりだったのでしょうが、僕には笑えませんでした。
語る資格がない
大阪さんは、米国で警官が黒人が射殺した問題で「BLACK LIVES MATTER(黒人の命も大切だ)」と書かれた黒Tシャツや黒マスクで試合に出たりすることで抗議しています。これについてはアスリートが政治的活動に関わる必要があるのか?という意見もあります。
このことについて、大阪さんはツイッターで、「アスリートは政治的に関わるな、ただ楽しませればよいという意見が大嫌い。第一にこれは人間の権利に関わる問題だから」と書き込んでいます。
そして、2021年2月3日に、日本オリンピック委員会(JOC)の会合で森前会長が「女性がたくさん入っている理事会の会議は時間がかかる」と発言したことが女性蔑視だと騒がれた件でについて 大坂さんは全豪オープンでの記者会見で、森会長の発言に関する質問に対して「まったく無知な発言だったと思う」、「このような発言をする人は、話す内容についてもっと知識を持つ必要がある」と話しています。
僕は、アスリートだから政治に関わるなという考えは持っていませんので、大阪さんが政治的なことを語っても感じることはありません。
しかし、自分のミスを罪のないテニスラケットに八つ当たりするような人が人種差別、女性蔑視といったことに対して人を批判することに対しては怒りを感じます。
投げつけたテニスラケットには、作った人達の色々な思いが込められているんです。その思いを受け止めていれば、投げたり、蹴ったりするなんてことはできないんです。
人の思いを感じられないような人に、差別だ蔑視だと語る資格なんてありません。
だから、大阪さんには差別、蔑視について語って欲しくありません。
まずは、自分が行ったことが、どれだけ罪深いことだったのかを理解してもらい、その上で、自分が行ったことに対して誠心誠意、謝罪して頂かないと納得できないんです。
テニスの試合では、ラケットを投げたり、壊したりするのは当たり前のように行われているので、大阪さんだけじゃないと言われると思いますが、大阪さんはテニスの試合に差別問題を持ち込んだからなんです。
大坂選手はツイッターで以下の書き込みをしています。
- 「私はアスリートである前に、一人の黒人の女性です。私のテニスを見てもらうよりも、今は注意を払わなければならない重大な問題があります」「警察による黒人虐殺が続くのを見ていると、吐き気がします」
プロテニス選手が、テニスを見てもらうよりもって重大な問題って何?ってことです。
大阪なおみさんの試合を楽しみにしている人が大勢いるのに、その方たちの気持ちはどう考えているのでしょうか?
だったら、テニスをやめて一人の黒人女性として抗議でも何でもしてください。
大阪さんは、ファンの気持ちも、ラケットの作り手の気持ちも、おそらく周囲のスタッフの気持ちについても考えていないように思います。
そんな人に差別は許せない、無知だと言われても何も響かないどころか、まずは大阪さんあなたが人の気持ちを理解してから言ってくださいって感じです。
僕は今の大阪さんからは、人を思いやる気持ちを感じられないので、応援する気にはなれません。
最後に
ここまで書いて、改めて読み返してみると、無理がある部分も見受けられます。
特に、なぜ「大阪さんだけ?」という部分については酷いですね。
野球選手でも、チャンスに凡打、見逃し三振などでバットを叩き付けるシーンを見かけます。僕も昔、野球の経験があるので、その気持ちはよくわかります。
自分が作ったバットが地面に叩き付けられているのを見ると、自分の子供が叩き付けられているように感じると思います。
野球選手が日々、練習を行い自分のレベルを高めているように、バットづくりの職人さんも日々努力しているんです。
そして出来上がったバットは努力の成果なんです。
凡打、三振、全て野球選手の努力不足だからです。
叩き付ける相手が違います。
テニスラケットも同じだと思うんですね。
テニスラケット、バット共にモノなのかもしれませんが、モノだから大切にしなくてよいなんて理屈は通らないと思います。
そして、モノに込められた気持ちは考えなくてもよいのですか?
モノを大切にすることができないのに、差別問題を語れるとは、どうしても思えないんですね。