榎並アナが謝罪?
家に帰ってきて、ニュースを見ていると「Live News イット!」で、榎並大二郎アナが謝罪していました。
何の謝罪をしているんだろうと調べてみると・・・
FNN・産経合同世論調査は、「政治」をテーマに減速毎月1回、全国の有権者約1000人を対象に電話で実施していました。
2020年6月にデータを不正に入力しているという情報を受けて、FNNと産経新聞が調査を行ったところ、調査を委託していたアダムスコミュニケーション社が、契約で定めた手続きを取らずに、調査の半分を日本テレネット社に再委託していたことが判明しました。
更に日本テレネット社のコールセンター責任者が、オペレーターの人件費を削り、利益を増やしたいということで、正規の調査票を基に、性別・年齢・移住地など変えて調査票を水増し、架電実績のない電話番号を含む虚偽のリストをアダムス社に提出していたことも判明しました。
以下は、調査を行っていた2社の謝罪文です。
株式会社 アダムスコミュニケーション
- 平素より格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。さて、6月19日(金)のFNNニュースにて、弊社が受託したFNN、産経新聞合同世論調査業務において、弊社再委託先の社員による一部データの不正入力があったとの報道があり、弊社としてもこの事実を確認いたしました。お取引先様ならびに関係者の皆様には多大なるご迷惑をおかけし誠に申し訳なく、深くお詫び申し上げます。現在、社内でさらなる調査を進めているところでございます。結果につきましては改めてご報告申し上げます。今後は、社内の管理体制の徹底、不正防止に対する仕組みの見直しと従業員への再教育を行い、再発防止と信頼回復に向けて全力で取り組んでまいります。今後とも引き続きご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
株式会社 アダムスコミュニケーション
代表取締役社長 桧山 幹夫【出典】「FNN、産経新聞合同世論調査 一部データの不正入力」報道に関するお詫びとご報告 | アダムスコミュニケーション
日本テレネット株式会社
- 平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。このたびは、弊社が受託した「FNN世論調査業務」におきまして、お客様からいただいた「信頼」を裏切る行為を引き起こしましたこと、衷心よりお詫び申し上げます。6月19日(金)FNNニュースで、弊社社員による「データの不正入力」に関する報道がございました。弊社におきましても、その事実を確認いたしました。重大な事態を引き起こし、ご迷惑をおかけし、世間をお騒がせいたしましたことを心より深くお詫び申し上げます。現在、社内で詳細の調査・確認を進めているところでございます。結果につきましては、まとまり次第改めてお知らせいたします。今後は、社内の管理体制・不正防止のシステム改善に取り組み、お客様、みなさまからの「信頼」を一日も早く回復できますよう誠心誠意、スピード感を持って取組んでまいります。多大なるご心配、ご不安をおかけいたしましたことを重ねてお詫び申し上げますと共に、今後とも変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますよう、伏してお願い申し上げます。
2社ともに、調査結果について改めて報告しますと記載されていますが、2020年1月16日現在、そのような報告はあがっていません。
産経新聞・FNNでは調査は全て完了したため、世論調査を再開すると発表しているので2社の、いい加減さは、改善されていないように感じられます。
ルールを破り、不正をしておいて義務も果たせないような会社は、存在価値がないと思います。
具体的にはどんなデータ?
実際に、どんなデータで報道されていたのかを調べてみました。
データの不正入力があったのが、2019年5月~2020年5月までの全14回の調査全てにおいて不正があったということです。
以下は、今回、FNN・産経新聞合同世論調査でデータ不正入力があったと確認された期間での各社との調査結果を比較できるようにした表です。
一見すると、それなりのデータに見えます。
しかし、産経新聞・フジテレビの調査日は、先に他社が調査が終わったあとに行われているようです。他社の結果を待って、つじつまが合うように不正なデータを入力していたような印象を受けました。
不正調査の結果は?
