seegeのまとめサイト

もっと早く教えてくれよって思った内容を書いていきたいと思います。

アルプスの少女ハイジ【第二部】

第二部:

人格形成小説としてハイジが成長した成果が見えてきます。

ハイジは、フランクフルトでの習慣で朝起きると部屋の中を掃除をするようになっていました。おじいさんは、その姿を見て感心します。

ペータに教えるハイジ

読み書きを覚えたハイジは、16歳のペーターに教えます。

以下は、ペータに文字を教える際に使用した絵本の一部です。

  • A・B・Cが今日できないと、明日はみんなの前で叱られる。
  • D・E・F・Gスラスラ書けなきゃ、たちまち不幸がやってくる。
  • H・I・J・K忘れたら、いよいよ罰が下される。
  • Wという字がわからなければ、壁にかかっている鞭を見ろ。
  • まだXを忘れていたら、今日は何にも食べられない。

f:id:seege:20201227115834p:plain

このような厳しい本を元にペータ―も、文字を覚え、おばあさんに賛美歌を読んであげられるようになりました。

そして、ハイジの元にクララから秋に遊びに行くという手紙が届きます。

しかし、クララの具合がよくないため、延期になります。

ラッセン先生がアルムへ

下見を兼ねて、クララの主治医であるクラッセン先生がアルムにやってきました。

ラッセン先生はハイジをアルムに帰すように勧めてくれたハイジに取っての恩人です。そんなクラッセン先生ですが、妻を亡くし、2・3か月前には生きがいであった一人娘も亡くし、元気をなくしていました。

f:id:seege:20201227132042p:plain

アルムにやって来た、クラッセン先生を見て、ハイジは大喜びです。

ラッセン先生は沢山のお土産を持ってきてくれたのですが、「先生より嬉しいものは見つからなかった」と伝えます。

ハイジは、アルムに戻してくれたクラッセン先生にとても感謝していたので、「本当に、どうもありがとうございました」とお礼を言います。

ラッセン先生は、なぜ、お礼を言われているのかが、わからず、ハイジに尋ねます。

「私がまた家に帰れたことです。おじいさんのところへ」とハイジは答えます。

先生の顔は日の光を浴びたように明るくなります。

こんな風に歓迎されるとは、思っていなかったからです。

翌日、ハイジは先生を、ハイジのお気に入りの場所へ案内します。

しかし、その景色を見ても、先生の表情は、物憂げです。

ハイジがなぜ、そんな顔をしているのか尋ねると先生は以下のように答えます。

  • いいかい、ハイジ。目の上に大きな影がかかっている人が、ここにいるとしよう。その人は、影のせいで周りの美しいものが全然見えないんだ。そうしたら、その人は悲しくなるんじゃないかな?周りが美しいから、余計に悲しいんだ。わかるかい?

ハイジの心に痛みが差し込んできました。

しかし、ハイジにはいい方法があることを知っていました。

クララのおばあさんに教えてもらった讃美歌の歌詞を言ってあげました。

  • 神様にゆだねましょう。神様は賢い君主。あなたを驚かせるようなこともなさるでしょう。

先生は何も言わず目を手で覆いました。

小さな男の子の自分が優しいお母さんの椅子のそばに立っていました。お母さんは、男の子の首を抱き寄せて、この歌の歌詞を口ずさんでいました。

ハイジが聞かせてくれた歌です。

先生が顔を上げると、ハイジは、不思議そうに自分の顔を見ていました。

先生はハイジの手を取ると、次のように言いました。

  • ハイジ、君の讃美歌は素晴らしかった。また一緒にここに来よう。そうしたら、また聞かせてくれるね?

元気をなくしていた、先生はハイジが聞かせてくれた賛美歌に救われました。

おじいさんも、クラッセン先生と一緒に山歩きをして話したことで、おじいさんのアルムの薬草・生き物についての豊富な知識に驚き尊敬をするようになります。

クララがアルムへ

ラッセン先生はフランクフルトに戻り、クララにアルムの素晴らしさを伝えます。

それを聞いた、クララは、どうしてもアルムに行きたくなり、ハイジに手紙で行くことを知らせます。

  • 大好きなハイジ!わたしたちはもう、鞄に荷物を詰めました。クラッセン先生は毎日いらっしゃって、ドアを開ける前からもう、「早く!早く!アルムへ行っておいで!」とおっしゃいます。ああ、本当に楽しみです。色々なものをみんな見せてもらって、アルムのあなたのところで、ペーターや山羊たちも知り合うのが!

そして、6月の終わりにクララは、おばあさんと共にアルムにやってきました。

屋敷からほとんど出たことのなかったクララにとってアルムの景色は、夢のようです。

アルムでの生活はとても楽しく、あっという間に過ぎていきました。

ある日、おじいさんは、おばあさんに言います。

  • もし、おばあさまが私を信用してくださって、ご反対でなければ、お嬢様を暫く山の上でお預かりさせて頂けませんか?

おばあさんは、思わず言いました。

  • おじいさん、あなたは素晴らしい方です!感謝せずにはいられません。おじいさん!心からお礼を申し上げます!

