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雪に弱くなった雪国

大雪で1100台が関越自動車道で立ち往生

2020年12月15日からの大雪で、色んなところで大きな渋滞が発生しました。

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特に関越自動車道では、2020年12月17日の22時現在で1100台が立往生の状態です。

大雪の影響で新潟県内の関越自動車道では多数の車による立往生が発生し、今も解消されていません。一方、17日夜に入って、数か所で立往生した車を高速道路の外に誘導する作業が進められ、警察によりますと一時およそ1100台が立往生していたとみられますが、半分ほどのおよそ500台近くが高速道路の外に出たということです。

【出典】新潟 関越道 大雪で立往生 500台近くが外に出る(17日22時) | 気象 | NHKニュース

そして、 2020年12月18日午後10時15分に立ち往生が解消したということでNEXCO東日本から発表がありました。

  • NEXCO東日本は18日午後10時15分をもって、関越自動車道の立往生が全て解消したと発表しました。
  • 大雪の影響で、関越道では16日から立往生が発生。上下線あわせて最大2100台の身動きがとれなくなりました。
  • 下り線の立往生は18日朝までに解消し、NEXCO東日本や自衛隊は上り線の立往生解消に向けて除雪作業などを続けてきました。
  • なお小出IC~月夜野IC(上下)で続く通行止めは、引き続き除雪作業を行った上で19日朝には解除予定だということです。

【出典】【速報】関越自動車道の立往生 上り線も解消 全車両の退出完了【新潟】

解消までに52時間を要したということです。

41時間物資が届かずペットボトルに雪を突っ込んで溶かして飲んでいたという人もいたようです。

原因は?

かなり使い込んだタイヤの大型車が雪の影響で車輪が空転し動けなくなり、車線をふさいでしまい渋滞となったとのこと。

  • 上り線の塩沢石打インターチェンジ(IC)の手前約350メートルで、複数の大型車が動けなくなった。雪の影響で車輪が空回りする「スタック」状態となり、車線がふさがれたことで渋滞が起きた。
  • さらに午後10時45分ごろ、下り線の湯沢IC付近の手前約2キロでも大型車がスタック状態になり、渋滞が生じた。翌17日朝にこの大型車は走れるようになったが、その間に積もった雪で後続車が動けず、大規模な立ち往生につながった。
  •  しかし、16日中には関越道は通行止めにならず、立ち往生する車が増えることになった。同社は17日午前5時40分以降、段階的に通行止め区間を増やしたが、立ち往生の車は最大で上り1750台、下りで350台にのぼった。

【出典】スタック相次いでいたのに…関越道、遅れた通行止め判断:朝日新聞デジタル

この報道を聞いて、僕は平成30年の豪雪を思い出しました。

平成30年の豪雪

もう、3年近く前になる平成30年の豪雪では2018年2月6日に石川県の幹線道路である通称、8号線(国道8号)の石川・福井両県内で1500台が10Kmに渡り立ち往生した時のことを思い出します。

国道8号線は、新潟県新潟市から京都府京都市までの一般道です。

この時は、大型車のトラブルで渋滞が酷くなり、短期間に大量の雪が降り、道路に積もり身動きができなくなったというものです。

電車も運休、高速道路も閉鎖となり、急ぎの荷物を名古屋に届ける必要があった人は、運送便も動けないため、唯一動いていた北陸新幹線を利用して東京駅まで行って、東京駅から乗り換えて東海道新幹線で名古屋まで持って行ったということもありました。

この日は、家から出られない人ばかりで会社を急遽休みにしたところも多かったです。

人の力ではどうにかなるような量の雪ではなく、重機でも雪の量に負けて押すことができずにスリップを行う場面もありました。

除雪を行うにも捨てる場所がなく駐車場に大きな雪の山が出来ました。

市の除雪車が車道から除去した雪が歩道に盛り上がり人は歩道を歩くことができなくなり、車道を歩いていました。

この日から、雪が断続的に降り続き、除雪しても直ぐに雪が積もるので、毎日、朝、家を出る際に除雪、会社に着いたら除雪、家に帰ったら除雪と除雪三昧の日が続きました。

朝起きたら家の前は雪が車のバンパーの位置くらいまで積もっていますし、仕事が終わり帰る時も同様です。

8号線が閉鎖になり、物流が停止してしまいコンビニから、食料が消えるという人が何日か続きました。

外出するのも大変で、道路に雪が積もり2車線の道路が1車線となり、片側交互通行のようになっている道路が、あちこちにあったので、立ち往生するのが怖くて取引先に移動するのも控えるようにした日々が1か月程度続きました。

