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予防接種とワクチンの違い

毎年、秋から冬にかけて、インフルエンザの予防接種を受ける方が多いかと思います。

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特に今年は、新型コロナウイルスが収束しない状態で、予防接種を受ける方が多かったように思います。

そして、イギリスでは、世界初のコロナワクチンの接種が始まっています。

ワクチンも、予防接種も共に、人間の「免疫」の仕組みを利用して、病原体を体内に入れて、病原体を攻撃するしくみを作るものです。

インフルエンザでは、「予防接種」といい、コロナでは「ワクチン」と呼ばれています。この違いは、何なのでしょうか?

まずは、ワクチンから確認していきます。

ワクチンとは?

細菌やウイルスの毒性を弱めたものになります。

そして、ワクチンには、以下の3種類があります。

  • 生ワクチン
  • 不活化ワクチン
  • トキソイド

生ワクチン

  • 病原体は生きているが、病原体のウイルスや細菌が持っている病原性を弱めたものです。

不活化ワクチン

  • 病原性を無くした細菌やウイルスの一部を使います。生ワクチンに比べて免疫力がつきにくい

トキソイド

  • 細菌の産生する毒素(トキシン)を取り出し、免疫を作る能力は持っているが毒性は無いようにしたものです。(不活化ワクチンに含まれることもあります)

【出典】ワクチンってな〜に? | よ〜くわかる予防接種 | ワクチンについて | 一般社団法人日本ワクチン産業協会

予防接種とは?

これらのワクチンを体内に入れることを言います。

ワクチンを体内に入れると、病原性を弱くしたウイルスや細菌が身体の中で徐々に増えていきます。すると人体の免疫機能が働き、ウイルス・細菌を排除してくれる抗体が作られるようになります。病原性を弱くしていても、ウイルス・細菌を体内に入れるので、病原菌が徐々に増えていくと、接種後1~3週間に自然にかかったのと同じような軽い症状が出ることがあります。

インフルエンザの予防接種を行った後に熱が出る人がいますが、このような理由からです。

不活化ワクチンは病原性をなくしたもの、トキソイドは、毒素を取り出したものなので、生ワクチンに比べると免疫力がつきにくいので、何回かに分けて摂取することになります。

【出典】ワクチンってな〜に? | よ〜くわかる予防接種 | ワクチンについて | 一般社団法人日本ワクチン産業協会

ワクチンと予防接種の違い

「健康な状態の時」にワクチンを体内に入れることが予防接種ということになります。

日本では、異なるワクチンを接種する場合はには、生ワクチンで27日以上、その他のワクチンの場合は、6日以上の間隔が必要でした。(注射ワクチン同士の場合)

しかし、これが、その他のワクチンの場合だと日数制限がなくなりました。

ただし、これは異なるワクチンの場合であり、同じ種類のワクチンを複数回摂取する場合には、ワクチンごとに決められた間隔がありますので、注意が必要です。

令和2年10月1日から、異なるワクチンの接種間隔について、注射生ワクチンどうしを接種する場合は27日以上あける制限は維持しつつ、その他のワクチンの組み合わせについては、一律の日数制限は設けないことになりました。

ワクチンの接種間隔|厚生労働省

抗生物質とは?

細菌に対抗する治療薬として抗生物質があります。

細菌を含む微生物の成長長を阻止する物質です。

ワクチンがない場合は、抗生物質を投与すれば良いのではないかと思うのですが、抗生物質は実は危険なのです。

まず、抗生物質は細菌には効果がありますが、ウイルスに対しては無力です。

そして、細菌に対しても遺伝子を変えるなどして抗生物質に耐える耐性菌に変化するようになってきたのです。

このことを「薬剤耐性(AMR)」と言いますが、現在、世界的な問題になっています。

そして日本でも、耐性菌が原因で年間8,000人以上が死亡しているそうです。

このため、抗生物質を多用すると、耐性菌を増やすことに繋がり薬が効きにくくなるので、抗生物質は風邪程度では処方しないようになっています。

そう考えると、人間の免疫機能を利用した治療というのが一番だということになります。