おばあさんは、山を下り、クララは4週間、山小屋で過ごすことになりました。

クララは、星をほとんど見たことがなかったので、ハイジの干し草のベッドから見える星空に感動しました。

おじいさんは、クララの看護をとても上手に行いました。

これは、傭兵時代に、重症で手足が動かせない、隊長の看護を経験していたからです。

クララの看護は、おじいさんが戦争で負った心の傷を回復させてくれたのです。

ペータの嫉妬

しかし、山羊飼いのペーターは、ハイジをクララに取られてしまったように感じていました。クララが来て3週間たったころ、ペーターは納屋の前にあったクララの車いすをみつけました。

クララが来てからハイジにずっと相手にされずにイライラしていたペーターは車いすを山から突き落として壊してしまいます。

壊れた車いすを見て、これで、クララは動くことができないので、帰るしかなくなるとペーターは飛び上がって喜びます。

しかし、ペーターは、悪いことをしたら、どうなるのか?どんなことが起きるのか?ということを考えていませんでした。

クララが歩いた!

車いすがなくったクララですが、おじいさんに抱えてもらって、山の上に行きます。

おじいさんは、山の上で二人を残して小屋での仕事に戻ります。ハイジは山の上にクララと子山羊だけを残して花畑に行きます。

f:id:seege:20210110184821p:plain

一人になったクララは以下のようなことを考えます。

  • この美しい太陽の光の中で生き続けたい。今、ユキ(子山羊)を喜ばせているように、誰かを喜ばせることをしてみたいという、これまでにはない気持ちが芽生えてきました。

世話をされるだけだったクララが、子山羊を見ている内に、誰かの世話をしたいという気持ちにさせたのです。

ハイジは、花畑から戻ってきました。そしてクララを花畑まで連れて行くためにクララと共に歩く練習をします。通脇から見ていたペーターをハイジは見つけて手伝わせます。

そして、クララはその日の内に一人で歩けるようになります。

ペータへの罰

そして村人が高価な車いすが粉々になっているのを見つけます。

村人たちは、「こんなことをした奴は大変な罰を受けることになると騒ぎます。それを知ったペータは恐怖のあまり挙動不審になります。

おじいさんは、クララのおばあさんにもう一度、アルムに来るように伝えます。

そして、おばあさんとは別にクララの父のゼーゼマンも内緒でアルムに向かっていました。しかし、ゼーゼマンは道に迷ってしまいます。丁度、山から下りて来たペーターに道を聞こうとしますが、ペーターはゼーゼマンのことを警察と間違えてしまいます。

ペーターは叫びながら、自分が落とした車いすのように急な斜面を真っ逆さまに転がり落ちていきます。

おじいさんは、車いすを壊したのをペータだと気がついていたので、おばあさんに伝えます。それを聞いた、おばあさんは次のように言います。

  • これ以上、彼を咎めるのはやめましょう。ちょっと、バカなことではあるけれど、私たちは誰しも、腹を立てるとバカなことをするものですからね。

おばあさんは、ペーターを以下のように諭してくれます。

  • 誰でも心の中に神様が入れておいた小さな番人がいて、その人が悪いことをすると目を覚まして小さな棘(トゲ)で心の中をつつくのよ。

ペーターは、今の自分は、まさにその通りだと気づき打ちのめされます。

そんなペーターに、おばあさんは更に以下の事を言います。

  • お前が困らせようと思って車いすを壊したおかげで、クララは歩けるようになったのよ。

ハイジの経済的保証

クララが健康になり歩けるようになったことに対して、ゼーゼマンは、おじいさんに恩返しをしたいと申し立てます。

おじいさんは、以下のように言います。

  • 私は年寄りで、もうそんなに長く生きられるわけでもないでしょう。ゼーゼマンさん、もしあなたが、ハイジが一生の間、よそにパンをもらいに行かなくても生活できるようにしてやると保証してくだされば、それでもう、私があんたと娘さんにしたことへの十分なお返しとなるんです。

ゼーゼマンさんは、勢い込んで答えます。

  • この子は、もう、うちの家族の一員です。さぁ握手をしましょう。約束します。この子は一生、決してパンを求めてよその人のところへ行くことはありません。私が面倒をみますし、私が死んだとしても、それは続きます。

ラッセン先生も秋には、こちらに移り住むということを告げます。

元気になったクララは、ゼーゼマン、おばあさんと共にスイス旅行へと出発しました。

ラッセン先生は、おじいさんとハイジが冬の間、住んでいた廃墟をリフォームして移り住みます。

ハイジにとっては二人の保護者ができたことになります。

ハイジに経済的保証が与えられることで物語は終わります。

 

ハイジの原作を読むと、子供の向けの本であっても手加減なしって感じの内容になっています。確かに、これだと日本のアニメ版の内容だとスイスの教育方針に反するような気がするので、スイスでは放送しないというのも納得できるような気がします。

そして、神様への信頼感を持たせるというのは、日本の子供には向かない内容です。

日本だと、子供の頃にアニメ版を見て、大人になって原作を読むというのが良いのかもしれませんね。