この間、ほぼ毎日、除雪ばかりなので、筋肉痛です。

除雪をしているときに、除雪を請け負っている業者の方と話をしたりしていました。

その時に聞いたことですが、連日フル稼働で徹夜で午前中の除雪が終わったら、夕方まで眠りまた除雪だとで疲労困憊ということでした。

重機で色々な会社を転々としないといけないのですが、幹線道路以外には融雪装置がついておらず、狭い道路だと雪が積もっていて目的の場所に行くのにも苦労したそうです。

重機で除雪しながら進めばよいのでは?と思ったのですが、道路の雪は重機等で許可なく除雪してはいけないという事情があったようです。

この年は本当に、雪を見るのが嫌になるくらい、雪が積もりました。

テレビで雪が積もっている映像を見ると、嫌な気持ちになったものです。

平成30年の時は、まず、北陸自動車道が通行止めになりました。

そうすると、高速道路が利用できないので、国道8号に車は流れていきます。

高速道路が通行止めになって約40分後に金沢方面に向かう大型車が約40cmの積雪のため身動きできなくなりました。

身動きが取れなくなり、人が亡くなる

この渋滞で富山県に住む当時19歳の会社員男性が雪に埋もれた軽乗用車の中で死亡しました。死因は一酸化炭素中毒でした。

渋滞を避けるために国道8号を避けていたということです。

しかし、それが結果的に最悪の結果になってしまったのだと思います。

雪で身動きできなくなって、JAFや警察に連絡をしましたが、あちこちで同じようなことが起きていたので、車通りが少ない道路は対応が遅れてしまったのだと思います。

更に、暑がりだったということで、冬でも上着やマフラーを着けなかったということで、このときも防寒着を持っていなかったそうです。

免許を取ったばかりで運転経験もなく、マフラーが雪で塞がると車内にいる人間は一酸化炭素中毒になるということにも気がつかなかったのでしょう。

亡くなられた男性の母親は、「人災だったことを忘れないで欲しい」と言われてます。

勿論、大雪が一番の原因ですが、色んな人的要因が重なり発生したものだと考えると、確かに人災だと思います。

平成30年のことを教訓に

この時のことを繰り返さないようにということでチェーン規制が改正されました。

  • 大雪時のチェーン規制について「タイヤチェーンを取り付けていない車両通行止め」標識を新設

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これまで、チェーン規制というと、冬タイヤを装着してれば大丈夫でしたが、改正後はチェーン規制が出されている区間を通る時にはチェーンの装着が必要になりました。

これは、以下の時に行われます。

  • 雪特別警報が出された時
  • 大雪に対する緊急発表が行われるような異例の降雪がある時

対象となる区間には上図左側の標識が設置されています。

この規制が行われると、冬タイヤを装着していてもチェーンを装着していないと対象の区間を通ることができなくなります。

今回、渋滞となってしまった区間はチェーン規制の対象になっていなかったので、対象区間の見直しがされることでしょう。

なぜ、雪国が雪に弱くなったのか?

今は、石川県では道路の融雪装置も年々、充実しており、幹線道路であれば雪が積もるということは、滅多にありません。

僕も昔はチェーンも車に積んでいましたが、雪が降らなくなってからは、チェーンを買うことはしなくなり、現在は持っていません。そして、チェーンをタイヤに装着したこともありません。

そして、車の台数は増えています。

車の台数が昔とは異なり、1家庭に2台の時代です。

単純に考えると2倍以上増えていると思っていたのですが、実際には、

平成元年から平成29年にかけての自動車保有台数は1.5倍増でした。

【出典】自動車保有台数の推移

おそらく、マイカーの保有数は地方の方が都会よりも多いと思いますので、地方だけだと2倍位になっているのではないかと思います。

この結果、渋滞が進むので、家を早く出る人が増えるので昔は空いていた時間帯でも、今は、かなりの車が走っています。信号機も増えているので止まることも自然と増えます。このため、遅い車が2台、並んで走っていると、本来止まらずに済む信号で止まってしまうので渋滞しやすくなります。

 

そこへ、大雪で大型車が身動き取れなくなってしまえば、大渋滞となり、今回の関越自動車道のようなことが起きるわけです。

雪が減った

金沢も1990年頃までは、1日60㎝位の積雪は当たり前でしたが、今は多くても20㎝程度です。このため、自然と雪に慣れていないドライバーが増えていきます。

そんな状態で、1日で60㎝も積もってしまうと、側溝に脱輪したり、タイヤを空転させたりと渋滞の要因が沢山発生します。

更に車が増えているので、今回のような渋滞になってしまうことになります。

市の除雪に関する予算が減った

雪が減って積もることが殆どなくなった関係で、除雪の予算を削減しているんですね。このため、除雪車を所有していた企業も除雪業務は廃業していきました。

そこへ平成30年の大雪だったので、除雪を依頼できるところがなかったので、除雪車を所有している限られた企業に依頼が集中し、徹夜でフル稼働という日が続いたのです。そして、除雪するよりも降雪のスピードの方が速いため、市内から中々、雪が消えなかったのです。

もう一つ、問題がありました。連日、断続的に大量の雪が積もるため、雪が融ける前に次の雪が積もるため、雪を捨てる場所が不足するようになりました。

これまでは、金沢市内の川沿いに指定の雪捨て場がありました。

しかし、そこだけでは足りなくなりました。

仕方なく、山沿いに雪捨て場を急遽作りましたが、道路の雪が除雪されていない状態ですので、不断なら20分程度で行ける場所でも何時間もかかり、行って帰ってくるだけで2時間もかかったとかで、雪を捨てに行くと除雪が進まなくなるので捨てには行かず、雪山にして積んでおくしかなかったわけです。

このような事情から、雪国と言われた金沢でも突然の大雪になると東京で5㎝降ったというのと同じような大パニックになってしまうのです。