- 不正入力はおととし(2019年)5月から去年(2020年)5月までの調査14回すべてで行われ、不正件数は合わせて1万4636サンプルのうち、12.9パーセントにあたる1886件に上ることを確認しました。
- 不正は、日本テレネットのコールセンターで行われていました。現場責任者が、オペレーターが実際に電話をかけて有権者から回答を得た正規の調査票をもとに、主に性別や年齢、居住地などを変えて調査票を水増ししていました。
- この日本テレネットの現場責任者は実際に電話をかけていないのに、電話をかけたことにして、調査後アダムス社に架電実績のない電話番号が含まれた虚偽の架電リストを提出して、不正が発覚しないよう工作していました。
- 現場責任者は調査チームのヒアリングに対して不正を行った理由についてオペレーターの人件費を削り、利益を増やしたかった旨、説明しました。
- フジテレビと産経新聞には、現場での立ち会いを行わないなど監督・チェック体制に不備がありました。
- FNNと産経新聞は不正なデータが含まれた調査結果を報道したことを深刻に受け止め、不正が行われた期間の放送と記事をすべて削除しました。
悪質極まりないです。
契約で定められたことを守らない、アダムスコミュニケーション、不正が発覚しないように工作を行った、日本テレネット。産経新聞、FNNも責任はありますが、僕は、調査を委託された会社に苛立ちを強く感じました。
世論調査ってどうやって行っている?
今回、産経新聞、FNNでのことでしたが、他は大丈夫なのでしょうか?
そもそも、世論調査ってどのように行っているのでしょう?
調査方法は以下の4つが多いようです。
個人面接法
- 調査員が、直接、調査相手本人に会い、調査票に従って口頭で質問をし、調査相手の回答を調査票に記入する方法です。
配付回収法
- 調査員が、調査相手に調査票を届け、回答の記入を依頼して後日受け取りに行く方法です。
郵送法
- 郵便で調査相手に調査票を送り、回答記入後に返送してもらう方法です。
電話法
- 調査員が、調査相手にランダムに番号を発生させ電話(固定・携帯)をかけ、調査票にしたがって口頭で質問をし、調査相手の回答を記録する方法です。
【出典】世論調査の手順 - 調査方法 | NHK放送文化研究所
内閣府の世論調査
内閣府では、市区町村の住民基本台帳を閲覧して調査対象の方々を選んでいるということですが、民間ではできないので、テレビ局や新聞社では、電話を利用している場合が多いようですね。
内閣府で行った結果は、公開されていて、以下のような内容です。
- 食生活に関する世論調査※郵送調査
- 社会意識に関する世論調査
- 2020年東京オリンピック・パラリンピックに関する世論調査
- 基本的法制度に関する世論調査
- 外交に関する世論調査
- 森林と生活に関する世論調査
- 医療のかかり方・女性の健康に関する世論調査※郵送調査
- 男女共同参画社会に関する世論調査
- 環境問題に関する世論調査
- がん対策・たばこ対策に関する世論調査
- 国民生活に関する世論調査
- 社会意識に関する世論調査
- 成年年齢の引下げに関する世論調査
- 老後の生活設計と公的年金に関する世論調査
- 外交に関する世論調査
- NPO法人に関する世論調査
- 再犯防止対策に関する世論調査
- 食と農林漁業に関する世論調査
- 子供の性被害防止対策に関する世論調査
- 生涯学習に関する世論調査
- 国民生活に関する世論調査
- 社会意識に関する世論調査
- 自衛隊・防衛問題に関する世論調査
【出典】世論調査 - 内閣府
電話番号だとどうしてもバラついてしまいます。
固定電話を持っていない若者が多くなっています。
固定電話を持っていても仕事で昼間は不在だとか、ランダム抽出だといっても携帯電話の番号だと市街局番がないので、人口の多い地域に集中してしまったり、純粋なランダム抽出とは言えないと思います。
そもそも、電話で回答してくれる人と回答してくれない人がいるわけですから、この時点でランダム抽出とは言えなくなってしまいます。
このため、世論調査というのは、内閣府のように国民の個人データを利用できる機関が行わないと統計通りの結果が得られるとは思えません。
上記で表にした内閣支持率のデータ(2019年12月調査分)にしても、産経新聞・FNNの分を除外しても40%~50%とバラついています。
支持率が40%と50%では、随分と印象が変わってきます。
そう考えると、世論調査は公的機関が行うべきなのかな?と思いました。